このページを書いているのは梅雨の真っ最中なのですが、明けない梅雨はない、ということで、梅雨が明ければ、暑い夏。
おそらく一般的には「温泉」と言えば涼しい季節や寒い季節に入りたいなと思うもので、暑い季節に温泉に入りたいという人は少数派なのかもしれません。
でもやはり、夏休みもあって旅の時間を確保しやすい夏。温泉旅をしないともったいないと自分的には思ってしまいます。(まあ、自分が貧乏性なのですが。)
というわけで今回は、暑い夏でも温泉旅を、ということで。後半部分は、主に甲信越地方の温泉で自分が夏に訪れてきた温泉を紹介してみます。
暑い夏の温泉選び
「暑」いのに「温」泉というのはちょっとなあ、という人もいるかもしれないのですが、その通り、暑い季節なのでどこの温泉に行くかは結構大切。
それを踏まえて、自分が夏の温泉旅で予約を入れる温泉はと言えば、
- 空いていそうな温泉地
- 涼しい気候の温泉地
- 熱すぎない温泉
このあたりの条件がそろっているところになります。
空いていそうな温泉地
季節を問わず、空いている温泉地を選ぶクセがついている自分ですが、やはり夏でも、人が多くいそうな気がする、有名な温泉地は選ばないようにしています。
有名な温泉地というのは、名前を聞いたことがある温泉地で、大きな温泉旅館が立ち並ぶような場所。
逆に、有名でない温泉地は目立たないのですが、予約サイト等で「〇〇温泉」という温泉名ではなく、地域で選ぶようにすれば、有名でない温泉地に出会えます。
例えば、山梨県の「石和温泉」の宿を探すのではなく「石和・勝沼・塩山」エリアの温泉宿を探してみる、と言った風に。
きっと、空いているところ、静かなところは都会よりは涼しく感じるのでは・・・と思うのですが、いかがでしょうか。
涼しい気候の温泉地
次に、そもそも場所的に暑くなさそうな場所を選ぶ、というのも重要になってきます。
暑い季節でも比較的涼しい・・・という条件で真っ先に思い浮かぶのは、標高の高いところ。山が近いところや高原にある温泉は、気温も涼しくなりますね。
熱すぎない温泉
混雑度、気候の次は、温泉そのものの熱さ。
温泉と言ってもすべての温泉がアツアツなわけではなくて、中には40℃を下回るような、割とぬるい温度の温泉もあります。
ただ、ぬるい温泉に入れる温泉地や温泉宿を見つけるのはちょっと難しいところではあります。
まず、ぬるい、と言っても人によって感じ方は様々でしょう。
それから、宿によって使っている源泉の種類が違うこともありますし、宿によって温度調整の加減も変わってきます。
実際に泊まった日の気温も、お湯の温度に影響してきますしね。
という風に、温度で温泉や温泉宿を選ぶ、というのはなかなか難しいところではあるのですが、最低限、熱い、と評判の温泉は、夏ではない時期に行くようにしています。
暑い夏の温泉旅(甲信越編)
そんな風に、普段の温泉地選びと似たようなアプローチではありますが、暑い季節でも涼しくて静かな温泉旅をしてきました。
今回は甲信越地方(山梨県、長野県、新潟県)で、主に夏の時期に自分が巡ってきた涼しい温泉旅の行き先を紹介してみます。
山梨県の温泉
まず山梨県の温泉は、全体的にぬるめのところが多いです。夏の甲府盆地は夏は暑いのですが、温泉は熱くない場合が多いのです。
首都圏在住であれば、東京都の隣の県で近くて、お手軽に温泉旅ができる場所。
夏は果物の季節なので、温泉旅と一緒に桃やぶどうなど、フルーツ狩りも楽しめます。
