〇〇温泉郷、という名前を目にしたことがありますか?
温泉郷(「おんせんきょう」または「おんせんごう」)という響き。
何だか、ほっこりするというか、湯けむり、山の中、静けさ、川の流れ、そんなイメージが自分にはします。どうでしょう?
今回は、この「温泉郷」という言葉と、自分が足を運んだことのある北関東・甲信越の主な温泉郷についてまとめてみました。
温泉郷とは
まず「温泉郷」という言葉でネット検索。
Wikipediaで見てちょっと面食らったのですが、
一定の範囲内に集まっている温泉の総称である。範囲の取り方については明確な規定もなく、また温泉郷を名乗る上での明確な規定もない。
ということのようです。「明確な規定もない」。(うーむ)
後で紹介するのをご覧いただければ分かると思うのですが、確かにこの言葉、使われ方が一致していない言葉のようです。
基本的には、複数の温泉地が近いエリアに集まっているのを温泉郷と呼ぶのだろうな、と思っているのですが、1つの温泉地でも〇〇温泉郷を名乗るところもあり。
ただ「〇〇温泉」というより「〇〇温泉郷」という名前のほうが、何だか旅情というか、気持ちが高まるというのは自分だけでしょうか?
きっと「郷(さと)」という文字が、温泉という言葉にプラスアルファで乗っかってくるので、旅情が高まるのかなと、勝手に思っているところです。
まあ今回は、北関東・甲信越にある「〇〇温泉郷」を、自分が足を運んだことのあるところを中心に紹介していこうというわけです。
栃木県の温泉郷
まず、北関東の温泉郷と聞いて浮かぶのが栃木県は塩原温泉郷ではないでしょうか。
塩原温泉郷(那須塩原市)
その塩原温泉郷は、箒川(ほうきがわ)に沿っていくつもの温泉地が続いています。
塩原十一湯とも呼ばれ、温泉郷に属する温泉地の数は何と11か所。さすがに全て行ったことはありませんが・・・
- 大網温泉
- 福渡温泉
- 塩釜温泉
- 塩の湯温泉
- 畑下温泉(はたおり)
- 門前温泉
- 古町温泉
- 中塩原温泉
- 上塩原温泉
- 新湯温泉(あらゆ)
- 元湯温泉
以上が、塩原十一湯です。
興味深いのは、これらの温泉地で入れる温泉の種類が様々なこと。にごり湯もあれば透明なお湯もあり。入り比べるのが面白いところですね。
また、塩原温泉郷は有名どころですが、訪れてみると意外と静か。静かな温泉旅をしたい人には向いているように思います。
那須温泉郷(那須町・那須塩原市)
塩原のお隣、那須エリアにあるのが那須温泉郷。
自分が宿泊したことがあるのは那須湯本温泉と板室温泉のみではありますが、それ以外にも那須岳に登った後で、大丸温泉に入ったことがあります。
- 那須湯本温泉
- 大丸温泉
- 弁天温泉
- 北温泉
- 八幡温泉
- 高雄温泉
- 三斗小屋温泉
- 板室温泉
馬頭温泉郷(那珂川町)
ばとう、と読みます。県の西側にある温泉郷です。エリアとしては広くないので、単に「馬頭温泉」と呼ばれることも多いです。
先ほど紹介した塩原温泉郷や那須温泉郷から那珂川を下っていった先。川沿いに宿や温泉施設が点在しています。
公共交通機関でのアクセスがやや難しいところではありますが、その分静かなので、ひとり温泉旅には向いているところだと思います。
群馬県の温泉郷
草津温泉や伊香保温泉が有名な群馬県。温泉郷、と名がつくところで一番知られているのは、やはり水上温泉郷ではないでしょうか。
水上温泉郷(みなかみ町)
かつては「水上八湯」などと呼ばれていたそうですが、今はみなかみ町内にある他の温泉も加えて「みなかみ18湯」と言われることもあるようです。
古くからの水上八湯は、以下の8つを言うそうです。行ったことがあるのは、水上温泉と湯檜曽温泉。湯檜曽温泉は谷川岳に登った後で入りました。
- 水上温泉
- 谷川温泉
- うのせ温泉
- 湯檜曽温泉
- 向山温泉
- 宝川温泉
- 湯の小屋温泉
- 水上高原上の原温泉
猿ヶ京三国温泉郷(みなかみ町)
さて、そんな水上八湯に10か所の温泉が加わって「みなかみ18湯」になりますが、新たに加わった10か所の温泉のうちいくつかは、猿ヶ京三国温泉郷にも属しています。
もしかしたらあまり使われない言葉なのかもしれませんが、
- 猿ヶ京温泉
- 湯宿温泉
- 川古温泉
- 法師温泉
あたりの温泉をまとめて、そう呼ぶようです。
三国というのは群馬県と新潟県との境目にある三国峠からきていて、三国街道が新潟県の越後湯沢方面に通じています。その三国街道と、利根川沿いにある温泉郷です。
片品温泉郷(片品村)
尾瀬ヶ原が近い、片品村に点在する温泉を片品温泉郷と呼んだりします。
「片品温泉郷」でネット検索してもあまり出てこないので、これまたあまり使われない呼び方なのかもしれません。
どこまでが片品温泉郷の範囲なのか分からないのですが、片品村には温泉がたくさんあり、尾瀬ヶ原や、武尊山、日光白根山等に登った際に立ち寄ったことがあります。
