ここ「静かな温泉旅のブログ」は、首都圏在住の自分が足を運んできた、主に関東近郊への温泉旅について書いています。
何故に関東近郊限定なの? というのはいたってシンプルでして・・・ええ、そうなんです。時間がない。予算もない。
書いてしまうと身も蓋もないことが理由だったりします。
家族もいるので、まあ自分ひとりでそんなにゆっくりできるわけでもないし、温泉旅も限られた自分のお金の中でやらないといけません。
旅行の予算の中でも、多くを占めるのが交通費と宿泊費。
特に交通費は遠くに行くほど高くなり、近くなるほど安くなります。また、早くて快適な手段を選べば高くなり、遅くて不便な手段を選べば安くなる。
できれば遠くに行きたいけれど、快適に移動したい! という難しい制約の中でやる温泉旅の交通費について、今回は書いてみます。
旅に出る余裕がないな・・・という方も、この静かな温泉旅のブログをご覧くださっているかと思います。
このページが、旅に出る余裕がない方々の参考や後押しになれば嬉しいです。(今の自分も似たような状態ですが。)
交通費のマイルール
基本的には、自分の1回当たりの温泉旅の予算はある程度決めています。
往復の交通費については、10,000円以内に収まるように組んでいます。まあ、その時点の自分のお財布の寂しさ加減とご相談、ですが。
ただ、行った先で少しだけローカル線やローカル路線バスについては、10,000円その中に含めないようにしています。計算がちょっと面倒になるので。
10,000円以内ということは、片道だと5,000円。この縛りって結構きつくて、例えば定価ベースで計算した場合、あまり遠くへは行けません。
例えば、東京駅から各地への新幹線に乗った場合、片道5,000円で出かけられるのは、
- 上越・北陸新幹線:高崎駅(群馬県)まで
- 東北新幹線:宇都宮駅(栃木県)まで
- 東海道新幹線:三島駅(静岡県)まで
このあたりです。新幹線は特急料金が高いのです。
新幹線ではない特急列車だったらもう少し特急券が安くなるので、
- JR特急「草津」:終点の長野原草津口駅(群馬県)まで
- JR特急「あずさ」:甲府の少し先、韮崎駅(山梨県)まで
- JR特急「踊り子」:伊豆急下田行きは伊東駅(静岡県)まで、修善寺行きは、終点の修善寺駅(静岡県)まで
- 東武特急「きぬ」:終点の鬼怒川温泉駅(栃木県)まで
あたりまで行くことができます。




工夫してみる
そう、定価で新幹線や特急列車に乗った場合は、長野県や新潟県へは行けなくなります。ただ、これはあくまで一番早い手段を使って、定価で行く場合の話。
そこで、交通費を削減するために、
- 割引きっぷを利用して、新幹線や特急列車に安く乗る。
- 普通列車や高速バス等、時間はかかっても安く行ける手段を利用する。
という方法を考えます。
割引を利用する
ここ「静かな温泉旅のブログ」は関東近郊の温泉を主に取り上げており、ここでもJR東日本で利用できる割引を紹介します。
一番割引率が高いのは、ネット予約で新幹線や特急列車が5%~40%安くなる「トクだ値」かと思います。
「トクだ値」は、JR東日本のネット予約サイト「えきねっと」経由で新幹線や特急列車を予約して、駅で紙のきっぷを受け取るサービスです。
えきねっと(JR東日本)|えきねっとトクだ値:えきねっと限定のおトクな割引きっぷ
「お先にトクだ値」というのもあり、出発日より13日以上前に申し込むと、さらに割引率が高くなってお得です。
「トクだ値」が予約できるのは、主に以下の列車です。
- 東北・北海道・山形・秋田新幹線。
- 上越・北陸新幹線。
- 首都圏発のJR東日本の特急列車(一部例外あり)。
- JR北海道の特急列車(一部例外あり)。
