温泉好きのお湯

ひとりふらり、静かな温泉旅のブログです。主な行き先は北関東・甲信越。今度はどこへ行こうかな。

関東甲信近辺の「奥座敷」についてまとめてみようと思う

「〇〇の奥座敷(おくざしき)」というネーミングで呼ばれる温泉があります。都市部から近い温泉地のことを、そんな風に呼ぶことが多いような気がしますね。

少し前に「温泉郷」についてまとめてみたことがあります。温泉郷という言葉は旅情が高まるというか、いい響きがします。

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今回取り上げる「奥座敷」という言葉も温泉郷と同じくらい、なかなか奥ゆかしくて良さそう。何しろ「奥のお座敷」ですからね。

 

奥座敷とは?

まず、奥座敷という言葉の意味について。Wikipediaから引用してみると、いくつかの意味を持つ言葉のようで、その中で、

都市近郊にあって長い歴史を持つ著名な温泉街を指す言葉としても用いられる

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%A5%E5%BA%A7%E6%95%B7

という意味もあるようです。確かにそんな温泉街が多そう。

また、各地の「奥座敷」と呼ばれる温泉についてみていくと、

  • 地方の都市から近くにある奥座敷。(例:会津若松の奥座敷「東山温泉」等)
  • 大都市から少し距離があるけれど、交通の便が良く行きやすい奥座敷。(例:首都圏の奥座敷「鬼怒川温泉」等)

この二つにカテゴリ分けできそうな気がします。 

ということで、それぞれのカテゴリに属しそうな奥座敷を見ていくことにします。いつもの通り、自分が行ったことのあるところをメインに取り上げていきます。

 

地方の都市の近くにある奥座敷

まず、江戸時代に地元のお殿様(藩主)が利用したり、藩の湯治場として利用された、お城の近くにある温泉地が多いですね。

城下町はそのまま町として残り、お城の近くにあった奥座敷の温泉は温泉街になり、今もお湯が湧き続けている、というわけで。

そんな場所なので、訪れれば温泉街のあちこちで歴史を感じることもできますし、そんな温泉街はこじんまりしていて、そぞろ歩きも楽しそう。

市街地から近いのもいいところ。チェックインして荷物を置いてから、バスや電車でちょっと街に出て夕食をいただいて奥座敷の静かな宿に戻る、という風に。

そんな奥座敷をいくつか紹介してみます。

別所温泉(長野県上田市)

信州最古の温泉ともいわれる別所温泉。信州の奥座敷、と呼ばれることがあります。

古く平安時代の武将「木曽義仲(きそよしなか。鎌倉幕府を開いた源頼朝のいとこ)」や、戦国時代末期の武将「真田幸村」ゆかりの温泉とも言われています。

江戸時代になり、別所温泉のある上田藩は、真田幸村の兄「真田信之(さなだのぶゆき)」の支配を経て、その後2度大名が交代して幕末を迎えます。

別所温泉は上田藩にて管理されていたそうです。上田藩の殿様の住んだ上田城から別所温泉までは約10キロと近い距離でした。

時代は変わり、上田の町から別所温泉までは上田電鉄別所線の電車で30分ほどで着けます。電車と徒歩だけで行けるのは便利なところです。

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「信州の鎌倉」とも呼ばれたこの地域は、お寺も多いです。また、昔から続いていそうな共同浴場もありますね。

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チェックインしてから別所線の電車で夜の上田の街に出れば、名物の「美味だれ焼き鳥」もいただけます。もちろん温泉街の中にも飲食店があちこちにあります。

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浅間温泉・美ヶ原温泉(長野県松本市)

次に上田から少し西に向かい、同じく長野県の松本市。郊外にある浅間温泉と美ヶ原温泉は、いずれも松本の奥座敷と呼ばれています。

江戸時代は松本藩があり、今も国宝として残る松本城に藩主が暮らしていました。松本城は当時からずっと建物が残されている、数少ないお城のひとつです。

松本藩の殿様も松本城を出て、浅間温泉や美ケ原温泉に行って疲れを癒したのでしょうか。2種類も温泉があるとは贅沢な感じもします。

「さて、今日はどちらに行こうかのう」だなんて言いつつ。

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浅間温泉

まず、浅間温泉。浅間という名前ですが、同じ長野県の浅間山とは遠く離れていて、特に関係はありません。お城からは4キロと、歩いても行けそうな近さです。

今は松本駅からすぐ近くのバスターミナルから、路線バスが出ています。

バスは浅間温泉の温泉街をぐるっと回り、松本駅へと戻っていきますが、降りて歩いてみると、住宅街の中に宿や古いお店があって、小さな温泉街です。

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美ヶ原温泉

一方の美ヶ原温泉も、松本城からはそう遠くない距離にあります。浅間温泉より少しだけ近くて、距離としては3キロちょっと。

浅間温泉と同じく、松本のバスターミナルからバスが出ています。

美ヶ原温泉、と言う名前になったのは昭和時代のことらしいのですが、美ヶ原高原からはそれなりに離れています。浅間山と浅間温泉ほどではないにしろ。

美ヶ原温泉を名乗る前は「白糸の湯」などと呼ばれていたようです。こちらも古い建物の宿が狭い道に沿って並ぶ、こじんまりしたところ。

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浅間温泉も美ヶ原温泉も、宿に荷物を置いてから、夕食をいただきにバスに乗ってふらっと松本に出て、ほろ酔いで帰ってくる、ということが割と簡単にできます。

