温泉好きのお湯

関東近郊を巡る、静かな温泉旅。今度はどこへ行こうかな。

温泉旅と湯治宿

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ひとり泊を繰り返していて気付いたのは、ひとりでも泊まりやすいタイプの宿は一定数存在している、ということ。

そんな宿だったら断られるリスクもないし、ひとりでも泊まりやすいのです。

ひとり泊しやすい宿のタイプにもいくつかありますが、今回はそんな中でも「湯治宿」のことを書いてみます。

湯治宿とは

そもそもですが、湯治というのは、温泉宿に長く滞在し、温泉に入りつつ、体調を整えていくことだと理解しています。

そんな湯治をする人向けの宿が「湯治宿」ということになるでしょう。

湯治をするとなると宿に長期滞在する場合が多いので、湯治宿は1泊当たりの料金が安く設定されています。

食事も、湯治する人の健康のことを考えて作られていることのでしょう、シンプルで素朴な感じ。

ボリュームも控えめで味付けも薄めなことが多いです。

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場合によっては宿の料理ではなく、キッチンで自炊できる場合もあります。

また、日本における湯治という行為は何百年もの歴史があるらしく、湯治場として残っている温泉地は古くから続いている場所ばかりです。

さらに、古くからその温泉の効能が知られていたのでしょう、湯治場の温泉は、泉質の良さも期待できます。

今はインターネットがあるので、そんな湯治宿にも1泊からネットで予約できるようになりました。

湯治宿のメリット

湯治宿はもともと湯治客向けの宿なので、湯治目的ではない人がそこに入って行くのは少々はばかられる感じもあります。

が、湯治目的ではない人が、ひとりで湯治宿に泊まるメリットはこんなところかなと思います。

  • 料金が安い。先ほど書いた通り、長期滞在向けにシンプルなサービスと安いお値段になっています。
  • 部屋食であることが多い。ひとりの場合、食事処で他のお客さんと一緒に食べるのは寂しいですし、マイペースで食事ができるのが部屋食のいいところです。
  • 食事が健康的。多すぎず、味付けが濃すぎずの食事で、泊まる人の健康に配慮されています。。
  • お湯の質が良い。古くから、体に良いお湯だと知られて続いてきたということです。

ひとりでいい温泉に入ってのんびり過ごすのが温泉旅の目的だった自分にとっては、うってつけだったのです。

湯治宿でちょっと思ったり、気づいたり

ということで、ひとり温泉旅を始めた初期の頃に湯治宿に出会い、その良さを気に入って、北関東・甲信越にあるあちこちの湯治場に足を運んでいました。

その一方で、こんなことを思ったり気づいたりしました。

  • 病気治療のために滞在しているシニアの方が多い中、若年層(相対的に、ですが)な自分が泊まるのはちょっと場違いという感じは正直ある。
  • 混浴風呂が多い(配偶者がお風呂に入るのを介助するためとか、もともと昔から混浴だった、とか理由はありますが)
  • 一部、部屋のプライバシーが微妙な場合があり(隣室との仕切りがふすまだったりすることも。古い建物・古い部屋が多いのでしょうね)
  • お酒の種類が限られる(飲むのが目的で泊まるわけではないですからね)

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宿によっては、以前は大手予約サイトにプランを載せていたのが、プラン掲載をやめてしまったところもあります。

ネット経由で湯治目的ではないお客さんが泊まるようになって、いろいろあったのかな、と思ったりします。

確かに、湯治宿と知らずに安さだけで選んで泊まると、違和感もあって宿泊後のクチコミが厳しくなってしまうことがあります。

たいていの湯治宿はお部屋も小さめで、出てくるお料理もシンプルです。宿の近くに、夜に飲みに行くようなお店はないことが多いです。

一方で、もともと長期滞在で利用している常連さんの居心地が悪くなってしまうことも、あったのかも知れません。

湯治宿こぼれ話

  • 湯治宿の仲居さんやお客さんは、年齢を聞くと驚かされることが多いです。足腰がしっかりしていて、80代、70代に見えない人が多い。この温泉のおかげで元気なんですよ、などと言われます。
  • 宿の方から、夜は部屋の鍵をしっかりしめてほしい、と言われたことがあります。高齢者の方が、間違って他の部屋を開けて中に入ろうとしてしまうことがあるのだそうです。
  • 比較的若い世代の自分が湯治宿に泊まると、幸い階段の上り下りに支障がないので、上の方の階、奥の方の部屋に案内されることが多いです。玄関に近い部屋は、お年寄り向け。

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湯治場のご紹介

最後に、これまで泊まってきた湯治場の紹介ページを貼っておきます。

たくさんあるので一部なのですが、よろしければご覧ください。

下部温泉(山梨県)

戦国時代の武将、武田信玄が入ったという「信玄の隠し湯」です。プールのような冷たい温泉に長時間入って体調を整えていくのが、下部流の温泉の入り方です。

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鹿教湯温泉(長野県)

鹿が温泉に入っていたのを人が発見したのがきっかけで開かれたという「鹿が教えてくれたお湯」。温泉街に大きな病院もあり、療養目的で滞在される方も多そうです。

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栃尾又温泉(新潟県)

日本有数のラジウム温泉。ぬるめの温泉からは天然のラジウムが出ているそうです。本を読みながら長湯している方が多いです。

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湯宿温泉(群馬県)

三国街道沿いの湯治場。数件の宿と共同浴場がある静かな温泉地です。温泉はかなり熱め。

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板室温泉(栃木県)

那須にある静かな湯治場。「下野の薬湯」という呼び名があります。アルカリ性でぬるめのお湯に入ると、肌がきれいになるのを実感できます。 

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増富ラジウム温泉(山梨県)

山奥にある湯治場です。泉質は放射能泉。黄色く濁った冷たい水のお風呂は効能が豊からしく、病気の治療目的で宿泊されるシニアの方々が多いところです。

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湯岐温泉(福島県)

福島県南部、茨城県との境に近いところにある湯治場です。かなり奥まったところにあり、こんな場所で長期滞在したら健康になれそう。こちらもぬるめの温泉です。 

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さて、今度はどこへ行こうかな。