長野県、青木村にある沓掛温泉(くつかけおんせん)。
宿は2件、うち1件は「日本秘湯を守る会」の会員宿です。温泉までの交通機関は原則平日に走る村営バスのみ、という、なかなかハードルの高い温泉地でした。
しかも、大手予約サイトで「宿泊人数;1名」で検索してもヒットしない状態が続いていて、自分の中で沓掛温泉は欠けたパズルのピースのような状態になっており。
そう、同じ青木村の田沢温泉や、お隣の上田市の別所温泉、鹿教湯温泉などはひとりでも泊まれる宿があるので、数多く足を運んできたのです。
今回、その沓掛温泉に新しい宿がオープンし、ひとりでも泊まれるようでしたので、予約して行ってきました。
ということで、今回は沓掛温泉の宿の宿泊記録です。
ちなみに、秘湯を守る会の宿ではない方の宿です。
(2019年4月宿泊)
建物とお部屋
叶屋旅館の建物は、沓掛温泉の共同浴場「小倉の湯」のすぐお隣にあります。
古そうな2階建ての建物。もともと温泉旅館だったのですが閉館になり、今回新しいオーナーさんが宿を受け継いだそうです。
建物の古いところの良さはそのまま残しつつ、あちこち新しくなっていました。
お部屋
この宿は素泊まりの宿なので、チェックインしてすぐ料金を前払いします。そのまま階段を上がって2階のお部屋に案内されました。
お部屋はシンプルな和室で、洗面所、トイレ、冷蔵庫は共用です。ちなみにトイレはウォシュレットでした。
お布団はすでにお部屋に用意されています。敷くのはセルフで。
お部屋に用意されていたアメニティは歯ブラシと小さなタオル、くしと綿棒にコットン、髭剃り。浴衣やバスタオルは別料金になっています。
今回のお部屋は個室ですが、相部屋のお部屋もあるようです。
キッチンと談話室
2階の奥に和室の談話室、1階にテーブル席のあるキッチンがあり、湯沸かしポット、カップや急須、茶葉やティーバックなどが用意されています。
そのためか、お部屋にはお茶セットは用意されていませんでした。
また、1階のキッチンにはお皿やガスコンロ、電子レンジ等があり、持ち込んだ食べ物を調理できるようになっていました。(流しのお湯が温泉でした。)
宿までの途中で寄った道の駅で「おやき」を買っておいたので、キッチンの電子レンジで温めていただくことにしました。
また、1階にはちょっとした売店スペースがあって、カップラーメンやお菓子、お酒のおつまみ等が売られています。
沓掛温泉には商店がないので、現地でのお買い物は難しいです。宿までの途中で買い物を済ませてから、宿に向かった方が良さそうですね。
温泉とお風呂
1階の奥に大小2つのお風呂があります。
夕方~夜の間と、朝にそれぞれ1時間ずつ貸切で入浴できるルールで、チェックインの時に、入浴時間をあらかじめ予約できるようになっていました。
この2回以外でも、予約のない時間帯ならお風呂に入ることもできました。
お風呂は手前のお風呂が小さめで、奥のお風呂は大きめ。と言ってもどちらもこじんまりしていて、小さいほうが定員2名、大きい方が定員3名とのこと。
ドアに札がかかっていて「貸切中」にひっくり返して入ります。
かすかにタマゴの香りがする、ぬるくていいお湯。包まれているようで気持ちがいいです。よく見ると、ちいさな湯の花が。
宿の公式サイトより。https://www.kanouya-inn.com/hot_spa.html
源泉の温度は35度ほどとのこと、ぬるいお湯なので加温されています。
ただ、お客さんによっては加温しなくてもいい、という人もいるようで、その日に泊まっているお客さんの好みを聞いて、温度を調整されているようです。
また、深夜から早朝は加温されないので、寒い季節に限っては、深夜から早朝はお風呂に入れないことになっています。
もちろん寒い季節以外なら、加温されていないお風呂ですが、入ることは可能です。ぬるい温泉がお好きなら、加温されていないお湯を楽しめますね。
食事(素泊まり利用)
素泊まりの宿なので、宿では食事は出ません。ただ、宿のお隣に居酒屋「千楽」があり、そこで夕食をいただけるようになっています。
予約の際に夕食付プランで予約すると、この居酒屋さんで定食になるのですが、好きなものを選んで食べたいので素泊まりにして、居酒屋さんに行ってみました。
連休中だということもあったのでしょう、お店のカウンター席は叶屋旅館のお客さん向けの定食を準備するのに忙しそう。
そんな中、美味だれ焼鳥、季節の山菜天ぷら、あとは珍しい「うずら焼き」等々をいただいてきました。お酒は上田の地酒「福無量」。




アラカルトの方がいろいろ注文できてよいですね。肉ばかり注文してしまい、野菜類が少なくなって栄養面ではバランスが悪くなってしまいましたが。
個人的感想
セルフサービス、素泊まりの宿ということで、湯治宿に似ている感じがします。個人的には、こういう感じ結構好きです。
上の方に書きましたが、閉館になった温泉宿を、青木村に移住してきた今のオーナー夫妻が受け継いで始めた宿ということで。
高齢化とか人手不足とか、様々な問題はあると思いますが、あちこちで新しい方々が宿を継いでいくという動き、嬉しく思います。
経営が変わって宿が再開されたおかげで、自分の中では近くて遠かった沓掛温泉にこうして泊まることができたわけで・・・。
そう、旧「かなふや(叶屋)旅館」は、10数年前、まだ自分がひとり温泉旅を始めて間もないころに予約の電話をしたところ、泊まれなかったのを思い出したのでした。
なので、ちょっと感慨深いです。それで、何となく名前は憶えていたんですね。予約サイトで宿の名前を見て、あれ? と目を疑ったものです。
お値段は消費税込みで4,100円でした(入湯税150円は別途)。1名の素泊まり料金です。
なお、寒い季節は暖房費が追加になります。
アクセス
北陸新幹線・しなの鉄道線「上田」駅から、千曲バス「青木線」で終点「青木バスターミナル」下車。
青木から先、平日は青木村の村営バスがありますが、平日以外や、バスの走っていない時間帯であれば、宿の送迎も相談可能とのことです。
関連リンク
近くの宿の宿泊記録
この宿が出てくる旅行記
公式サイト
さて、今度はどこへ行こうかな。