あなたは、ぬるい温泉はお好きですか?
この静かな温泉旅のブログでは、毎年暑い季節になると、ぬるい温泉について書かれたページへのアクセスが増える傾向。
・・・ということはぬるい温泉に入りたい人もたくさんいるに違いない、と勝手に思っています。
そう、温泉は自然に湧いてくる(もしくは掘って汲み出してくる)ものなので、温度も温泉によって、まちまちです。
火傷してしまいような沸騰寸前の温度の温泉もあれば、水みたいに冷たい温泉もあります。
入る側の人間の方も同じで、熱いお湯が好きな人もいれば、ぬるいお湯が好きな人もいるでしょう。
自分は後者でして、じっくり入りたいので、ぬるいお湯派です。
そう、ぬるいお湯がいい。
ぬるいお湯の温泉は、長風呂ができます。
ぼけーっと湯船に浸かり、考え事をしたりとか・・・そういう時間の過ごし方がとても好きです。じっくり入ると体もよく温まるのです。
これが熱いお風呂だと、そうもいきません。
足を突っ込んでアチチ、恐る恐る入って、ふーっ気持ちいいなぁというのを数分味わって、熱いからもう上がるか、となるわけで。
あまりに熱いお湯は、湯船のそばに水道の蛇口とホースがあって、水を加えてぬるくできるのですが、それに頼りすぎると、お風呂に入っている他の人に怒られたりします。
特に共同浴場とかは、そうなりがち。
まあ、怒られる理由のひとつが、温泉の成分が薄められてしまうから、というのもあると思いますので、そこはまあ、理解できます。でも熱いと。
ぬる湯は湯治場に多い。
湯治というのは、長期間温泉に入って体調を整えていきます。
それもあってか、長く温泉に入れる(温泉の成分を長く吸収できる)ぬるい温泉が湧く場所は、湯治場に多い気がします。
そんな湯治場の温泉に入ると、皆さん静かにお風呂に浸かっていらして、中にはお風呂に浸かりながら本を読んでいる人がいたりします。
これ、やってみると結構読めるので、いいものです。
いいなぁ、と思っていると、横からイビキが聞こえてくることも。そう、気持ちよくて寝てしまう人もいるわけです。
山梨県の、ぬるいお湯
・・・長くなってしまいそうなので、今回はぬる湯の多い山梨県のぬるいお湯を紹介していきたいと思います。
下部温泉(身延町)
個人的に一番好きな、ぬる湯の温泉です。この静かな温泉旅のブログでもやたらと紹介しています。
戦国武将「武田信玄」が入ったという「信玄の隠し湯」のうち、最も有名な隠し湯かも知れません。
武田信玄の頃から湧いている温泉は30℃ほどで、プールかと思うほど冷たい温度。
一方で、平成の時代になって新しく掘られた源泉は約50℃だそうです。下部温泉には、昔の源泉に入れる宿と、新しい源泉に入れる宿とがあります。
ぬる湯を目指して泊まった宿が、普通の温度の温泉だった、ということもあります。念のため。
ただ、新源泉もいいお湯です。
さて、話を昔からの温泉に戻して・・・
昔からの源泉に入れる宿のお風呂場に行くと、湯気が湧いていません。
たいてい、ぬるい源泉の湯船の横に、沸かし湯の湯船がありまして、ぬるい湯船と沸かし湯の湯船とに交互に入るのが、体にいい入り方らしいです。
ただ、寒い季節は、たいてい、皆さん沸かし湯にしか入っていませんね。。。
この冷たいお風呂に長く入っていると、皮膚が呼吸をし始めるのでしょうか、気泡が体にびっしりついてきます。
傷にもいいようで、ちょっとした切り傷が一晩でかなり良くなったことも。
そんなぬるいお風呂でも、上がったころには体がじんわりします。ぬるいのにしっかり、体が温まっているのですね。
まあ、下部温泉の冬は寒いので、そんな季節は上がる前にしっかり沸かし湯に入って、体を温めたほうがいいですね。
年末に下部温泉に行って、帰ってから風邪を引いたことがあります。因果関係は不明ですが・・・
岩下温泉(山梨市)
山梨県はぬる湯が多い県です。
「甲州最古の温泉」こと岩下温泉も、下部温泉以上に温度が冷たくなっています。
一軒宿の「岩下温泉旅館」があるのですが、旅館の「新館」と、日帰り温泉施設の「旧館」とがあり、冷たい温泉に入れるのは、旧館のほうです。
雰囲気のある旧館の建物に入ると、入って右側に冷たい源泉のみのお風呂があり、左側、脱衣所の向こうに沸かし湯と源泉のお風呂が並んでいるお風呂もあります。
増富温泉(北杜市)
こちらも「信玄の隠し湯」でして、別名「増富ラジウム温泉」といいます。
温泉に天然の放射能が含まれていて、体に効くのだといいます。効能があるのでしょう、湯治をされるシニア層の方々が多い温泉地です。
とにかく温度が冷たいので、こちらも沸かし湯が併設されています。
日の出温泉(笛吹市)
有名な石和温泉から、JR中央本線の線路を挟んで反対側にある1件宿です。
これまで紹介してきたぬる湯の温泉よりは熱め(36℃ですが)なので、人肌くらいの温度なので、気持ちよくゆっくり入っていられます。
入ってみると冷たいとも熱いとも感じず、何か包まれているような感じがします。
日帰りではなく、ゆっくり泊まって長風呂したいところですね。
さて、今度はどこのぬる湯へ行こうかな。