ぶどうと言えば、山梨県の名産品はワイン。特に白ワインが名産ですが、白ワインをすっきり冷やして食事と一緒にいただくのもいいものですね。
岩下温泉
甲州最古の温泉と言われています。JR山梨市駅から車で数分のところに、一軒宿の「岩下温泉旅館」があります。
源泉の温度は28度。さすがに夏でも冷たいです。(これが冬だとどうなるんだろう。)
もちろん加温したお湯もあるので、そちらに入って温まることもできます。
岩下温泉旅館にはフルーツ狩りのセットプランがあり、チェックアウト後に農園でフルーツ狩りも楽しめます。
また、甲州ワインも揃っているのでお酒がお好きならぜひ。
甲府湯村温泉
このブログで結構推している温泉地です。県庁所在地の甲府市にあって、駅からもバスで分程度と近いのですが、意外とひっそり。
個々の宿で源泉を持っているようで、宿によって使われている源泉が異なるのですが、数件の宿のお湯に入ってみたところ、温度はぬるめのところが多かったです。
夏以外の季節、甲府湯村温泉の宿ではお湯を加温することもありますが、逆に夏は、加温していないそのままの温泉に入れるのがまた魅力。
増富温泉(増富ラジウム温泉)
甲府から少し北に行った韮崎駅から、バスを長く乗って山に入っていった先にあります。天然のラジウムが含まれる温泉ということで「増富ラジウム温泉」とも。
こちらの温泉は「ぬるい」ではなく「冷たい」です。古くからの湯治場で、シニア世代の方が長期滞在する場所です。そう、温泉の効能で知られているのです。
暑い季節であれば冷たい温泉でも気持ちいいかな、とも思ってしまうのですが、ここ増富は標高約1,100メートルと高地にあるので、そもそも夏も涼しいのです。
なので、ちょっと寒いくらいな日もあります。
下部温泉
個人的に行った回数、という意味では一番多く、当ブログでも何度も出てくる下部温泉(しもべおんせん)は、かの武田信玄も入ったという「信玄の隠し湯」です。
下部温泉には30度そこそこのぬるい源泉と、50度前後の熱い源泉とがあります。
宿によって使っている源泉が異なるので、ぬるい源泉に入りたいなら事前に調べておくと良さそう。
6月はホタルが飛ぶ時期で、その後の夏に入るぬるい源泉は気持ちが良いです。下部温泉が最もにぎわう時期なのではないでしょうか。
長野県;東信地方とその周辺
南北に広く山に囲まれた長野県は、夏でも涼しく過ごせそうな場所も多いです。
温泉の種類は様々で、野沢温泉や湯田中渋温泉郷のように熱い温泉がメインのところもあれば、ぬるめの温泉もあり。
そんな中で、夏の温泉旅の行き先として一番多かったのが、長野県の東側、東信地方。鹿教湯(かけゆ)温泉、田沢温泉、霊泉寺温泉などに行っていました。
東京からこれらの温泉へ行く際のアクセスは、北陸新幹線の上田駅。基本的には「あさま」に乗って行きます。
避暑地がある軽井沢駅や、海外からの観光客も多そうな長野駅に比べたら、上田駅で降りる観光客は少なめかも知れません。でもそれがいい、と。
上田駅の南側では千曲川がゆっくり流れていて、それもまた涼しげ。自分がよく行く温泉は、千曲川を渡った先にあります。
鹿教湯温泉
鹿教湯(かけゆ)温泉は標高約700メートルと、山の中。鹿が猟師にその存在を教えてくれた温泉、というエピソードも、山深い感じがします。
お湯に入ってみると、まあ、ぬるくはないのですが、熱すぎるわけでもなく。ぬるめのお湯が好きな自分的には、冬にちょうどいいなと感じるくらいの温度です。
霊泉寺温泉
霊泉寺温泉は宿が3件ほど、あとはお寺と共同浴場がある、谷あいの静かなところです。温泉はぬるめの源泉と、少し熱めの源泉とがあります。
