群馬県沼田市にある老神温泉(おいがみおんせん)には、大小さまざまな10件あまりの宿があります。
旅館組合のウェブサイトによれば、宿によって、それぞれ使っている温泉(源泉)の種類が違うようです。
どの宿がどの源泉を使用しているかも公開されているのですが、今回お世話になった東秀館は他の宿と違う「老神1号泉」という源泉を使用されているそう。
老神温泉自体には何度か泊まったことがあるのですが、宿が変わると温泉の種類も変わる、というのが興味深く、楽しみに出かけました。
(2021年4月宿泊)
建物とお部屋
東秀館は明治時代に創業したという老舗で、老神温泉の温泉街からは少し離れた場所にあります。
老神温泉バス停でバスを降りて急な坂を下り、片品川にかかる細くて古い橋を渡っていきます。突き当りを右に曲がって少し歩いた先に、東秀館はありました。
宿の名前にある「穴原」というのは地名で、以前は「穴原温泉」という名前だったとのこと。川の向こうが老神温泉で、穴原にあるのは穴原温泉。
少し余談になりますが、以前は片品川の川岸に近いところにあったようです。下流でダムの工事をすることになり、今の小高いところに移転したとのことでした。
さて、東秀館の玄関前には広いお庭があり、花が咲いています。4月の下旬でしたが、まだ桜も少し咲いていました。
チェックインの時刻からは少し早かったものの、玄関で検温後、すぐに案内してくださいました。
階段を上って2階の部屋へ。
窓の外は中庭で、日当たりの良い8畳の和室。素泊まりプランだったからかも知れませんが、すでに布団が敷いてありました。
エアコンの暖房がかかっていて、暑かったのですぐ消しました。この日は暖かい日だったのです。
シャワー付きトイレ、洗面所、金庫、冷蔵庫と揃っています。
冷蔵庫が2つあるのが珍しいですね。いずれも中身は空っぽ。片方は温泉旅館によくある飲み物しか入らないタイプで、もう片方は普通の冷蔵庫でした。
温泉とお風呂
お風呂は1階にあります。内風呂が2つ、その先にそれぞれ露天風呂がありました。
内風呂は「大衆浴場」と「婦人浴場」という名前です。
大衆浴場
「大衆浴場」ののれんをくぐって脱衣所で服を脱いでお風呂へ入ると、岩風呂風のお風呂が3つ。順番に入ってみます。
それぞれ温度が異なり、熱めのお風呂が1つ、ややぬるめのお風呂が2つありました。
View this post on Instagram
源泉は1種類なので、それぞれのお風呂に注がれるお湯の量を調整することで、温度の違うお風呂にしているそうです。(源泉自体は約50度とのことです)
お客さんによってお風呂の温度の好みもいろいろなので、そのようにしています、と、後で宿の方からお聞きしました。
ぬるい方のお風呂は2か所あって、温度に差があるようなのですが、体感的にはそこまで違いは感じず、でした。
入ってみると、少しだけ硫黄泉の香りがします。よく見ると、白い消しゴムのかすのような湯の花がたくさん沈んでいました。
ここ東秀館の温泉は、自家源泉なのだそうです。
野天風呂「仙涯の湯」
そんな内風呂の先に扉があり、外に出られるようになっています。石でできた机といすがあり、その先に露天風呂がありました。こちらは「仙涯の湯」というそうです。
広々とした露天風呂。お風呂の脇に広い腰かけがあります。
この仙涯の湯ですが、男湯から抜けていく以外に入口が2か所ありました。そこから入る場合、どこで服を脱ぐのでしょうか、もしかしたら外で、かもしれません。
さて、じっくり浸かって上がります。肌がすべすべしたので、肌にいい温泉のようでした。
脱衣所を出てすぐの廊下に、本棚とウォーターサーバーがありました。水を飲んでから、面白そうな本を手に取ってみます。
その近くには、フットマッサージ器が並ぶベンチがありました。中庭を眺めつつ足をほぐしてから、本と一緒に部屋へと戻りました。
なお、婦人浴場の先にも露天風呂があるようです。こちらはバラの花が浮かぶ「バラ風呂」になっている模様。
食事(素泊まり利用)
東秀館はひとりでも宿泊できますが、予約サイト経由だと、ひとり泊のプランは素泊まりのみとなっていました。というわけで、今回宿の食事はつけていません。
(なお、宿の食事は、個室でいただけるようです。)
夕食は、外のお店で食べてくるか、食べ物を買って持ち込むか、になります。
温泉街で食事がとれる数少ないお店というと「ぎょうざの満洲」があります。また、日帰り温泉施設「花亭」でも食事ができるようです。
いずれも、東秀館からは歩いてすぐのところにあります。
また、宿のフロント脇に売店があり、カップラーメンやおつまみ等が売られていました。
なお、朝はロビーでコーヒーをいただくことができます。口当たりが柔らかいコーヒーでした。
個人的感想
老神温泉の宿に泊まるのは、ここ東秀館で4件目。
宿によって使っている源泉が異なるので、いろいろな宿に泊まってみたいという思いから、今回初めて東秀館に泊まってみました。
温泉街の中心から少し離れていることもあるのでしょうか、もしかしたら、あまり知られていないというか、穴場的な宿なのかもしれません。
宿の方と少しお話をした際に「うちは宣伝が苦手で・・・よくうちを見つけてくださいましたね」とお聞きしました。
もちろん、ここの温泉が好きになり、何度も通われる常連さんも多いようです。
確かに、静かなロケーションと、他の宿では入れない貴重な自家源泉。自分も同じく気に入ったのでした。
宿泊料金は6,700円(消費税10%、入湯税込み)でした。平日、1名、素泊まりです。
詳しい宿泊プランは、予約サイト等をご覧ください。
アクセス
JR上越新幹線「上毛高原」駅、JR上越線「沼田」駅から尾瀬方面に行く関越交通バスに乗車し「老神温泉」バス停下車、徒歩10分ほど。
バス停を降りたら坂を下って突き当りを右に曲がり、橋を渡ってその先をまた右に曲がります。
なお、このバスは「老神温泉」バス停を通らない便があります。さらに、冬は全ての便が「老神温泉」バス停を通りません。
「老神温泉」バス停に寄らないバスに乗った場合は「下街道」バス停で下車します。そこから先は、事前に宿に相談してお迎えをお願いしてください。
関連リンク
近くの宿の宿泊記録
この宿が出てくる旅行記
公式サイト
さて、今度はどこへ行こうかな。