2023年になりました。(正月にこれを書いています)
2022年の年末に、静かな温泉旅に出かけてきました。行動制限のない年末年始を過ごせることに感謝しつつ、旅の記録を書き残しておきます。
旅の計画
年末の状況や、大みそかから年明けの予定が直前まではっきりしない状況だったため、日程は直前に決まりました。
まず、行き先は長野県にしようと決めます。毎年のように温泉旅で出かけている長野県、2022年はまだ一度も出かけていなかったから、です。
直前ゆえに、空室ありの温泉宿もそこまで多くない状況でしたが、さいわい、以前泊まったことのある「信州の鎌倉」こと別所温泉の宿を予約できました。
もう1泊できそうだったので、帰り道の途中にある群馬県の宿も探してみると「温泉マーク発祥の地」磯部温泉の宿が見つかり、これもすかさず予約。
行きの新幹線は空席がまだ結構あり、直前でも問題なく予約できました。
帰りは地方から首都圏に戻るので、帰省ラッシュと逆方向だから空いているだろうと思い、指定席は取らずに自由席を利用することにしました。
1日目(東京→上田→別所温泉)
あさま
晴れた夕方、東京駅の新幹線ホームから、臨時の北陸新幹線「あさま」に乗ります。
乗車率は半分にいかないくらいでしょうか。海外からの旅行者が多く、英語が飛び交っています。スキー旅行のよう。
ゆっくりめのスピードで都内を出た「あさま」は、埼玉県に入り大宮駅を出て、北に向かって爆走します。
寒い季節は窓の向こう、群馬県の赤城山がうっすら見えます。そして段々と大きくなってくる赤城山。このあたりで何故か眠くなることが多く、ここでウトウトと。。
目が覚めると既に「あさま」は長野県に向かって、いくつかのトンネルを出たり抜けたりを繰り返していました。
そんなトンネル達を抜けて、軽井沢駅へ。車内から"Snowy!"の声。
軽井沢から先もトンネルが続き、佐久平駅、続いて上田駅に止まります。やあ、また着いたよ上田。そして結構寒い。
地酒とクラフトビール
時計を見ると夕方の5時。
入ってみたいお店はいくつもあるけれど、まずは行ったことのある、地下の飲食店街へと降りていきます。
一番奥の居酒屋さんに入り、カウンター席で上田の地酒を。結構レアかも知れない「信州亀齢」に、地元でよく見る「福無量」。
一緒にいただいたのは、そばがきつみれ、きのこに馬刺し。
6時が近くなり、予約のお客さんが続々と入ってきたので、小一時間でお会計。ごちそうさまでした。
地上に出ると、すっかり空は暗く。
前から気になっていたビアレストランへ入ってみました。店内で作ったクラフトビールがここで飲めるのです。
カウンター席でクラフトビールの3種飲み比べセットと、信州チーズの3種盛り合わせをいただきます。
ここのビール、ほぼこのお店でしか飲めないそう。ごちそうさまです。
別所温泉
さて、これからローカル電車の「上田電鉄別所線」で、今日一泊する別所温泉に向かいます。
宿からは、電車に乗る前に電話をくださいと言われていたので、その通り電話を入れました。
かつては都内を走っていた銀色の電車が、2両編成になって上田駅で出発を待っています。
1両に10人そこそこ乗っている感じでしょうか。
上田駅を出た別所温泉行きの電車は、暗い中、駅に止まっては少しずつお客さんが降りていき。
終点の別所温泉駅へ着くと、宿の方が車で迎えに来てくださっていました。
外は雪が残っています。少し前に寒波が来て雪が積もったそう。雪の少ない地域ではありますが。
車はすぐに宿に着き、チェックインをして2階の部屋に荷物を置きます。
まずはひと風呂。寒い夜で、お湯の温度もちょうど良く、いくらでも入っていられます。
長風呂の後、部屋に戻って眠ろうと思い横になります。
寒さで一度目が覚めてしまい、夜中にもう1度お風呂に入って、体を温めてから、再度のおやすみなさい。
2日目(別所温泉→下之郷→上田→安中榛名→磯部温泉)
オレンジバス
平日の朝は、いつも同じ時間にスマホのアラームをセットしています。そのアラームが鳴って目が覚めて、ひとり温泉宿にいると気づく朝。
朝のお風呂へ。本当に気持ちが良くて、上がるのがもったいないくらい。
部屋に戻ってお部屋で朝食をいただき、二度目の朝風呂へ。。
