2021年3月から、上田電鉄別所線の不通区間が開通し、上田駅~別所温泉駅の全線で運行しています。
長野県には歴史の長いローカル私鉄が3社あります。
- 上田電鉄 別所線(上田~別所温泉)
- 長野電鉄 長野線(長野~湯田中)
- 松本電鉄 上高地線(松本~新島々)
いずれの私鉄も、長野県内の大きな都市と郊外とを結んでいます。終着駅の先には温泉やスキー場、山々があり、長野県外から観光等で来る人も多く利用しています。
今回の「上田電鉄 別所線」(以降「別所線」と書きます。)も、終点の駅が別所温泉の温泉街の入り口で、別所温泉に行くには欠かせないローカル線です。
別所線の概要
別所線は、北陸新幹線・しなの鉄道線の上田駅と、上田市内の温泉街「別所温泉」とを結んでいます。
上田駅を出ると千曲川を鉄橋で渡り、上田市の郊外を抜け、信州の鎌倉と言われる塩田平を走り抜け、別所温泉までを結んでいます。
所要時間・運賃・本数
所要時間
上田から別所温泉まで、約30分です。
本数
1時間に1本程度の本数で運行しています。上田駅から途中の「下之郷」駅止まりの電車や、土日祝日に運休になる電車もあります。
運賃
上田から別所温泉まで、590円。
Suica等のICカードは利用できませんが、上田市内の電車・バスの多くで利用できるQRコード決済に対応しています。
スマートフォンのアプリをダウンロードし、クレジットカード等の決済方法を設定して、乗るとき・降りるときにQRコードをかざします。
また、上田電鉄ではお得なきっぷが多数用意されています。途中の駅で降りてみたり、別所温泉の共同浴場に入ってみたいときには良さそう。
最終電車の時刻
別所温泉に行くとき以外にも何度か利用しましたが、上田駅を出る終電が22時台と遅めなのが、実は便利。
2023年1月現在、東京駅からの最終電車の接続は以下の通りです。東京駅を20時台に出ても別所温泉に着けるのは凄いですね。
- 東京20:36→(北陸新幹線)→上田22:04/22:17→別所温泉22:54
別所温泉にも夜遅くにチェックイン可能な宿があるので、平日の夕方に出て別所温泉へ、ということもできてしまいます。
(でも、宿の最終チェックイン時刻は守りましょう)
別所線に乗ってみた
では、別所線乗ってみることにしましょう。
2019年10月から2021年3月まで、上田駅からお隣の城下駅は台風の影響で運休しており、その区間だけ代行バスが運行していましたが、今は全線、電車が走ります。
上田~下之郷
別所線の上田駅は2階にあります。
北陸新幹線の改札を出てまっすぐ歩き、突き当り左側にあるエスカレーターを登って、右側が別所線の改札口です。
車両は、少し前まで首都圏の東急線で走っていた電車。
今も東急線で同じ電車が走っているので、一瞬「あれ?」とも思いますが、行き先を見ると確かに「別所温泉」。ここは間違いなく、上田なのです。
上田駅を出た電車は復旧して間もない赤い鉄橋で千曲川を渡り、次の城下駅へ。復旧までは、電車はここ城下駅から出発していたのでした。
城下駅で、別所温泉方面からの電車と行き違ってから、電車はおもむろに出発。
一軒家が多く並ぶ、上田市の郊外をゆっくり走ります。遠くに山が見えるのが、信州らしい車窓ですね。
三好町、赤坂上と無人駅に止まり、上田原駅を出ると、左にカーブします。
寺下、神畑、大学前と、これまた無人駅に止まっていきます。少しずつ人が降りていき、車内も空き始めます。
次の下之郷駅には車庫があって、駅の脇でほかの電車が休んでいます。
ここで、別所温泉からやってきた電車とまたすれ違います。
ここ下之郷駅は、生島足島神社(いくしまたるしまじんじゃ)の最寄り駅。なので、駅もちょっと神社風。
下之郷~別所温泉
下之郷駅を出ると右にぐぐっとカーブします。なので、少し前に下之郷駅ですれ違った電車が遠くに見えることがあります。見つけるとちょっと得した気分。
次が中塩田駅で、その次が塩田町駅。この辺りから別所温泉までは「信州の鎌倉」と呼ばれる地域で、古いお寺が多く残っています。
中野、舞田、八木沢と、のどかな無人駅が続きます。この辺りまで来ると、車窓からも田畑が目立つようになってきます。
(中野駅)
(八木沢駅)
最後は緩やかな上り坂。まっすぐ上った先が、終点の別所温泉駅。駅のわきに古い電車が保存されていたり、駅舎が木造だったりと、雰囲気のある駅です。
ご乗車お疲れさまでした。
ここから別所温泉の温泉街へは歩いて数分の距離です。
さて、今度はどこへ行こうかな。