新幹線の場合「やまびこ」「あさま」「たにがわ」「なすの」のように、途中の駅が終点だったり、停車駅が多くて新幹線の中でも比較的遅い列車が安く予約できます。
ということで、首都圏から新幹線で温泉に行く場合は、トクだ値を活用して少しでも遠くに行くことになります。
安い手段を利用する
普通列車のグリーン車
新幹線や特急列車は特急料金がかかりますが、特急料金のかからない普通列車に乗って行けば、時間はかかりますが特急料金の分が浮きます。
まあ、普通列車に長時間乗るのは結構しんどいのですが、最近はグリーン車がある普通列車が増えてきました。
グリーン車なら快適ですし、グリーン料金はたいてい、特急料金より安いです。
グリーン車が走っているのは、主に以下の区間です。
- 群馬県方面:主に高崎駅まで。(一部の列車はその先の前橋駅まで)
- 栃木県方面:主に宇都宮駅まで。
- 静岡県方面:主に熱海駅まで。(一部の列車はその先の伊東駅、沼津駅まで)
あとは、この静かな温泉旅のブログへは登場しませんが、常磐線、横須賀線、房総方面にもグリーン車付きの普通列車が走っています。
高速バス
高速バスも便利です。温泉までまっすぐ向かうバスも多いですし、首都圏と地方都市とを結ぶバスはもっと多いです。
静かな温泉旅のブログで紹介している温泉にまっすぐ行く高速バスがあるのは、
- 群馬県:草津温泉、四万温泉、伊香保温泉
- 栃木県:那須温泉
- 山梨県:石和温泉、甲府湯村温泉
- 長野県:上諏訪温泉、下諏訪温泉、別所温泉
思いつくだけでも、こんなにあります。
高速バスのお値段は、基本的にはだいたい新幹線や特急列車の半額程度。
ただ、高速道路を走るので、道路が渋滞すると時間が多くかかってしまいます。
また、高速バスは首都圏から日本各地へと出発していますが、長距離・長時間の利用は結構体力を使うので、乗車時間はだいたい4時間以内を目安にしています。
とある湯治に関する本で、体への負担を考えて移動時間は3時間以内にしておくのが良い、と書かれていたのを見たことがあり。(本の名前は失念・・・)
それを参考にして、まあ、4時間以内かな、と。
なお、2020年の感染症流行の影響で、高速バスの運休・減便が相次いでいます。高速バスを利用する場合は、運行状況を確認しておきましょう。
往復10,000円でどこまで行ける?
それでは県別にみていきましょう。10,000円で、どこまで行ける?
長野県
南北に広い長野県。上田、長野方面へは北陸新幹線で、諏訪、松本方面へは中央本線の特急あずさで向かいます。
上田駅:「お先にトクだ値」か、高速バスで。
静かな温泉旅のブログでもたびたび書いていますが、上田駅は上田市内の別所温泉や鹿教湯温泉、少し先の千曲市にある戸倉上山田温泉の玄関口です。
北陸新幹線の定価は片道6,000円台なので、定価での往復だと予算オーバー。
ということで新幹線「あさま」の「お先にトクだ値」は片道で5,000円を下回るので、何とか10,000円で往復できます。
また、高速バスは片道3,000円台なので、それを利用する手もあります。
長野駅:基本的には高速バスで。
長野駅から長野電鉄に乗って、湯田中渋温泉郷などの温泉に向かうときに長野駅まで北陸新幹線を利用したりします。
東京から長野までの新幹線の定価は、片道約8,000円。先ほどの「お先にトクだ値」を利用しても5,000円を少し超えてしまいます。
ということで、高速バスの利用を検討。片道で2,000円台~4,000円台となるので、片方をバス、片方を新幹線にしても10,000円以内で収まることもあります。
上諏訪駅・下諏訪駅:「お先にトクだ値」で。
諏訪地方も温泉が多くて、上諏訪温泉、下諏訪温泉などの温泉があります。