今回はいつも以上にお風呂を堪能した気がします。
名残惜しい感じもありつつチェックアウト。お世話になりました。
別所温泉駅まで歩いて行きます。これから電車に乗って、途中下車して神社を見てから上田に戻るつもり。
ただ、次の電車までは小一時間ある模様。
電車の時間までどう過ごそうかと思っていたら、見慣れないバスが来ました。行き先に「上田駅」とあります。
バスを見ていると、視線に気づいたのかドアが開いて、中から女性の方に「乗りますか?」と聞かれ、とっさに「はい、上田駅まで」と返事して、乗っちゃいました。
乗って手を消毒して座ると、さっきの方が「お客さん初めてですよね?」と、バスの説明をしてくださいました。案内をするスタッフさんでしょうか。
このバスは、上田市の「オレンジバス」。高齢者、障がい者は無料で、その他の人は100円で乗車できるそう。
バスはすれ違いができなそうな細い道に入り、公民館、ショッピングセンター、病院などをこまめに寄りつつ、時々地元の方を乗せて降ろして、走っていきます。
あちこち寄り道しているので、頻繁に曲がるのですが、さっきのスタッフさんは揺れる車内で踏ん張りつつ立っています。
窓の外にいる地元の人に手を振ったり、交差点で安全確認したり、かなり忙しそう。
バスは何度か電車の線路と交差します。バスの中で電車の時間を調べて、途中の上田原という駅の前で降りることにしました。
運転手さんに「ここ、上田"原"駅ですけど、上田駅まで行くんですよね?」と聞かれ、途中で降ります、と言って、100円を払って降りました。
いくしまたるしま
寒い無人駅で20分ほど待ってから電車に乗り、5つ目の下之郷(しものごう)駅へ。
ここ下之郷駅は、生島足島神社(いくしまたるしまじんじゃ)の最寄り駅で、神社へは裏から入る感じになります。
臨時の駐車場、準備中の露店、大きな立て看板など、初詣客を迎える準備に忙しそうな神社でした。
お参りしてから古いお守りをお返しし、新しいお守りをいただいて、次の電車の時間を調べると、まだ40分ほどあるようです。
それで、時間つぶしを兼ねて、お隣の駅まで歩いてみました。こういうとき、Googleマップの経路案内は便利です。
隣の「大学前」という駅までは1キロそこそこで、割とすぐ着きました。
次に乗った上田行きの電車はそこそこ人が乗っています。前の日に別所温泉へ泊まった観光客かも知れません。
終点の上田駅のひとつ前、城下(しろした)駅で降りました。この後電車は鉄橋で千曲川を渡りますが、歩いてみようというわけで。
川を渡って割とすぐのショッピングモール「アリオ上田」で、お酒やお土産を買ってから、上田駅に歩いて戻ります。
おそばを食べてから、東京行きの北陸新幹線「あさま」に乗車。
まっすぐ帰るわけではなく、30分で降りるので、自由席です。
秘境駅
お隣の長野駅が始発なので「あさま」は空いていました。
3駅目の安中榛名駅で降ります。秘境駅として知られており、昼間は2時間に1本しか列車が止まりません。
数人のお客さんが降りていき、新幹線が出ていくと静かな光景。誰もいないホームに案内放送が流れます。
これからバスに乗って、今日泊まる磯部温泉に向かうことにしています。
改札を出てロータリーに出ると、バスが2台待っていて、運転手さんが二人で話をしていました。
発車まで20分くらいありますが、バス停で待っていると運転手さんに声をかけられます。「まだ時間あるけど乗って待っててください、寒いから」と。
ありがたくバスに乗り、座って待っていると眠くなり。。。
磯部と高崎
エンジン音で目が覚めました。運転手さんが乗りこんで、エンジンをかけたようです。
バスは坂を下り、分譲地のような整った場所を横目にまた坂を登り、大きな病院を経由して、また坂を下って磯部温泉の温泉街へと入っていきました。
温泉街で降りて、この日の宿へ。チェックイン1番乗りだったようで、真っ先に入ったお風呂は空いていました。
夕食は早めに取ろうと思います。
温泉街にも居酒屋や食堂が少しありますが、電車で20分ほど行けば高崎に出られるので、荷物を部屋に置いて磯部駅に向かいました。
電車に乗って、終点の高崎駅で降りると人が多くて、都会に戻ってきた感じがします。
