栃木県は塩原温泉。テレビの旅番組でも取り上げられることも多いですし、鬼怒川温泉と並んで栃木県の温泉の中では特に有名な温泉地でしょう。
そんな塩原温泉、実は長らく自分の中で未踏の地でした。
たぶん、同じ那須塩原市内にある「板室温泉」に何度か泊まっていて、塩原温泉へも行った気になっていたのかも知れません。
ということで、塩原温泉へ行ったことがなかったことに気づき、数年前のことですが、行ってみることにしたのでした。
旅の計画
例によって、時間はそこそこ、予算はちびちび・・・往復の交通手段は高速バスになりました。
ジェイアールバス関東が運行している都内から塩原温泉までの高速バス「那須・塩原号(塩原温泉バスターミナル行き)」は、週末限定で1日1往復しか走っていません。
帰りのバスが出るのが15時代と遅めなのですが、その分、初の塩原温泉での滞在時間が長くとれそうです。
宿は、塩原温泉郷の中でも少し離れたところにある「新湯(あらゆ)温泉」を予約しました。
塩原温泉は温泉の種類が豊富なのが魅力ですが、その豊富な温泉の中でも、硫黄泉のにごり湯に入れる新湯温泉に魅力を感じたわけで。
バス停から宿までは交通手段がないので、前もってメールでバスの到着時刻を伝えて、宿までのお迎えをお願いしておきました。
1日目(新宿→塩原温泉)
高速バスで塩原へ
この旅の時はまだ新宿のバスターミナル「バスタ新宿」はできておらず、代々木にあったバスターミナルからバスに乗りました。
バスは首都高から東北自動車道に入ります。渋滞もなくスムーズに進んでいき、西那須野塩原インターで東北道を降り。
牧場の中のバス停で何人かのお客さんを降りてから林の中、牧草地を抜けて、道の駅「アグリパル塩原」へ。
普段このバスに乗るときは那須温泉行きのバスなのですが、今回はここアグリパル塩原から別なルートへと入っていきます。少しだけわくわくしたのでした。
バスはアグリパル塩原を出てすぐ登り坂にさしかかり、林の中へ。
カーブをいくつか曲がった先が塩原温泉郷に入っていきます。旅館の近くにあるバス停がいくつかあって、こまめに停車してお客さんをおろしていきます。
自分の目指す新湯温泉は、終点の塩原温泉バスターミナルからさらに先なので、終点まで乗ったのでした。既に宿の方が車で来てくださっていました。
新湯温泉へ
すぐに使い込まれた車の後部座席に乗ります。まず車は新湯温泉とは反対方向へ。温泉街のはずれにあるガソリンスタンドで給油し、そこから引き返します。
坂を上ると雪道に。宿の方から、いろいろとお話を伺います。栃木県の温泉街は、地元の銀行が数年前に破綻したときは経営的に大変だったようで。
苦しいながらも塩原温泉にはスキー場が近くにあり、冬も客足はそこそこあるようです。そんな話を聞きつつ、着いた新湯温泉はまさに冬景色の中。
硫黄泉のにおい。宿の裏手から源泉が湧いているようです。宿の玄関前に車をつけてもらい、そのままチェックインへ。
お部屋に荷物を置いて、宿の内風呂や露天風呂を楽しんでから、宿の外へ出てみました。
新湯温泉は共同湯が3か所あります。宿泊者は無料で入れるので「寺の湯」と「中の湯」に入ってみました。
残る「むじなの湯」は階段を下った先にあり、足元が凍っていたので遠慮しておくことに・・・。
新湯温泉にあるお店は、宿の向かいにある食堂のみのようです。後で行ってみようと思ったのですが、すぐに店じまいとなったようでした。
2日目(塩原温泉→新宿)
温泉街を歩く(寒い)
宿のお部屋でシンプルな朝食をいただいてから、チェックアウト。
ペットボトルに汲んであった温泉水をいただきました。胃に良いらしいです。帰ってから飲んでみると、酸っぱいのですが、胃に効いている気がしました。