特急あずさ号の定価は6,000円前後で予算オーバー。トクだ値は、早割タイプの「お先にトクだ値」であれば30%オフになり、片道5,000円以内に下がります。
通常の「トクだ値」は10%オフで、5,000円を少しだけ超えてしまいます。
高速バスだと片道3,000円そこそこで利用できます。
松本駅:「お先にトクだ値」で。
市内に浅間温泉、美ケ原温泉があり、あとは少し離れますが乗鞍高原温泉や白骨温泉なども松本市内です。
先ほどの上諏訪駅・下諏訪駅のさらに先になるので、特急あずさの定価の場合は予算オーバー。
というわけで、特急「あずさ」でこのページの条件を満たそうとする場合は、片道4,000円台で利用できる「お先にトクだ値」できっぷを買うことになります。
新宿から松本までを走る高速バスは片道3,000円台です。
群馬県
上越新幹線が県内を南北に通っています。また、県の西部、四万温泉、草津温泉方面には特急草津号も走っています。
渋川駅:基本的には予算内
伊香保温泉の最寄り駅です。新幹線の駅はないので、電車で行くなら以下の3パターンです。基本的には、どのプランでも予算内です。
- 新幹線で高崎駅まで、高崎駅から普通電車
- 普通電車のみ。高崎などで乗り換え。
- 特急草津号のみ。
1の新幹線を利用するプランは、新幹線を自由席にすれば、定価でも渋川駅までトータル5,000円以内で行くことができます。
ただ、高崎駅までは「トクだ値」があるので、それらを利用して安く高崎駅まで行った方が良いですね。
高崎駅からは普通のきっぷ、もしくはSuica等のICカードで普通列車に乗ります。
2の普通電車利用であれば、予算内であることはもちろん、さらに安くなります。
3の特急草津号は上野駅から出発し、まっすぐ渋川駅まで行ってくれます。
高速バス「上州湯めぐり号」などのバスもあり、さらに安く行くこともできます。
上毛高原駅:トクだ値で
上毛高原駅は上越新幹線の駅です。山の中のちいさな駅ですが、水上温泉郷や猿ヶ京温泉、老神温泉などに向かうバスが出ています。
新幹線は自由席でも5,000円を少し超えてしまうので「トクだ値」等で割引すれば予算内に収まります。
渋川までと同様に、高崎駅まで新幹線に乗り、高崎駅から先をJR上越線にする方法もあります。その場合に降りる駅は、行き先の温泉によって様々です。
- 老神温泉:沼田駅
- 猿ヶ京温泉:後閑駅
- 水上温泉:水上駅
その場合も「トクだ値」等で高崎までの新幹線を安くして、予算内に収めるようにします。
中之条駅・長野原草津口駅:草津号か、高速バス
草津温泉、四万温泉など、吾妻線沿いの温泉に行く場合も渋川駅と同じ3パターンです。中之条駅は四万温泉の、長野原草津口駅は草津温泉の最寄り駅です。
- 新幹線で高崎まで、高崎から普通電車
- 普通電車のみ。高崎などで乗り換え。
- 特急草津号のみ。
新幹線を利用する場合は定価だと予算オーバーになるので、トクだ値等を使って安くします。
普通電車のみでも良いのですが、結構長旅になるので、乗り鉄がお好きな方以外にはちょっとハードかもしれません。となると草津号でまっすぐ行くのが一番良さそう。
高速バスなら「上州湯めぐり号」や「四万温泉号」などがあり、いずれも電車より安く温泉までまっすぐ連れて行ってくれます。
山梨県
中央本線が東西に通っています。東京都のすぐ西にある県なので、予算内で収まるパターンが多いです。
甲府駅・石和温泉駅:予算内
首都圏から甲府へは、定価で特急に乗っても片道4,000円前後で予算内です。
もっと節約したい場合は高速バスという手もあります。
下部温泉:一応予算内
武田信玄の隠し湯、下部温泉に首都圏から行く場合、甲府で乗り換えてJR東海の特急「ふじかわ」に乗ることになります。