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大都市からの奥座敷

いっぽう、後者の「大都市から少し距離があるけれど、交通の便が良く行きやすい奥座敷」は、都市部に住む人が温泉旅行で出かけるメジャーな温泉地、という印象です。

関東近郊にあるそんな温泉街は「東京の奥座敷」とか「首都圏の奥座敷」などと呼ばれることが多いですね。

首都圏からはそれなりに距離がありますが、たいていは温泉街まで電車やバスが頻繁に出ています。

そして多くは温泉街の規模が大きめなので、温泉街で買い物や食事をしたりするには便利。

おそらくは、これらの温泉街の多くは、昭和時代の後半にお客さんの数がピークを迎え、それ以降は徐々に静かになってきた、というところかと思います。

それもあってか、これらの温泉街に行ってみると、昭和時代の雰囲気が残っていることもあります。

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先ほどの、江戸時代の殿様が奥座敷で・・・というのとは違った意味で、歴史を感じることができそう。

それでは、東京(首都圏)の奥座敷をみていきます。

石和温泉(山梨県笛吹市)

甲府の町からも近いので「甲府の奥座敷」とも言われますが、首都圏からも近く、首都圏の奥座敷とも言えます。新宿駅から特急「かいじ」で1時間半ほど。

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温泉街の中にワイナリーがあって、ワインと温泉とを一緒に楽しむことができる、数少ない温泉街です。

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伊香保温泉(群馬県渋川市)

戦国時代の終わりごろに温泉が整備されたという、歴史の長い温泉。365段の石段の両脇に、老舗旅館が並んでいます。 

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石段のある「石段街」は観光客でにぎわっていますが、裏通りは静かなところも多め。温泉街の周囲に観光施設も多く集まっています。

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水上温泉(群馬県みなかみ町)

こちらは群馬県の北部、利根川沿いの山深い場所にある温泉街。

廃業した旅館やホテルの建物が残っているところもあって少々寂しい感じもしますが、路地裏に残る昭和感が、ちょっとレトロ。

周囲にも温泉地がいくつもあって「水上温泉郷」や「みなかみ18湯」とも呼ばれます。

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鬼怒川温泉(栃木県日光市)

ここ鬼怒川温泉も「東京の奥座敷」のひとつですね。都内から、東武鉄道の特急電車「きぬ」「きぬがわ」などで約2時間と近め。

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東武鉄道は鬼怒川エリアの観光に力を入れているようで、鬼怒川温泉駅までSL列車「SL大樹」も走っています。

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鬼怒川沿いに大規模な旅館・ホテルが並びます。廃業したままになっている旧旅館の建物も多くて、場所によっては寂しいところがあるのも事実ですが・・・。

塩原温泉(栃木県那須塩原市)

こちらは山奥に点在する「温泉郷」です。この章で取り上げた他のところに比べて、少しひっそりしていますが、紅葉の時期はきっと賑わうのでしょう。

かくいう自分がハイシーズンを避けて塩原に行っている、というのもあります。

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大きなホテルのような宿から小さな宿まであり、またエリアによって温泉の種類が様々なのも面白いです。

 

その他の奥座敷

ここまで、かつての城下町の奥座敷や、現代の首都圏からの奥座敷を紹介してきましたが、調べてみると、他にも「奥座敷」と呼ばれる温泉地は数多くあります。

山梨県の甲府湯村温泉は、甲府市内にある「甲府の奥座敷」。 

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静岡県の梅ヶ島温泉は、静岡の市街地からバスで2時間、かなりの山奥にありますが「静岡の奥座敷」とのことです。

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長野県にある渋温泉野沢温泉は「長野の奥座敷」という風に呼ばれるようです。

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栃木県の奥日光にある奥日光湯元温泉は「日光の奥座敷」。

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他にも、未訪問のところ含め、たくさんの奥座敷があります。まだまだ奥が深いわけです。

 

というわけで

奥座敷、と呼ばれる温泉街について、できる限りまとめてみました。城下町から近い奥座敷や、首都圏から電車で便利に行ける「東京の奥座敷」、などなど。

奥座敷の温泉街は散歩するのが面白くて、江戸時代以前からの歴史を感じられるような古いところや、昭和時代のレトロ風な建物などが残っているところも。

言葉の定義も幅広くて、各地には多くの奥座敷があります。この記事で取り上げられなかった有名な奥座敷も多数あり。

今後も、そういった奥座敷の温泉街に足を運んでいきたいなと。

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唯一困ることをあげるとすれば、奥座敷と呼ばれる温泉街には、週末にひとりで泊まれる宿があまり多くない、という点があります。 

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ここで紹介してきた奥座敷は多くのお客さんが訪れる有名観光地だったり、市街地から近くて便利だったりします。

なので、客単価の安いひとり客よりも、複数名で泊まるお客さんの方が優先されてしまうのもあるのかもしれません。

実際、ひとり客の自分は、奥座敷のお隣にある他の温泉地に泊まって奥座敷の温泉街だけを散策してみたり、週末を外して奥座敷に泊まってみたりしています。

これからも工夫しながら、あちこちの奥座敷な温泉街を歩いてみたいところです。

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さて、今度はどこへ行こうかな。