宿の車で送っていただき、塩原温泉バスターミナルへと戻ってきました。高速バスの出発はお昼のさらに先、まだまだ時間があります。
バスターミナルには案内所があって、温泉街のことを教えてくださるボランティアの方がいました。地図をいただき、少しお話を聞いてみます。
ちょうど冬の季節なのと、自分が車で来たわけではないので、バスターミナルから歩いて見に行けそうな場所は限られるようです。
それでも、近くの宿の立ち寄り湯の営業時間や、ご当地グルメ「スープ入り焼きそば」の有名店の場所を聞くことができたのでした。
とりあえず、寒い寒い温泉街へ出てみます。かなり遠そうですが、ビジターセンターがあるらしいので、そこまで歩くことに。
途中で寒さに辛くなって、カフェでコーヒーをいただき、暖を取り。。
そしてまた歩いてみると、妙なものを発見。ゆび湯。
案内に沿って階段を下りて箒川沿いに出ると、くつろいでいた鳥達がいっせいに羽ばたいていき。
川沿いの狭いスペースの中に見つけた「ゆび湯」に指を入れてみると結構ぬるかったのですが、温泉だったのは分かりました。
その後、ビジターセンターへ。中は静かで人も少なかったのですが、塩原の自然に関することが展示されていました。
ひととおり展示を見てから、また寒い中を戻っていきます。寒いので、時々建物の中に入って休憩しつつ。
お昼は「スープ入り焼きそば」にしようと決めていました。「こばや食堂」と「釜彦」が有名なのだそうです。今回は「こばや食堂」へ行ってみました。
お昼時の人気店、お店の外に何人か並んでいたのですがお客さんの回転も早くて、さほど待たずに入ることができました。
スープ入り焼きそば。要は醤油ラーメンのスープの中にソース焼きそばが入っている、というもののようです。
両方の味がして不思議な感じではありますが、意外といけました。寒い中こういうものをいただくのは、体が温まって幸せになれますね。
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大江戸温泉物語
満腹になって、最後にどこかの宿に行って温泉に入ろうと思ったのですが、お昼時に立ち寄り湯を営業している宿がほとんどなく。
近所で唯一立ち寄り湯をやっていた、大きな温泉旅館に入ってみました。普段の自分だったら、あまり行かないようなところです。
中に入ると建物が広いわりにがらんとしていて、本当に営業しているのかと思ったのですが、どうやら裏口から入ったらしく、長い廊下を歩いてフロントへ。
フロントのあたりは観光客がたくさん。ここの宿は「大江戸温泉物語」の系列で、要は廃業した大旅館の設備を受け継いで営業している、というものですね。
大江戸温泉、伊東園等々、こういったチェーンの大旅館は人気のようです。送迎バスが到着しては、大人数のお客さんが降りてくるのでした。
さてフロントでお金を払って、階段を下りてお風呂へ。服を脱いでお風呂に浸かると、腕時計をしたまま入ったことに気づいて、慌てて脱衣所に戻ります。
大きな旅館だから温泉は消毒しているかもなと思ったら、そんなことなく、かけ流しのいいお湯でした。ちょっと意外でした。
湯上りに広い休憩所があって、漫画本がたくさんおいてあります。読んで少し時間をつぶしてから、バスターミナルへと戻りましょう。そろそろバスの時間です。
今回の旅のまとめ
塩原温泉郷は広いエリアに様々な種類の温泉が湧いています。塩原温泉のホームページを見て、入ってみたいお風呂から宿を選んでみるのもよさそう。
冬だったからか、どこも静かな塩原でした。標高の高いところにあるので結構寒くはあったのですが、静かに過ごすには良さそうです。
その後、塩原には何度か足を運んでいます。冬~初春の時期が多いのは、寒い季節の方が閑散期で予約が取りやすいからなのかもしれません。
さて、今度はどこへ行こうかな。