温泉好きのお湯

関東近郊を巡る、静かな温泉旅。今度はどこへ行こうかな。

関東甲信越・静岡県の「国民保養温泉地」まとめ

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国民保養温泉地って、ご存知ですか?

国民保養温泉地とは、環境省が「温泉利用の効果が期待できる健全な保養地」として指定した温泉地なのだそうです。

そんな国民保養温泉地は全国に100近くあります。

さすがに自分もその一部にしか行けていませんが、自分の行った国民保養温泉地は、静かな環境で温泉も良いところばかりでした。

というわけで今回は、自分が宿泊したことのある国民保養温泉地をまとめてみました。

*2019年7月に環境省や日本温泉協会のホームページを確認したところ、いくつかの温泉地がリストから除外されていました。このページでは過去に指定されていた温泉地も含め、紹介しています。

国民保養温泉地とは?

さて、国民保養温泉に選ばれるにはいくつか条件があるそうです。

  1. 温泉の質が良くて量が豊富であること
  2. 保養地として環境が良いこと
  3. 医療面や災害防止等の取組がなされていること

という条件を満たした上で、その温泉がある地元自治体が計画案を環境省に提出し、環境省から指定される必要がある、とのことです。

かなりざっくり書いてしまったので、詳細説明は日本温泉協会のサイトをご覧ください。

www.spa.or.jp

温泉好きと、国民保養温泉地

自分が国民保養温泉地の存在を知ったのは、ひとり温泉旅を始めた初期のことでした。

とある旅の本を読んで行ってみた山梨県の「下部温泉」が、国民保養温泉地の指定を受けていたのです。行った後で、国民保養温泉地というものがあると知りました。

実際にあちこちの国民保養温泉地に行ってみると、確かにそのほとんどが温泉の質が自慢の温泉地でした。源泉かけ流しだったり、古くから温泉の効能が知られていたり。

また、どこも静かな環境で、温泉でゆっくりくつろぎたかった自分には合っていたように思います。

ひとり温泉旅を始めた初期の頃から国民保養温泉地を回っていたので、結果的に、初期のころから温泉の質がいいところにばかり行くことができたのです。

これは結構ラッキーなことだったのかなと、今となっては思います。

それでは、自分の行ったことのある国民保養温泉地を紹介します。

栃木県の国民保養温泉地

栃木県には、奥日光湯元温泉と板室温泉の2か所の国民保養温泉地があります。

奥日光湯元温泉(日光市)

日光市街から「いろは坂」を登って中禅寺湖のさらに先、戦場ヶ原の向こうにある温泉地です。熱いにごり湯は硫黄泉の香り。標高約1,500メートルの高地にあります。

夏は涼しく、冬は大雪でとても寒い。自然の中にあるので、登山や写真撮影、バードウォッチング等で利用する人が多そうです。

温泉目的なら「自然の中で温泉にゆっくり入る」という過ごし方ができますね。

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板室温泉(那須塩原市)

那須温泉から少し西に離れた場所にあります。古くからの湯治場で、少しぬるめで肌触りが優しい無色透明のアルカリ性の温泉。

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近年は旅館数が少しずつ減っていますが、湯治プランで安く泊まれる旅館も多く、常連さんや長期滞在の方も多いところです。

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湯治目的でなくても、優しいお湯に包まれてのんびり1泊過ごすと元気になれそうですね。首都圏からも近いですし。 

群馬県の国民保養温泉地

四万、みなかみ町、鹿沢温泉の3か所が指定されています。鹿沢温泉と、みなかみ町の一部については未訪問です。

四万温泉(中之条町)

世のちり洗う四万温泉。先ほどの奥日光湯元温泉とともに、日本で初めて選ばれた国民保養温泉地の一つです。

温泉街は南北に長くて宿の数も多いのですが、歓楽街のようなものはなく、静かなたたずまい。そこが人気なのだろうなと思います。

宿にチェックインしたら、荷物を置いてあちこち散歩に行ってみるのが楽しいです。四万川に沿った自然と、昭和風の温泉街と。

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みなかみ町国民保養温泉地(みなかみ町)

みなかみ町内にはいくつかの国民保養温泉地があるのですが、近年それらの温泉地が1つにまとめられました。

その内訳は、

  • 上牧温泉(かみもくおんせん)
  • 奈女沢温泉(なめざわおんせん)
  • 湯宿温泉(ゆじゅくおんせん)
  • 川古温泉(かわふるおんせん)
  • 猿ヶ京温泉
  • 法師温泉