ウェブサイトやブログでよく出てくる共同浴場では、少し熱めの源泉を使っていますが、宿ではぬるい源泉を使っていることが多いようです。
国道から奥まった場所にある霊泉寺温泉、細い道を進んでいった先にあるのですが、その脇を小川が流れています。
田沢温泉
田沢温泉は、上田市のお隣の青木村にある温泉地。山に囲まれて、石畳の坂道の両脇に共同浴場と3件の温泉宿があり、これまたこじんまりしたところ。
温泉は40度前後で比較的ぬるく、ほんのり、硫黄泉の香りが漂ってきます。共同浴場「有乳湯(うちゆ)」が有名ですね。
なお、夏に行ったことがないのですが、同じ青木村にある沓掛温泉も、ぬるめの温泉に入れます。きっと夏は気持ちがいいはず。
美ケ原温泉(中信)
最後に、東信ではなくなりますが、鹿教湯温泉から三才山(みさやま)トンネルを抜けて山を下った先は松本市。ちょうど市街地の手前に美ケ原温泉があります。
ここ美ケ原温泉のお湯も、さほど熱くはなかった印象。松本の市街地が近いので、市内観光と温泉とを一緒に楽しむことができますね。
新潟県;中越地方の温泉地
新潟県の真ん中のあたり、中越地方の温泉にも何度か行っております。スキーシーズンは混みそうだなというイメージなので、この地域へは主に夏に行っていますね。
越後湯沢
中越地方の玄関口は、上越新幹線の越後湯沢駅。1つ先の浦佐駅でも良いのですが、駅ナカでの買い物や食事を楽しめる越後湯沢駅を主に利用しています。
上越新幹線から越後湯沢の駅に降り立つと、涼しいなと感じます。越後湯沢も山の中で、標高は350メートルとのことですが、夏でもひんやりしている日が多く。
越後湯沢はスキー場のイメージで、夏は空いているのかとおもいきや、混んでいる日に当たったことがあります。
そう、7月に苗場スキー場で「フジロックフェスティバル」が開催されるので、越後湯沢も結構混雑するのですね。
温泉と言えば、越後湯沢駅近辺に越後湯沢温泉に入れる宿や共同浴場が多数あります。
また、フジロックフェスティバルの会場に行く途中には貝掛温泉という一軒宿があり、ぬるいお湯に入れます。
昔は目薬としても使われたという、目に優しいお湯でもあります。
湯之谷温泉郷
個人的によく行くのは、越後湯沢から少し北の魚沼市にある「湯之谷温泉郷」。
新幹線の浦佐駅、もしくは上越線の小出駅から路線バスで山に入っていく途中に、こじんまりした温泉地が並んでいます。
湯之谷温泉郷の中でも折立温泉や栃尾又温泉、駒の湯温泉はお湯がぬるめです。
ちなみに、浦佐駅から歩いて行ける場所には「越後ワイナリー」があります。
日本酒で有名な新潟県でもワイナリーがあるんだと驚いた記憶がありますが、ここでは雪を利用した貯蔵庫があります。
冬の間に積もりに積もった雪を貯めておいて、その冷気で貯蔵庫を涼しくしてワインを保存している、というわけ。見学するとひんやりしていて、夏はちょっと幸せ。
ということで
梅雨の真っ最中に「暑い夏でも温泉旅をしてみてはいかがでしょうか」というのを書いてみました。
また、これまで夏の温泉旅で行ってきた温泉の中から、今回は甲信越地方について取り上げてみました。夏の温泉旅の計画の参考になれば嬉しいです。
もちろん、紹介したエリア以外でもいい温泉はたくさんあります。そういうところにも足を運んでみたいと思いつつ・・・。
また、暑くなる前に、このブログで良く取り上げるもう一つの地域、北関東編のページも書いてみたいと思っています。
(2019/6/23;書きました)
さて、今度はどこへ行こうかな。