温泉好きのお湯

関東近郊を巡る、静かな温泉旅。今度はどこへ行こうかな。

廃業した温泉宿 その後(12年が流れて)

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先日、12年ぶりに群馬県は伊香保温泉に行ってきました。 

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伊香保温泉に訪れる人は今も多いです。

また、以前は今以上に賑わっていたと思われる温泉地の一つでもあります。

そういう意味では、以前に比べて寂れたところもあるわけです。

そういった温泉街へ足を運んでみると、営業をやめてしまった温泉宿やお店も多いのですが、自分が伊香保温泉に行っていなかった12年の間にも変化はあったはず。

ということで、12年前に見た伊香保は今どうなっているのかな? を引用しつつまとめてみました。

12年前に泊まった「伊香保観光ホテル」

自分が12年前に伊香保温泉に行ったときは「伊香保観光ホテル」という宿に泊まったのでした。 

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自分が泊まったのは2006年のことですが、その後すぐ2007年ごろに廃業したらしく、今は泊まることができません。

ただ、その洋館風の建物が歴史的に価値があるものだったようで、建物自体は国指定文化財に指定されて、今も取り壊されずに残っています。

国指定文化財等データベース:詳細解説

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↑伊香保観光ホテルのパンフレットより

ただ、この建物は何かの目的で利用されているわけではなく、そのまま使われずにそこに建っている、という状況のようです。

「寂れた温泉街にある廃墟」としても有名になっているらしく、そういったホームページやブログに載っていることも多いです。

そこから、我が静かな温泉旅のブログの、伊香保観光ホテルのページへリンクされていることも。

ホテル跡を眺める(2018年夏)

・・・ということで、今の伊香保観光ホテル跡を見てきました。

自分の記憶によれば、伊香保観光ホテルは木々に囲まれた中に静かに立っていて、もともと場所的に見つけにくいところにあるはずです。

伊香保観光ホテルへの道は2か所あって、その片方が、伊香保バスターミナルに向かって登っていく道を途中で曲がり、林の中に入っていったような。

ということで、伊香保バスターミナルへ向かうバスの車窓を眺めていると、今も道の入口に看板が残っているのを見つけました。

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バスを降りて、看板があるところへ歩いて戻ってみます。

ただ、肝心の道が既になくなっていて、進むことができませんでした。

もう1つの伊香保観光ホテルへの道を思い出します。

坂を下りたところにある別のバス停から細い道を上がっていくと、伊香保観光ホテルに行けた記憶があります。

急な坂を上っていき、他の宿の社員寮と思われるアパートを横目に、伊香保観光ホテルの入口跡に着きました。

あいにくの立ち入り禁止。入れず。

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外から見上げると、木漏れ日の向こうに建物が見えます。

特徴的な塔がかすかに見えますね。

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横には大広間が見えます。

そう、ここは大広間で、ここで食事をいただいたのでした。

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2006年当時の大広間の中の写真が残っています。

窓の形で分かるでしょう?

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まさか廃業してしまうとは思っていなかったので、当時は写真を撮ろうということもさほど考えていませんでした。今となっては後悔です。

ホテル跡を眺める(2019年冬)

また伊香保温泉に足を運ぶ機会があったので、もう一度伊香保観光ホテル跡を見に行ってみました。

やはり木の葉が散ってしまった後の季節は、看板もよく見えます。

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道路から入れる道はもう自然に戻りつつあるようです。

半年前と同じく、坂を下りて迂回して、今もある道を麓から歩いてみました。

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夏場にはほとんど木々の後ろに隠れていた建物も、寒い季節はその姿を割としっかり見せてくれます。

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アーチ状になっている窓が並ぶ大広間もよく見えます。

こうしてみると壁はまだ割ときれいなようにも見えますね。

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・・・と、伊香保観光ホテルの建物がまだ残っていることを確認して、温泉街へと降りて行ったのでした。

