北陸新幹線は「長野新幹線」と呼ばれていたころから、長野までの区間はよく利用してきました。沿線に多くの温泉があったからです。
金沢まで新幹線が開通して、新しい列車「かがやき」「はくたか」が金沢を目指す中で、それまでの主役だった「あさま」はすっかり影が薄くなってしまいました。
それでも、長野県の、特に上田近辺の温泉に向かうには便利な列車です。
今回は、そんな元主役の「あさま」についてまとめてみます。
あさま号の概要
北陸新幹線には、4種類の列車が走っています。
- かがやき : 金沢行き。長野県内は長野駅にのみ停車。
- はくたか : 金沢行き。長野県内の一部の駅を通過。
- あさま : 長野行き。長野県内の全ての駅に停車。
- つるぎ : 富山駅と金沢駅とを結ぶ。(長野県内は走らない)
今回は、長野県への温泉旅に便利な新幹線ということで「あさま」メインで紹介しています。
「あさま」は、主に東京駅と長野駅とを結んでいます。
途中に見える、浅間山(あさまやま)が名前の由来。新幹線が開通する前にも「あさま」という特急電車がほぼ同じ区間を走っていました。
停車駅
「あさま」は東京駅を出ると、上野、大宮、熊谷、本庄早稲田、高崎、安中榛名、軽井沢、佐久平、上田、長野に止まっていきます。
(太字の駅には、全ての「あさま」が停車)
多くの「あさま」が各駅停車、もしくは北陸新幹線のほとんどの駅に停車します。
所要時間
「あさま」は停車駅が多く、途中の駅で後からやってきた「かがやき」「はくたか」に追い越されたりすることもあります。
なので「かがやき」「はくたか」より所要時間は10分から20分程度、長めです。
- 東京~軽井沢:約1時間10分
- 東京~上田:約1時間30分
- 東京~長野:約1時間40分
本数
「あさま」の本数は、だいたい1時間に1本程度です。
なお「はくたか」も同じく1時間に1本程度走っています。
運賃・料金
東京駅から主な駅までの料金(普通車指定席・通常期)は以下の通りです。
- 東京~軽井沢:6,020円
- 東京~上田:6,790円
- 東京~長野:8,340円
なお「トクだ値」というインターネット予約ができるきっぷを予約した場合、15%~35%の割引になります。
長野駅までの区間は、トクだ値は「あさま」にのみ設定されています。
この区間の「はくたか」にはトクだ値は設定されていませんが、長野駅のひとつ先、飯山駅からは「はくたか」にもトクだ値があります。
ICカード
指定席・自由席ともに、Suica等の交通系ICカードが利用できます。
オンラインで予約・決済して、紙のきっぷを発行せずICカードで乗る場合は、少し割引があります。
自由席であれば「タッチでGo!新幹線」というサービスがあり、東京方面からの北陸新幹線は上越妙高駅まで利用できるので、長野県への温泉旅でも利用可能です。
車両
「あさま」を含む北陸新幹線は、全てJR東日本のE7系車両か、JR西日本のW7系車両が使用されています。
E7系とW7系はほとんど同じ車両です。敢えて違いを書くとすれば、車内放送のチャイムが違う。W7系の方が物悲しいメロディ。
普通車も座席がゆったりしていますし、すべての席にコンセントがあり、なかなか快適です。
1度だけ、「あさま」のグリーン車を利用したことがあります。
新幹線のグリーン車なんて普段は乗らないので、ゆったりし過ぎてかえって落ち着かなかった記憶ですが、、
また、「あさま」には車内販売はありません。乗る前に食べ物等を買っておく必要があります。以前は有名駅弁「峠の釜めし」も車内で買えたのですが。
あさま号に乗ってみた
まあ、「あさま」に乗ってみましょう。
遅いと言っても、あくまで「新幹線の中では」遅い方、ということで、長野県に早く行くには「あさま」が便利です。
東京~軽井沢
「あさま」は、ほかのJR東日本の新幹線と同じ、東京駅の20番~23番ホームから出発します。
いざ乗ってみると結構混んでいることも多い「あさま」。
東京駅を出た時点ではそこそこ空いていても、大宮からどっと乗ってきます。これも他の新幹線と同じ。
比較的乗り降りする人の少ない、熊谷駅と本庄早稲田駅に静かに止まり、高崎駅に着きます。
ここで時おり、後からやってきた「かがやき」「はくたか」に抜かれます。
高崎を出て上越新幹線と分かれると、トンネルが増えていきます。
次の安中榛名駅は、人の乗り降りが少ない静かな駅。新幹線の駅なのに「秘境駅」として知られており、2時間以上列車が来ない時間帯もあります。
多くのトンネルを抜けて、軽井沢駅に着きます。ここでどっと人が降りて、車内はかなり空きます。逆に、帰りは軽井沢からどっと乗ってきます。
そしてここでも、時おり後からきた「かがやき」「はくたか」に抜かされます。何度抜かされるのだろう・・・
軽井沢~上田
軽井沢を出て、右手に浅間山が見えてきます。車内に残る数少ないお客さんも、次の佐久平駅とそのまた次の上田駅で降りていきます。
佐久平駅は、浅間山方面に登山したときに利用しました。ここから、浅間山の登山口がある高峰高原までのバスが出ています。
高峰温泉という人気の秘湯宿があり、いつかは行ってみたいところです。
次の上田駅で降りると、近隣のあちこちの温泉に行けます。
- 千曲バスに乗って、鹿教湯(かけゆ)温泉、田沢温泉等に行けます。
- 上田電鉄別所線に乗って、別所温泉へも行けます。
- しなの鉄道線に乗って、戸倉上山田温泉へも行けます。
上田~長野
終点の長野駅まで「あさま」で行く人はそう多くないかもしれません。
より速い「かがやき」「はくたか」が停車するので、皆さんそちらを利用するのでしょうね。
長野駅を降りて、善光寺へのお参りもいいですし、長野電鉄に乗って湯田中渋温泉郷に行ってもいいですし。
長らくのご乗車、お疲れ様でした。
この先、北陸新幹線は飯山、上越妙高と続き金沢まで線路が繋がっていますが、そちらに向かうのは「かがやき」「はくたか」の役目。「あさま」はここまで。
あさま号の良いところ
長野新幹線時代は主役だったのに、今は脇役的なポジションになったとも言える「あさま」。
ですが、車両は「かがやき」「はくたか」と同じですし、長野までは「トクだ値」で安く利用できます。
上田市・千曲市の温泉に向かうには、値段も含めて「あさま」がベストな交通手段だと思います。
高速バスもありますが、上田行きの高速バスは本数が多くありません。
軽井沢・小諸まではバスも多く出ていますが、いずれにせよ、週末は関越道の渋滞で遅れることが多いです。
高速バスも好きなのですが、この距離だと「あさま」が一番かな、と思ったりするわけです。
さて、今度はどこへ行こうかな。