秋は紅葉の季節。
栃木県は、日光、那須、塩原等々、紅葉が有名なイメージがあります。
紅葉との関係は分からないのですが、11月の栃木県の温泉宿はちょっと割高だったり、ひとり泊できなかったり、という宿が多い印象。何故だろう。
ということで紅葉の時期は手が出にくいので、紅葉も終わった12月に、栃木県への温泉旅をしたことがあり、その旅行記をアップしてみます。
そう、年末ではない12月は、ちょっとしたシーズンオフではないでしょうか?
選んだ行き先は、平家の落人が隠れ住んだ・・・という湯西川温泉。
訪れてみると確かに結構な山奥で、冬は相当雪が積もりそう。そして湯西川温泉では毎年2月ごろ、かまくら祭りが開かれることで有名です。
今回は12月でしたが、まだ雪の降る前でした。紅葉が終わった後の12月、年末の前だったので割と空いていたように思います。
旅の計画
栃木県までは、乗り慣れたJR新宿駅発の特急列車で向かいます。
きっぷはこれを購入です。
この特急には、東武日光行きの「日光号」と鬼怒川温泉行きの「きぬがわ号」があります。今回は鬼怒川温泉方面に行くのですが、朝に新宿駅を出る列車は「日光号」。
なので、途中の下今市駅で降りて、その先は普通列車で鬼怒川温泉駅へ向かいます。
その後、鬼怒川温泉駅からバスで湯西川温泉へ向かう予定でした。
1日目(新宿→下今市→鬼怒川温泉→湯西川温泉)
古く新しくなった下今市駅へ
さて、朝の特急日光号は関東平野を北上し、下今市駅へ。この列車はいつも結構空いている印象ですが、今回も同様でした。
下今市駅に降りてみると、駅のあちこちが新しくなっています。単に新しくなったわけではなくて、昭和レトロ風? に改装されており。
そう、2017年より「SL大樹」というSL列車が、ここ下今市駅から鬼怒川温泉駅までを走るようになったのです。それを意識して、昭和レトロ風に改装したのでしょうね。
(でも以前の、自然に古びた感じも良かったな。)
そんな新しくて古い下今市駅を、これまた東武の新型特急「リバティ」が通り過ぎていきました。
鬼怒川温泉駅とSLの転車台
さて、ここから東武鬼怒川線の普通列車に乗ります。この電車は昔ながらの古い車両で、何だか落ち着きますね。
電車は下今市駅を出てすぐに川を渡って、ちいさな駅に止まりながらゆっくりと走っていきます。
途中、窓の外を見るとカメラと三脚でスタンバイしている人がちらほら。そう、この後SL大樹がこの電車の後ろからやってくるのです。
鬼怒川温泉駅に着くと、確かに後からSL大樹がやって来ました。自分もカメラを出して撮ってみます。まずは、これまで乗っていた電車とのツーショット。
ヘッドマークがクリスマス仕様で、最後尾に赤い機関車がついています。お客さんを乗せるのは、昭和時代に国鉄を走った青い客車たち。
自分も昭和の終わりの方の生まれではありますが、こういった古い車両はなかなかお目にかかれません。東武鉄道はよく集めたなと思います。
さて、ここからバスで湯西川温泉を目指す予定なので、駅の改札の外に出ました。ここ鬼怒川温泉駅も、SL大樹のデビューにあわせてすっかりリニューアルしています。
まず、鬼怒川温泉の駅前のお土産屋さんを回ってみました。以前よりも、電子マネー対応のお店が増えた印象です。キャッシュレス派には嬉しいところ。
実はこの時ちょっとのどが痛かったので、薬局に入って風邪薬を買っておきました。ここでも電子マネーで支払いができました。
さて、湯西川温泉へ行くバスはどこに出るんだろう? バス停が見当たらず。迷っているうちに、目の前を湯西川温泉行のバスが走り去っていき。
湯西川温泉行のバスは、駅を出て左側のバス停から出るんですね。知りませんでした。
駅を出て右側のバスターミナルの方が、人も多くてバスもたくさん出入りしています。こちらは、鬼怒川の温泉街を回る「ダイヤルバス」等の乗り場です。
仕方ないので、少し待って電車で行くことにします。湯西川温泉駅まで電車で行き、バスに乗り換えて温泉街まで向かいましょう。
さっき乗るはずだったバスが出て行ったバス停の近くに、SL用の「転車台」があります。SLはこの転車台でぐるっと回り、折り返しの準備をするわけで。
SLを撮ろうと、転車台の周りにどんどん人が集まってきます。やがてSLが汽笛を鳴らし、ゆっくりと転車台へ入ってきました。おもむろに回り出すSL。
駅員さんの放送も気合が入ります。
「さあ、ここがシャッターチャンスです!」
「機関士さんが手を振っています!」
等々・・・ちょっと可笑しい。
無事に(?)回転を終えたSLは、また下今市に行く準備のために去っていきました。
リバティとバスで湯西川温泉へ
さて、次の電車は特急「リバティ会津」です。特急電車ですが、ここから湯西川温泉駅まで特急券なしで乗れるのです。何だか得した気分。
(リバティ会津は、下今市駅から会津田島駅までが特急券不要です)
週末にこの区間を走る電車は、旅行がてら車内で酒盛りする人がいて、お酒臭かったり、床におつまみの食べかすが散らかっていたりすることがあります。
ですが、今回の特急リバティの車内は静かでした。まだ午前中だったからかな?