日帰り入浴した宿2件

「伊香保観光ホテル」のお湯は平成になって開発された「白金の湯」でした。

12年前は温泉には詳しくなかったものの、昔からの伊香保の温泉「黄金の湯」に入ってみたいと思い、石段街に出て他の宿の日帰り入浴で黄金の湯に入ったのでした。

1泊2日の旅でしたが、初日と2日目の両方で、日帰り入浴をしていました。

村松旅館

初日は「村松旅館」へ。 

石段街添いの旅館で「日帰り入浴可」と書かれた看板を見つけて、立ち寄り湯をしました。 初めて入る黄金の湯はぬるっとしていて、お風呂場で豪快に転んでしまいました。その拍子にタオルにも温泉がかかり、白いタオルが茶色くなりました。 黄金の湯はぬるめで、色も濁っていて、口に含むと錆びた鉄の味がしてまずく、温泉らしさを感じて満足しました。窓の向こうは上州の山々。

12年ぶりに伊香保温泉へ行こうと思う - 温泉好きのお湯

ここ村松旅館も今は廃業しています。

廃業した時期は分かりませんでした。石段街沿いにある、いい立地の宿なのですが。

2006年当時の写真が残っていないのですが、幸い宿のパンフレットをもらっていました。

創業明治10年ということで、かなりの老舗だったのですね。

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立地がいいので、何らかの形で復活することもあるのでは? なんて勝手に思っていたところ、村松旅館の建物はそのままに、いちごミルクのお店ができていました。

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ホテル紅葉

2日目は「ホテル紅葉」へ。

次の日、宿をチェックアウトしてからまた石段街へと歩いていき、もう1件、他の宿で黄金の湯に入りました。 受付のおばちゃんが「お兄ちゃんイケメンだねぇ」と繰り返し言ってきます。 もちろんそんなことはなく、その前にも後にも、このおばちゃんにしかイケメンと言われたことはございません。実話です。

12年ぶりに伊香保温泉へ行こうと思う - 温泉好きのお湯

ここも廃業になった時期は不明です。

廃業後は以下の写真のように閉まっていましたが、2020年秋に火災で全焼、その後2021年の冬に取り壊されたそう。

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これまた2006年当時の写真が残っていないので、当時いただいた宿のパンフレットを載せておきます。

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温泉街には多くの人が

・・・と、廃業してしまった宿のことばかり書いてきましたが、12年前も今も、伊香保温泉の石段街は多くの人でにぎわっていました。

12年前に行ったお店も健在だったのを確認できましたし、石段街沿いの宿の多くは今も営業しています。

また、石段街から横道に入ると寂れた温泉街の風景が広がります。

これも、12年前と今とでさほど変わらない。

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正直なところ、自分が泊まったり日帰り入浴した宿がみんな廃業してしまっていた、というのは初めての経験でした。

偶然か、12年というブランクの長さか。

それとも、伊香保温泉の宿が廃業した件数が、他の温泉地より多いのか。

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それでも、12年前と変わらず石段街は賑わっていましたし、温泉街の路地裏に残る、昭和時代のたたずまいも変わらずで、それはそれで、安心しました。

まあ、基本的には、ガラッと変わったわけではなかったようです。

3件の宿の廃業を知って、どこまで寂れたんだろうと、心配しつつ伊香保に入ったのですが。

そんなこんなで

普段は、こういう多くの人が来る温泉街へはあまり行かない自分です。

ひとりなので居場所がなかったり、ひとり客を受け入れてくれる宿がそう多くなかったりするので。

でも、普段から温泉に行かない人にとっては、伊香保温泉のような温泉が、温泉に行ったり、温泉が好きになるきっかけになるのかも知れないですね。

有名で、歴史があって、賑わいと寂しさが隣り合わせの温泉街があるところに行くことが、何かこう「温泉旅行に来ているぞ感」があるのかな、なんて想像するのですが。

(いかがでしょう? 自分の勝手な思い込みなのかもしれません。)

12年前に自分が伊香保温泉に行ったきっかけも「伊香保温泉は温泉街が有名だけど、行ったことがなかったので」だったのを思い出しました。

それ以降、有名どころというよりは、人の多くない温泉にばかり行くようになってしまったのですが。

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さて、今度はどこへ行こうかな。