です。

以前は「上牧・奈女沢」と「湯宿・川古・法師」という2か所で登録されていたのですが統合され、かつ猿ヶ京温泉が追加になったようです。

行ったことがあるのは「上牧温泉」「湯宿温泉」「猿ヶ京温泉」の3か所。

上牧温泉はJR上牧駅からほど近い温泉地。利根川に沿って数件の宿があります。神も億駅は水上温泉のある水上駅の隣駅ですが、静かな場所です。

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湯宿温泉は三国街道沿いに数件の古い温泉宿がある湯治場です。

車の往来は頻繁ですが、ここもお店も少なく、安く泊まれるところもあります。温泉の温度は熱め。宿泊すると、地元の方用の共同浴場に入ることもできます。

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猿ヶ京温泉は湯宿温泉の少し先、川古・法師温泉はそのまた先です。

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片品温泉郷(片品村) *ご参考*

2019年に環境省等のホームページを確認したところリストに記載されていなかったので、指定から外れた可能性もあります。

尾瀬ヶ原と、尾瀬を囲む山々のふもとにある、あちこちの温泉をまとめて「片品温泉郷」と呼ぶようです。

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尾瀬ヶ原を歩いたときに、片品温泉郷のひとつ、尾瀬戸倉温泉に前泊しました。このエリアは登山の前後に入れる温泉がたくさんあって嬉しいところです。

山梨県の国民保養温泉地

下部温泉、増富温泉の2か所が指定されています。いずれも武田信玄ゆかりの温泉地です。

下部温泉(身延町)

「武田信玄の隠し湯」。泉質は30度そこそこのぬる湯です。温泉イコール熱いお湯、というイメージをくつがえすような、不思議な泉質。

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これまで行った温泉地の中で、一番訪問回数が多い温泉です。ぬるい(冷たい)温泉、一度入るとクセになります。静かな環境も快適です。

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増富温泉(山梨県北杜市)

増富ラジウム温泉、とも呼ばれます。泉質はその名も「放射能泉」。天然のラジウムが含まれているという温泉です。

温泉は黄色く濁っていて、源泉の温度は下部より冷たく、もはや水の温度。たいていの施設には沸かし湯のお風呂があり、上がり湯として体を暖めるようになっています。

湯治場なので、長期滞在をされるシニア世代の方が多いところですが、登山の前後に宿泊する人も多そうです。

ここ増富は標高1,100メートルほどの高いところにあり、日本百名山「瑞牆山(みずがきやま)」「金峰山(きんぷさん、きんぽうさん)」にも近いのです。

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長野県の国民保養温泉地

6か所の国民保養温泉地が指定されています。

そのうち3か所は宿泊を含め訪問済みで、有明・穂高温泉郷は日帰り入浴で利用したことがあります。小谷温泉・白骨温泉は未訪問です。

丸子温泉郷-鹿教湯・大塩・霊泉寺-(上田市)

鹿教湯(かけゆ)温泉、大塩温泉、霊泉寺温泉の3つから構成される温泉郷です。国民保養温泉としては「丸子温泉郷」として指定を受けています。

鹿教湯温泉と霊泉寺温泉には何度も行っています。静かな環境と、程よい温度の温泉に癒されます。

「鹿が教えてくれたお湯」鹿教湯温泉には大きな病院があり、その周辺に温泉宿と温泉街があります。川の向こうには、文殊堂。

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霊泉寺温泉は、平安時代から続くといわれるお寺「霊泉寺」があり、あとは数件の宿と共同浴場がある本当に静かな場所になっています。

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大塩温泉は廃業した宿が目立つところで多く、現在は1件の宿と公民館の中の共同浴場が残るのみになっています。

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田沢温泉・沓掛温泉(青木村)

丸子温泉郷のある上田市のお隣「青木村」にある、ぬるめでほんのり硫黄泉の香りがする温泉です。

田沢温泉、沓掛温泉ともに、共同湯が1件と数件の宿がある小さなところです。田沢温泉と沓掛温泉とが一緒に国民保養温泉地に指定されています。

田沢温泉へは何度か、沓掛温泉にも1度宿泊したことがあります。村、という響きからも感じるのかもしれませんが、静かなところ。

そんなところで、ぬるい温泉につかってぼーっとする幸せ・・・。

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美ケ原温泉(松本市)