特急電車ですが、走りはゆっくり。鬼怒川温泉を出て2駅目が新藤原駅で、ここから野岩鉄道・会津鬼怒川線です。
新藤原駅から2つ目の川治温泉駅で、反対側の電車とすれ違い。ここで車掌さんが検札にやってきます。そのさらに2つ先が、湯西川温泉駅。トンネルの中の薄暗い駅です。
階段を上って地上に出て、さほど待ち時間がなく次のバスがやってきます。ここ湯西川温泉駅には道の駅があり、少し見てみたかったのですが、断念。
バスは長いトンネルをいくつかくぐった後、湯西川温泉の温泉街に出ます。温泉街を走り抜け、終点の湯西川温泉バス停は、橋を渡った先にありました。
平家落人の温泉街
まだお昼の時間帯、チェックインまではたっぷり時間があります。
湯西川温泉は2回目ですが、前回はあまり温泉街を見て回れなかったので、今回はゆっくり回ってみようと思って、早めに湯西川に着くようにたのでした。
まあ、まずはお昼を。この辺はそばが有名です。平家の落人にちなんで「平家そば」という名前のそばを出すお店もあるようで。
予備知識はなかったのですが、通り沿いにあった民宿がやっている食堂に入り、山菜ごはんとおそばのセットをいただきました。
後で、奥の方にもっと古びていて雰囲気の良さげなお店があったのを発見。これは次回の宿題にしたいと思います。
少し離れたところにある「平家の里」を見ても良かったのですが、近くにある民俗資料館に入ってみました。
こじんまりした館内に、昔の生活用品等がたくさん展示してありました。
その後、温泉街の酒屋さんで地酒とおつまみを購入。ちいさな温泉街ですが、お店はそこそこあるようですね。
まだまだ時間があるので、喫茶店でコーヒーをごくり。最近、こういう昔ながらの喫茶店にはなかなか行かなくなってきました。懐かしいな。
そこから橋を渡って平家集落を見てから、今日の宿に向かいます。
元気なお婆ちゃんがやっている民宿的な宿でした。
夜にもう一度、温泉街を散歩してみました。ライトアップがきれいです。
(上の写真と同じ位置で撮ってみました。)
2日目(湯西川温泉→鬼怒川温泉→新宿)
さすがに冬の栃木県の山奥、朝はかなり寒いです。それでも天気はきれいな晴れ、日差しがほんのり暖かく。
さて今日は、昨日来た道を戻っていきます。まずは湯西川温泉駅までバスで戻るわけなのですが、時間になってもなかなか来ません。
バスを待っていると、通りがかった地元の人に話しかけられました。「このバス結構遅れてくるからねえ」とのこと。
湯西川温泉駅での乗り換えの時間はあまりないので、ちょっと心配になりましたが、バスは数分遅れで湯西川温泉駅に到着です。ちょっと慌てて駅のホームへ。
何とか間に合った次の列車は、快速「AIZUマウントエクスプレス」です。椅子がちょっと豪華でゆっくりできます。
この列車は鬼怒川温泉の先、下今市に出て、そこから東武日光駅が終点なのですが、鬼怒川温泉駅で降りました。
ここから、特急きぬがわ号に乗って戻るわけです。電車に乗り込んで出発を待っていると、転車台で回転し終えたSLが、横を通り過ぎていきます。
今回の旅のまとめ
- 東武鉄道のSL列車「SL大樹」は、下今市駅と鬼怒川温泉駅とを結んでいます。機関車の調子が良くないらしく、最近はSLではなく、ディーゼル機関車(DL)が代わりに走る日も多いようです。DLも貴重ではあります。
- 東武鉄道の特急「リバティ会津」に乗れば、都内(浅草・北千住)から湯西川温泉まで乗り換えなしで行くことができます。同じ東武の「スペーシアきぬ」よりは若干座席が狭め。
- 湯西川温泉駅から湯西川の温泉街へは、日光交通バスで向かいます。一部、鬼怒川温泉駅から出るバスもあります。鬼怒川から乗る場合は乗り場にご注意。
- 湯西川の温泉街はこじんまりしていますが、食事を取れるところも酒屋さんもあります。「平家集落」を見たり、資料館等を見て昔の面影をのんびり見るのも楽しいですね。
こちらのブログもどうぞ
さて今回は、この温泉旅で紹介した温泉や列車などのことを書かれているブログを紹介してみます。
鬼怒川温泉駅周辺のことは、けだまさんのブログが詳しいです。お土産、お弁当、飲食店のことはここで確認していきましょう。
そして、湯西川温泉のことは、きりんさんのブログが詳しいです。湯西川温泉へリピートされているのが、うらやましい!
「SL大樹」の乗車記録は、ひささんのブログから。14系客車、乗ってみたくなりますね。
さて、今度はどこへ行こうかな。