温泉地の中には「〇〇の奥座敷」と呼ばれるものがあります。
たいてい「〇〇」には町の名前が入ることが多いのですが、町から比較的近いところにある温泉地を、奥座敷、と呼ぶようです。
今回ご紹介する「浅間温泉」「美ケ原温泉」は「松本の奥座敷」。
城下町松本の市街地からほど近く、松本近辺の観光の前後に1泊するにはちょうどいい場所にあります。
それでいて温泉街はどちらも静かで、くつろげる場所です。
浅間温泉・美ヶ原温泉の概要
浅間温泉・美ヶ原温泉ともに歴史の長い温泉地です。
浅間温泉は飛鳥時代から、美ヶ原温泉も奈良時代から続いているそうで、江戸時代には松本城のお殿様が、それぞれの温泉に入りに行っていたとか。
浅間温泉は、浅間山のある長野県にありますが、浅間温泉と浅間山とは50キロほど離れていて、場所的には関係がありません。
また、美ヶ原温泉は名前に「美ヶ原」がついていますが、場所的には美ヶ原高原のかなり麓にあります。
浅間温泉も美ヶ原温泉も、松本駅(松本バスターミナル)からバスで20~30分の距離にありますが、住宅地の中にあり、静かな立地です。
美ヶ原温泉は、環境省から「国民保養温泉地」に指定されています。
温泉の泉質は、どちらも、無色透明の単純温泉。源泉の温度は浅間温泉の方が高め。源泉かけ流しの宿が多い、というのも浅間温泉の売りのようです。
浅間温泉・美ヶ原温泉へのアクセス
ともに、最寄り駅は長野県の松本駅。
松本までは、首都圏からは特急あずさ号に乗って約3時間ほど。
松本駅の「お城口」を出てロータリーを抜けて反対側に渡ったところにある「松本バスターミナル」から、浅間温泉・美ヶ原温泉に行くアルピコ交通バスが出ています。
浅間温泉へのバス
浅間温泉へ向かうバスの路線名は「浅間線」といいます。
バスは松本バスターミナルを出て*1、松本城の脇を抜け、少し走って浅間温泉の温泉街に入ります。
温泉街をぐるっと回り、松本へと帰っていきます。浅間温泉まで、約30分。
浅間温泉に宿泊される場合は、泊まる宿の最寄りのバス停がどこになるのか前もって確認しておくとよいでしょう。
松本バスターミナルに案内板があるのでそちらで確認してもいいですし、運転手さんに泊まる宿の名前を伝えて、どこで降りればいいのか聞いてみるのでも良いと思います。
この浅間線の最終バスは、18時50分。やや早めです。(2018年3月現在)
もし、18時50分以降に路線バスで浅間温泉に行きたい場合は、手前の「浅間温泉入口」バス停まで行ってくれるバスが多数出ていますので、それに乗ることになります。
これらのバスに松本バスターミナルから乗るときは、浅間線と同じ乗り場、もしくはその隣の乗り場から出ていますので間違えにくそうです。
と言いつつ、知らない街の路線バスって乗り方が分かりにくいので、バスターミナル内のチケットカウンター等で確認すると良いかと。
なお、こちらのバスは最終が22時ころまであります。
もちろん、宿のチェックインできる時刻(もしくは、門限)に間に合うように乗りましょう。
「浅間温泉入口」バス停から浅間温泉の中心部までは、徒歩で約10分程度の距離です。
「浅間温泉入口」バス停から近い宿もあります。
美ヶ原温泉へのバス
こちらも浅間温泉と同じバス会社、アルピコ交通バスの「美ヶ原温泉線」で向かうことになります。
乗り場も同じく、松本バスターミナル。
バスは浅間線と同じく松本城のわきを通り、美ヶ原温泉の温泉街に着くと、温泉街をぐるっと回って松本に戻っていきます。
美ヶ原温泉までは20分ほど。
バスの本数も多く、最終バスも20時過ぎまで走っています。
浅間温泉・美ヶ原温泉の温泉街
浅間温泉・美ヶ原温泉ともに、住宅街の中に温泉宿とお店がある感じの温泉街です。お店はあまり多くありません。
お店の数は、浅間温泉のほうが若干多い気がしますし、2020年頃から新しいお店が増えているようです。
いずれも松本の中心部から近いので、個人的には買い物は温泉に着く前に松本で済ませてしまうことが多いです。
あるいは、宿の夕食をつけずに夕方にバスで松本に出て夕食を取って宿に戻ることもできます。
静かなところで、古い建物も多いので、明るい時間帯にのんびり散歩すると、結構気持ちがよさそうです。
特に美ケ原温泉は、より落ち着いた雰囲気です。
(浅間温泉)
(美ケ原温泉)
浅間温泉・美ヶ原温泉で泊まった宿
浅間温泉には3回、美ヶ原温泉には4回行ったことがあります。
浅間温泉「尾上の湯旅館」
ここは妻と行きました。
ドラマ「白線流し」のロケで使われた宿です。建物も古くていい雰囲気です。
浅間温泉は旅館の数は多いのですが、何故か「〇〇の湯」という名前の宿が多いです。
浅間温泉「香蘭荘」
もう1件、尾上の湯のさらに先にある、こちらの宿にひとりで泊まったことがあります。
古くて歴史のある宿でした。温泉は源泉かけ流し、さっぱりしました。
浅間温泉「栄の湯旅館」
香蘭荘の2つお隣にある宿です。
こちらも源泉かけ流しで、古い建物を大切に使っています。昭和レトロな雰囲気。
美ヶ原温泉「富田屋別館」
金曜日の夕方に都内を出て、夜遅くにチェックインして泊まった宿です。
お得な値段で泊まれましたが、アメニティや設備は充実していました。
美ケ原温泉「百日紅の宿 丸中旅館」
こちらもひとりで泊まりました。
敷地の中央に百日紅(さるすべり)の古木がある、これまた歴史の長そうな宿。こちらもお得なお値段でしたが、きれいな宿でした。
もう1件、かなり前に「大西荘」という旅館に泊まったことがあったのですが、こちらはどうやら廃業されたようです。
僕が浅間温泉・美ヶ原温泉に行く理由
ということで、簡単にまとめてみます。
- 松本から近くて便利。夜遅くまでバスが走っているので、早めにチェックインして荷物を置いて夜に松本に出て夕食を取って(お酒も飲んで)宿に帰ってくる、とか、夕方の特急列車で夜に松本入りして、遅い時間にチェックインする、という利用もしやすいです。
- ちょっと古くて寂しい感じも自分の好み。松本市街に近いところにありながら、温泉街は静かで、宿も古い建物が多いです。こういうの好きなんですよね…
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さて、今度はどこへ行こうかな。
*1:日中のバスは松本駅前を出て松本バスターミナルに寄ります