松本市の郊外、住宅街の中にある温泉地です。美ケ原、という名前ですが、日本百名山「美ケ原」からはかなり離れているのでご注意。

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温泉街までは松本駅からバスで20分、観光に便利な場所です。市街地から近いのですが、温泉街のたたずまいは静かです。

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新潟県の国民保養温泉地

環境省ホームページでは4か所、日本温泉協会のホームページでは3か所が掲載されています。岩室温泉と五頭温泉郷は未訪問です。

六日町温泉(南魚沼市)

昭和時代に開発された比較的新しい温泉地。電車の駅から歩いていける距離にあります。旅館は魚野川を渡った反対側に点在しています。

国民保養温泉地といえば、割と山奥のところが多いのですが、ここは駅から近くて買い物や食事等にも便利なところ。

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関温泉・燕温泉(妙高市)

こちらは上越地方の妙高市にあります。国民保養温泉地としては、関温泉・燕温泉のセットで指定されています。

関温泉はスキー場があります。鉄分の入った茶色のお湯。燕温泉は日本百名山「妙高山」の登山口で、白く濁った硫黄泉です。標高は1,100メートル。

関温泉・燕温泉ともに、数件の宿と少しのお店がある静かな場所です。

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弥彦温泉(弥彦村)*ご参考*

かつては弥彦温泉と岩室温泉のセットで国民保養温泉に指定されていましたが、2019年時点では岩室温泉のみになっています。あいにく岩室温泉は未訪問。

弥彦温泉には行ったことがあります。越後国一宮「彌彦神社」のすぐ近くにある温泉。日本海が近いので、魚介類も美味しかったです。

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栃尾又温泉・駒の湯温泉(魚沼市)*ご参考*

かつては栃尾又温泉と駒の湯温泉とがセットで国民保養温泉地に指定されていたのですが、2019年現在、環境省等のホームページには記載がされていないようです。

新潟県は中越地方の山間にあります。栃尾又温泉は3件の宿があり、駒の湯温泉はそのまた奥の1件宿。栃尾又は宿泊で、駒の湯は立ち寄りで行ったことがあります。

栃尾又の温泉は、ぬるくてまろやかな透明のお湯で、ラジウムが含まれる「放射能泉」です。湯治の方が多いです。

ぬるい温泉の気持ちよさと、新潟県ならではの食事の美味しさがお気に入りで、ひとり、家族、友人、いろいろな人と行ってきました。  

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静岡県の国民保養温泉地

畑毛温泉・奈古谷温泉に加えて、新たに梅ヶ島温泉郷が追加され、2か所になります。奈古谷温泉は未訪問。

畑毛温泉(函南町)・奈古谷温泉(伊豆の国市)

伊豆半島の中伊豆エリアにある温泉です。かなり前ですが畑毛温泉に行ったことがあり、静かなロケーションの中、ぬるめのお湯にのんびり入って過ごしてきました。

奈古谷温泉はその奥にあります。

梅ヶ島温泉郷(静岡市)

静岡市と言っても山奥で、安倍川の上流、山梨県との県境が近い場所にあります。

温泉郷、ということで、安倍川沿いにいくつかの温泉地が点在しており、最も宿の数が多いのが、一番奥の梅ヶ島温泉。とろみがあり、硫黄泉の香りがする温泉です。

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ということで

国民保養温泉地、というと、何となく響きが古臭い感じがします。たぶん、国民、という言葉を使っているからなのでしょう。

まあ、昭和時代に国が決めたものなので、古い響きのする言葉ではあります。

実際の国民保養温泉地も、地味と言ってはいけないのですけど、環境省のご指定はかなり渋いところを突いているな、と。

で、いざ行ってみると、静かな雰囲気と、質のいい温泉が待っていて、満足して帰ってくるわけです。

国民保養温泉地は結構ありなんじゃないかな、と自分では思うわけです。

というわけで、国民保養温泉地の特長まとめ。

  1. 温泉の質が良いことが多い*1
  2. お店が少なく夜も早いところが多い。静かにゆっくり過ごせます。(逆に言うと、お店が少なく遊べる場所も少ない・・・)

あなたが温泉旅に何を求めるか、なのですが、いい温泉と静かな環境を求めたい! というのであれば、国民保養温泉地に指定された温泉を候補にするのもアリなんじゃないかな、と思うわけです。

いかがでしょう?

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さて、今度はどこへ行こうかな。

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*1:但し、施設によっては塩素消毒した温泉を使っているところもあります。