駅ナカのお店で、地酒と、舞茸天ぷらと、上州もち豚の角煮などなどをいただきました。ごちそうさまでした。
お土産もちょっと買って、磯部に戻る電車に乗り込みます。
他の電車が遅れていた影響で、高崎駅の発車が少し遅れましたが、電車は暗い磯部駅に戻ってきました。6時ですが、温泉街はもう真っ暗。
宿に戻って浴衣に着替えて、またお風呂へ。
年末でお客さんが多く泊まっているのでしょう、お風呂は結構混んでいます。それでも皆さん露天風呂にばかり入っていたので、内風呂にゆっくり入りました。
磯部温泉、なかなかよく温まるお湯で、上がってからも体が熱いくらいで、お部屋に戻っても最初なかなか寝付けずでしたが、最後はゆっくり眠りました。
3日目(磯部温泉→高崎→東京)
朝になりました。今回の宿は素泊まりなので、朝食の時間も決まっていません。
朝風呂に入ります。夜と違って空いていました。
ゆったり過ごし、9時を過ぎたあたりでチェックアウト。お世話になりました。
電車の時刻までそこそこ時間があるので、温泉街を散歩しつつ磯部駅まで歩こうと思います。
磯部温泉は「鉱泉せんべい」が名物です。温泉水を混ぜて作る、薄くて甘みのあるおせんべいが、温泉街のあちこちで作られ、売られています。
1件のお店に入ります。せんべいの試食をしつつ、磯部の温泉水を試飲できました。かなり塩辛い温泉水です。
「この温泉水は胃腸に良いんですよ」とおっしゃる奥さんからせんべいを買いました。試食ごちそうさまでした。
もう少し温泉街を散歩します。温泉マーク♨発祥の地、という記念碑を見てから、磯部駅に出て電車を待ちます。
ホームに出ると、線路の向こうはいびつな形の妙義山。
今回の旅のまとめ
毎年のように、長野県の上田市近辺の温泉に泊まっています。
上田市街には美味しい飲食店も多く、食事を楽しむなら駅から近いビジネスホテルの方が便利なのですが、温泉宿に泊まりたく、今回は別所温泉に泊まりました。
それでも、別所温泉は上田駅から電車で30分ほどなので、今回のように上田で夕食を食べてから別所温泉にチェックイン、というのも割と楽にできます。
同じく、2日目の磯部温泉も高崎の町から電車で20分ほどの距離にあるので、食事だけ高崎で、というのも便利にできます。
そんな立地の良さを活かして、主に地酒を楽しんできました。
別所温泉も磯部温泉も、以前はあまりひとりで泊まれる宿が多くなかった印象です。
ただ最近は、ひとり泊のプランを出す宿が増えていますね。ここ何年かで、ひとり旅をする人が増えているからでしょうか。
宿にとってひとり客ってどうなんだろう、ということも時おり考えますが、少なくとも自分の静かな温泉旅は、基本的にはひとり旅。
ひとりで泊まれる宿が増えるというのはありがたいことです。2023年も、機会があればまたあちこち、ひとりで出かけていきたいと思います。
今回行った場所
今回の温泉旅で出かけた観光スポット、お店等のリンクです。リンク切れがありましたらご容赦ください。
観光スポット
(上田)生島足島神社(いくしまたるしまじんじゃ)
上田電鉄「下之郷」駅近くの神社。武田信玄や真田氏ゆかりの古い神社です。
(磯部)磯部詩碑公園
温泉街にある公園。
磯部温泉ゆかりの詩人たちの詩が刻まれた詩碑や、磯部温泉が発祥という「温泉マーク♨」の石碑があります。
お土産・飲食店など
(上田)天神ブルワリー
上田駅から歩いてすぐのところでクラフトビールを造っています。店内でおつまみと一緒に飲むことができます。
(上田)東都庵
上田駅前のコンビニの地下にある飲食店街のそば屋さん。駅から近いので、平日はビジネスのお客さんがよく食べに来ているようです。
(上田)酒蔵 信濃
東都庵の並びにある、地下飲食店街にある居酒屋。昼から通し営業しています。
(上田)やきとり番長 上田駅ナカ店
上田名物「美味だれ焼鳥」がいただけます。
駅の改札の手前にあり、電車の待ち時間に軽く一杯、という感じで何度か行っています。
(高崎)群馬の台所
「峠の釜めし」で有名な「おぎのや」の飲食店。
釜めしはもちろん、群馬の郷土料理と地酒が多く楽しめます。
(磯部)名月堂
磯部温泉名物「磯部せんべい」のお店。喫茶スペースもあります。
さて、今度はどこへ行こうかな。