ひとりふらっと温泉宿に泊まったときの夕食は、部屋でのんびりいただくのも好きですが、宿の外でいただくのも同じくらい好きです。
外でいただく時はたいてい、行ったことのないお店に入って、地元のお酒とお料理を軽くいただき、ほろ酔いで宿へ帰るわけでして。
食事の前に「さて、今回はどんなお店に行こうかな・・・」と調べたり迷ったりするのも、また楽しかったりするわけです。
そんなお店選びの楽しみは、温泉街より地方都市の中心部(このページでは「街中」と書くことにします。)のほうが楽しい気がします。
今回はそんなことを書いてみます。
街中のほうが楽しい理由
ずばり、温泉街よりお店の数が多いからです。
夜に行ってみたいお店をネットで調べてみると、ぐるなびや食べログのような大手グルメサイトが上の方に表示されます。見てみると、たくさんあって迷うことに。
この情報がどこまで自分のニーズに合っているかは分からないですし、ネット上の飲食店情報ってどこかが足りない、ということも多く。(宿のネット情報と同じですね。)
そんな、ちょっぴり頼りなくもある情報をもとに、どこへ行こうか迷って、最後は覚悟を決めて、お店に入る。
そんな風に入ったお店も、当たりであることが多い。やっぱり、街中はお店も多くて激戦区なので、個々のお店のレベルが高いのでしょうか。
温泉街の飲食店
ちょっと考えてしまうこと
小さな温泉街の多くは、街中から離れた静かなところにあります。
そんな風に街中から離れている温泉街はこじんまりしていることが多く、お店もさほど多くありません。なのでお店の選択肢も街中より少なくなります。
また、温泉街には観光客が多く来ているので、お店が観光客で混んでいることもあります。数少ない選択肢のお店にお客さんが集まるのでしょうね。
観光客で混んでいるお店にひとりで入るのは、ちょっと気持ち的にはハードルが高いです。これが街中だったらいろんなお客さんがいるので、気にならないのですが。
それから、いざお目当てのお店に行ってみても、臨時休業だったり、予約していないと入れなかったりで、行ってみたけど入れなかった、ということもよくあります。
お店の多い街中なら他を探せばよいのですが、お店の少ない温泉街だと、お目当てのお店に入れなかった時はもう1件探すのに結構苦労します。
探しきれずにコンビニでお弁当買う、ということも。さらに、コンビニのない温泉街だと、昼に買っておいたおつまみを食べて寝る・・・ということになってしまう。
もしくはあらかじめ、お弁当などを買っておくこともあります。
宿の方に聞いてみよう
でも温泉街のお店も悪いことばかりじゃなくて、夕食に出る前に宿の方からおすすめのお店を教えてもらえば、失敗することはありません。
そのときの注意点はふたつ。
- 自分が何を食べたいか明確に伝える。
- できれば2件以上、お店の名前を聞いておく。
何を食べたいか伝えてから聞かないと、自分が食べたい気分じゃないもののお店を紹介されることもありますし。
そして、2件以上のお店の情報を聞いておかないと、1件目のお店に入れなかった時に途方に暮れてしまうのです。
街中イコール温泉街、の場合
街中から少し離れた温泉街に泊まる場合、夕食を取りにバスなどで街中に出るわけです。(遠い場合は、温泉街で済ませますが。)
また、一番楽なのは街中に温泉があるパターン。この場合は宿を出て歩いていくと、お店も多くて便利です。これが理想ではありますね。
街中に近い温泉街
ということで、街中で夕食のお店を探すのが楽しいのです。その場合は街中から近い温泉に泊まりたいですね。
夕方になったら宿を出て、ふらっと電車やバスに少しだけ乗って街中に出て、さて何を食べようかな、と。
で、美味しいものをいただいてちょっとほろ酔い、また電車やバスに乗り、宿に戻るとお部屋に布団が敷いてある、という幸せ。
自分の行動範囲は主に北関東・甲信越なので、この贅沢ができるところは限られるのですが、思いつく限り紹介してみます。
まずは、温泉街から電車・バスで街中に出るパターンから。
甲府湯村温泉&甲府市街(山梨県)
甲府駅の北西にある、古くからの温泉地です。
住宅街の中に旅館や大きなホテルがあり、温泉街の中はあまりお店の数は多くないのですが、甲府駅からは近くて、バスで約15分。