甲府まで特急かいじ号、甲府から特急ふじかわ号と、2つの特急を乗り継いでいくのですが、定価だと新宿~下部温泉は5,000円を若干オーバー。
そこで、かいじ号の分を「トクだ値」にして、ふじかわ号を自由席にすれば5,000以内で利用できます。
栃木県
那須・塩原方面へは東北新幹線を利用します。日光・鬼怒川方面は東武線が便利です。
那須塩原駅:普通列車でいいかも
その名の通り、那須温泉郷や塩原温泉郷の玄関口です。ここまでの行き方は主に3種類。
- 東北新幹線で直接
- 東北新幹線で宇都宮まで行き、宇都宮から普通電車に乗り換える
- 普通電車のみ。宇都宮などで乗り換え。
1(東北新幹線のみ)は定価だと予算オーバーになるので「トクだ値」で安くする必要があります。
2(東北新幹線+普通列車)は、宇都宮まで「トクだ値」を買い、宇都宮から普通のきっぷ、もしくはSuica等のICカードで乗ります。
ただ金額的には、1のプラン(東北新幹線のみ)とあまり変わりません。
3の普通電車利用でもいいのかな、と思っています。宇都宮駅で途中下車して、宇都宮餃子でもいただいてのんびりまいりましょう。
那須温泉へは高速バスが運行されています。
まっすぐ行くのであればバスが便利ですが、2020年以降、感染症の影響で大幅に本数が減っています。
東武日光駅・鬼怒川温泉駅:予算内
JRに比べると東武鉄道は乗車券も特急券も安いので、片道5,000円以内で利用できます。
JRの新宿駅から東武線の東武日光・鬼怒川温泉駅への特急もあり、こちらは少々お高くなりますが、それでも予算内ですし、「トクだ値」もあります。
鬼怒川温泉駅からさらに先、川治温泉や湯西川温泉に電車で行く場合も、片道5,000円以内で行けます。
新潟県
新潟県は、甲信越の3県のうち最も首都圏から遠いので、往復10,000円縛りが一番厳しい県ではあります。
越後湯沢駅:お先にトクだ値が必須
上越新幹線で行く場合は定価だと予算オーバーになります。ということで一番割引率の高い「お先にトクだ値」を取る必要があります。
「お先にトクだ値」は「とき」ではなく本数の少ない「たにがわ」限定なのですが、スキーシーズン以外は意外と取りやすい印象です。
高速バスもありますが、バス停が関越自動車道の湯沢インターチェンジ内にあり、越後湯沢駅からは徒歩20分以上と、少し離れています。
また、高速バスの運賃設定は乗る時期によって大きく幅があり、片道2,000円台から最大で6,000円となっています。
六日町駅・小出駅:たにがわ最安値&普通列車
六日町温泉(六日町駅)や湯之谷温泉郷(小出駅)の最寄り駅です。越後湯沢駅からJR上越線で向かいます。
先ほど書いた、たにがわ号の「お先にトクだ値」で越後湯沢駅まで行き、普通列車に乗り換えれば予算内で行けます。
途中、上越新幹線の浦佐駅があり、そちらの方が場所的には近いのですが、浦佐まで新幹線で5,000円以内で行くすべはありません。。。
高速バスも、ハイシーズンを除き予算内です。ただ高速バスは関越自動車道のインター内に停まるので、駅までは数キロ離れています。
長々と書いてしまいました
以上、何だか長文になってしまいました。。
もちろん、往復10,000円縛りというのを厳しくやっているわけではありません。例えば10,100円になったから予算オーバーで断念、とかそんな悲しいことは避けたく・・・
あくまで目安として、予算内で行けるのはこの辺までだから、この辺で宿を探そう、という風にやっています。
電車やバスの乗車券の計算は複雑で、調べて書くのに相当時間がかかってしまいましたが、もしこのページが何かの参考になれば嬉しいです。
本当に長くなってしまったので、今回はこの辺で!
さて、今度はどこへ行こうかな。