- 花咲温泉
- 片品温泉
- 土出温泉
- 幡谷温泉
- 鎌田温泉
- 東小川温泉
- 白根温泉
- 座禅温泉
- 丸沼温泉
- 尾瀬戸倉温泉
山梨県の温泉郷
何故か、1か所の温泉地なのに「温泉郷」を名乗っているところが多い山梨県です。他の県と「温泉郷」の言葉の使われ方が違うような。
石和温泉郷(笛吹市)
山梨県の温泉で最も有名だと思われるのが、石和温泉。
石和温泉郷、と呼ばれたり、近くの春日居温泉とセットで「石和・春日居温泉郷」と呼ばれたりもします。
湯村温泉郷(甲府市)
兵庫県にも「湯村温泉」があるので、このブログでは「甲府湯村温泉」と記載しています。
甲府駅からバスで15分ほどで交通の便がいいのですが、その割に温泉街はひっそり。温泉はぬるめで長く入っていたくなる、いいお湯なので好きな温泉のひとつです。
源泉があちこちで湧いていて、自家源泉(宿が持っている源泉)が何種類もあるから、温泉郷と呼んでいるのかな? と勝手に推測してみましたが、たぶん違う気がします。
下部温泉郷(身延町)
武田信玄の隠し湯、下部温泉も温泉郷を名乗っています。こちらも山深くて静かな場所に温泉街があり、冷たい温度のお風呂に長く入るのが気持ち良いです。
塩山温泉郷(甲州市)
美味しい甲州ワインが名産の甲州市にも温泉があります。数件の宿が集まる塩山温泉も、塩山温泉郷と呼ぶようです。
山梨県の中でも首都圏寄りにあるので比較的近いのと、立ち寄り湯できる宿が多いので、ワイナリー巡りと一緒にひと風呂、という日帰り旅も良さそう。
増富温泉郷(北杜市)
ラジウム温泉で有名な増富温泉。ここも温泉郷と呼ばれています。
水のように冷たいお風呂に時間を決めて入り、最後はお湯で温まる、というのが増富ラジウム温泉の入り方。湯治目的のお客さんが多いところです。
川に沿って温泉宿やお店が並んでいるからでしょうか、増富温泉「峡」と呼ばれることもあります。
長野県の温泉郷
長野県で温泉郷と呼ばれる中では、湯田中渋温泉郷が一番有名なところだろうなと思います。
湯田中渋温泉郷(山ノ内町)
温泉に入る野生の猿「スノーモンキー」で有名になり、特に冬は外国からの観光客が多く訪れる温泉です。
長野電鉄の湯田中駅から川の両岸に沿って、いくつかの温泉地が並んでいます。
- 安代温泉
- 角間温泉
- 上林温泉
- 沓野温泉
- 地獄谷温泉
- 渋温泉
- 新湯田中温泉
- 星川温泉
- 穂波温泉
- 湯田中温泉
渋温泉が特に有名ですが、古い木造の建物が多く残る、雰囲気の良い温泉街が多いです。温泉は熱めのところが多いので、涼しくなってきた時期がちょうど良さそう。
丸子温泉郷(上田市)
毎年1度は足を運んでいる、お気に入りの温泉郷。静かな山あいで、適温の優しいお湯にのんびり浸かれるというのが、お気に入りの理由。
長野県東部は上田市の丸子町にある、3つの温泉地の総称です。
- 鹿教湯(かけゆ)温泉
- 霊泉寺温泉
- 大塩温泉
新潟県の温泉郷
お次は新潟県。有名な温泉郷はあまり多くない印象ですが、温泉郷と呼ばれる温泉にいくつか行ったことがあります。
湯之谷温泉郷(魚沼市)
コシヒカリで有名な、魚沼市の温泉郷。佐梨川に沿って、越後駒ケ岳の麓まで、田んぼの間にいくつかの温泉地が点在しています。
- 銀山平温泉
- 駒の湯温泉
- 栃尾又温泉
- 大湯温泉
- 折立温泉
- 芋川温泉
- 葎沢温泉(むぐらさわ)
- 薬師温泉
ここも好きなところで、何度も訪れています。あまり観光客の多くないところで、お米をはじめ、やはり食べるものが美味しいのです。
妙高高原温泉郷(妙高市)
こちらは妙高山の麓に点在する温泉。硫黄泉の香りがする温泉、白い濁り湯、赤茶色のお湯など、泉質もいろいろあって、はしご湯しても楽しそうなところ。
妙高温泉郷と呼ばれているのは、以下の温泉地です。
- 燕温泉
- 関温泉
- 赤倉温泉
- 新赤倉温泉
- 妙高温泉
- 池の平温泉
- 杉野沢温泉
首都圏からは少し遠いのと、最寄りの新幹線の駅(北陸新幹線の、上越妙高駅)からやや離れているのですが、イコール静かな温泉地。今後も行きたいところです。
ただ、雪深いところなので冬はスキー客でにぎわうのでしょう。グリーンシーズンにしか行ったことはないのですが・・・
というわけで
北関東・甲信越の各地にある温泉郷をまとめてみました。
いざまとめてみると、ひとつの温泉郷の範囲がかなり広いなと実感。ひとりで泊まれない宿ばかりの温泉地もあり、未訪問のところも多いです。
温泉郷の中にある一部の温泉地には泊まったことがあっても、他のところは未訪問、というところも結構ありました。
まあ、網羅するのは難しそうな気がするので、温泉郷の中で静かそうな宿を見つけながら、つまみ食いのように少しずつ泊まっていきたいなと思った次第。
さて、今度はどこへ行こうかな。