宿にチェックインしてひと風呂浴びて、夕方のバスで甲府駅まで出て、甲府の街中でワインや甲州地鶏、鳥モツ煮などをいただいて帰る、というのもいいですね。
ちなみに石和温泉も、甲府からJR線で2駅です。
石和温泉の温泉街は大きくて、飲食店も多いですが、石和に泊まって甲府で飲み食いするのも楽しいかもしれません。(やったことはないですが。)
でもこれをやると、ほろ酔いで電車に乗って、寝過ごしてしまうと都内(高尾)まで戻ってしまう危険性も・・・
別所温泉&上田市街(長野県)
個人的に何度も訪れている、信州上田。市内には温泉も多くあり、その中でも上田市の中心から近いところにある温泉街が、別所温泉です。
上田駅と別所温泉との間には「上田電鉄別所線」が走っています。上田駅から約40分。 終点です。
信州は地酒・地ワインの多いところで、上田も地酒は多いですし、焼鳥は上田独自の「美味だれ焼鳥」です。
他にも信州ならではのグルメを居酒屋さんでいただくのが楽しいです。
上田市は長野市、松本市に次いで長野県で3番目に人口の多い市なので、お店も結構多いです。
そして、別所線の終電は結構遅い。22時台まで別所温泉行きの電車があります。でも、電車の乗り遅れと、宿の門限にはご注意を。
浅間温泉・美ケ原温泉&松本市街(長野県)
続いて、同じく信州の松本市。お城が有名な松本の市街地は規模も大きくて、ここもまた飲食店が多くて目移りしてしまう。
そして、駅前のバスターミナルからバスに乗れば、浅間温泉・美ケ原温泉のふたつの温泉街へと手軽に向かうことができます。バスの本数も多くて便利です。
浅間温泉へはバスで約30分です。
美ケ原温泉へはバスで約20分です。バスは松本バスターミナルを出て、美ケ原温泉をぐるっと回って、松本駅へと帰っていきます。
寝過ごしてしまうと、振出しに戻ってしまいますのでご注意を。
街中にある温泉
続いて、街中に温泉があるパターンをいくつか紹介してみます。
知らない街中で食事をして電車やバスに乗るのもちょっと不安ではありますね。別な方向に行くバスに乗ってしまったりとか、降りるところ間違えたりとか・・・。
ということで、もちろん街中と温泉街とが近くて、歩いて行けることに越したことはないですね。
これから紹介するところは、街の大きさとしては先ほど挙げたところよりやや小さいのですが、お店も多いので、行ってみたいお店がなくて困ることはないはずです。
上諏訪温泉(長野県)
諏訪湖のほとり、上諏訪温泉。観光客も多いところですが、上諏訪駅から近くに温泉宿も多くあります。
宿を出て歩いて行った居酒屋で軽くいただき、2件目にそば屋で〆に信州そば、なんていう贅沢ができたりします。(味噌天丼食べてみたいな・・・)
越後湯沢温泉(新潟県)
うまさぎっしり新潟県。お酒も食べ物もレベルが高い。
首都圏からも比較的近い越後湯沢は、駅の近くに越後湯沢温泉の温泉街もあり、スキー場もあり。温泉街の反対側にはアーケードがある商店街があり。
いつ行っても、何を食べようか目移りしてしまいます。
特に日本酒はさすがの新潟県で、地元の人が普段飲むような「普通酒(要は「純米酒」とか「大吟醸」とかではない、お手頃価格のお酒)」も美味しい。
そんな風に
夕食を宿の外でいただく際に、お店の多いところに行くというパターンを最近よくやっています。
観光目的なら、街中のホテルに泊まって夜の食事を楽しめばよいのですが、少し離れた温泉宿に泊まれば、街中と、温泉との良いとこ取りができてしまうわけです。
もちろん、甲府等、街中に温泉に入れるホテルがあるところもあります。でも個人的には、温泉宿の和室が何だか落ち着く今日この頃です。
ここでは紹介しませんでしたが、それなりの規模の温泉街だったら、夜に営業している飲食店もそこそこあるはずなので、調べてみて行ってみるのも良いですね。
その際は事前にある程度お店の情報を調べておくことをおすすめします。お目当てのお店に必ず入れるとも限らないので。
ただ、群馬県の草津温泉の温泉街は別格です。観光客も多いので、お店も多い。このページで書いたようなことにはならないでしょう。
さて、今度はどこへ行こうかな。