温泉好きのお湯

関東近郊を巡る、静かな温泉旅。今度はどこへ行こうかな。

「温泉好き」ではなかった、あの頃

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こんなブログをやっているくらいなので、驚かれるかもしれませんが、

静かな温泉旅を始める前は、あまり温泉に興味がない人でした。

今から20年以上前からずっとひとり旅をしていて、最初の10年くらいの間は、温泉と無縁の旅ばかりをしていました。

何故に温泉に興味がなかったんだろう、昔の旅の記録などを見つつ、思い出してみました。

温泉スルーの旅

10代の頃から、日本のあちこちをひとりで旅していました。

若い頃は、お金はなくても時間はあります。

飛行機だって、20代半ばまでは「スカイメイト」(当日空席があれば割引運賃で利用可能)が利用できます。

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また、当時は夜行バスでの長距離移動もあまり苦になりませんでした。

ここ10年ほどは関東甲信越をメインにめぐっている自分も、その前は北海道から沖縄まで、津々浦々巡っていたわけです。

そうして出かけた先には、たいてい温泉があり。

が、当時のワタクシ、これが何故だかちっとも温泉に興味がなく・・・温泉があっても、入ることはほどんどなかったんですね。

我ながら呆れる理由なのですが、

「1日1回のお風呂以外で、わざわざ服を脱いでお風呂に入り、上がってから着て、をする」

というのが面倒だな、と思っていたのです。

自分が初めて2泊以上したひとり旅は、18歳の時の四国旅行だったのですが、その旅も温泉とは無縁でした。

新幹線とJR四国の特急列車とを乗り継いで、高松~高知~松山~高松と巡る3泊の旅。

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泊まったのは、地方都市のビジネスホテル。そもそも当時、温泉宿にひとりで泊まれるのを知らない18歳だったのです。

もちろん四国にも温泉があります。中でも松山市にある道後温泉は特に有名でしょう。興味のなかった自分もさすがにその名前は知っていました。

道後温泉までは、松山の中心部から路面電車で出かけられるのでアクセスも便利。

行ってみようかなと思ったのですが、それよりも、市内を走るローカル線に乗ってみよう、という乗り鉄マインドが勝って、行かずでした。

当時は鉄道に乗ることにばかり燃えていたのです。

夜行と温泉

それでも、旅先の温泉に全く見向きもしなかったわけではありません。

夜行バスや、今はもうほとんどない夜行列車に乗っての旅も多かったのですが、夜行に乗る前や、乗った後には温泉に入っていました。

夜行バスで迎えた旅先の朝は、眠くて、汗もかいていて・・・一気に洗い流したくなるもの。

それで、バスを降りて、近くにある地元の日帰り温泉施設でよく朝風呂をしていました。

例えば、山陰の小京都「津和野」とか、みちのくの小京都「角館」とか。当時はいわゆる「小京都」と呼ばれる町へ夜行バスで出かけていました。

そういった町にも、探してみれば日帰り温泉が見つかることがあり、何度か利用したのを覚えています。

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夜行バスで出かけた、朝の角館。観光客もまだ来ていません。

逆に、夜行で帰るときに、乗る前にひと風呂入っておく、とこともありました。さっぱりして、その後すぐに眠ればいいのです。

今はもうない「あけぼの」という夜行列車があります。東京の上野駅と青森とを結ぶ列車で、日本海側を走っていました。

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寝台特急「あけぼの」には、狭いながらも個室がありました。

山形県の日本海側にある町、酒田と鶴岡とを観光して、鶴岡駅から上野行きの「あけぼの」に乗って帰ってきたことがあります。

「あけぼの」が鶴岡駅に来るのは23時前と、かなりの深夜。

時間があるので、バスに乗って、海のそばの「湯の浜温泉」へと向かい、古びた共同浴場でお風呂に入って帰ってきたのでした。

お風呂でさっぱりしてから夜行列車に乗って、浴衣に着替えて横になる。そのまま眠ればよかったのです。

そんな風に、当時は「体を洗うために」温泉に入っていたわけです。

脇役時代

単に体を洗うだけではなく、温泉自体を目的にすることも少しずつ増えてきました。

ただ、温泉が旅のメインの目的、というわけではなく、まだまだ脇役だったのですが。

20代の半ば、夏休みを取って九州を旅したことがあります。

飛行機で福岡入りして、高速バスで大分県の有名な温泉地、湯布院へと向かいました。この時も温泉というより、湯布院の街並みを見たかったのです。

どこかの施設で日帰り入浴をしているのですが、覚えているのは町並みと、その時に知人から電話がかかってきたこと。。

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今の九州であれば、2020年の特別な事情はさておき、海外からのインバウンド客が多そうです。

そういうインバウンドの方が少なかった時期なので、静かに湯布院の温泉を楽しめる時期だったはず、と思うと、もったいないことをしたな、と。

また、この頃、岩手県の「花巻」が好きで何度も出かけていました。

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作家「宮沢賢治」の故郷で、豊かな自然の中に、賢治にまつわる観光スポットが点在しています。 

何度も花巻へ訪れるうちに、有名なところはある程度見て回ることができました。

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とある年の6月、また花巻に行こうと決めた時、花巻の温泉には入ったことがない、ということに気づき。

そう、花巻にも、温泉があります。

以前花巻に行った際、地元の方から「台温泉」という温泉がおすすめだと聞き、行ってみることにしたのでした。

台温泉は、JR花巻駅から少し離れていて、バスで向かう必要があります。

夜行バスで花巻入りした朝、バスで台温泉まで行って、朝風呂に入ってきました。

ただ、その頃も温泉そのものに関心がなかったので、熱かったな、という記憶しかなく。。

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そして「静かな温泉旅」へ

という風に、自分のひとり旅は、乗り鉄だったり、町並みだったり・・・というのが主な目的だったのです。

そんな中、とある年に山形県の「銀山温泉」へと出かけています。

これまた「温泉に入る」というより、テレビで見たあのレトロ調の温泉街を生で見てみたくなったのでした。あくまで、町並みへの関心です。

銀山温泉の最寄り駅は、山形新幹線も止まる、大石田駅。ここからバスで向かいます。

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その名の通り、銀山温泉には、かつて銀山がありました。

温泉街の奥にある旧銀山の坑道を歩いてから、今はもうない共同浴場「かじか湯」に入って、バスで大石田に戻ったのでした。

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そうして徐々に「町つながり」で、歴史ある町にある温泉や、歴史のある温泉街に興味を持ち始めたわけです。

人生初の温泉宿ひとり泊は、長野県の「高遠温泉」という、温泉地としてはあまり知られていないところでした。

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それは、桜で有名な城下町「高遠」に行くというのがテーマだったのです。

かつて高遠には温泉はなかったのですが、平成時代になって新しい温泉が掘られたのです。それで、高遠に泊まるなら温泉宿がいいな、というわけで。

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温泉宿にひとりで泊まれるのを知ってからも、最初は温泉そのものより、温泉がある町の雰囲気重視で、宿を選んでいました。

高遠に泊まったその年には、群馬県の有名な伊香保温泉と、山形県の湯治場、肘折温泉にも泊まっています。

伊香保温泉は、16世紀からの歴史のある温泉。当時から続くという「石段街」が知られています。

この時は、建物が文化財だという宿を予約して泊まりました。(その宿も、もう廃業してしまいましたが)

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観光客でごった返す有名観光地をひとり歩く、というのは少々寂しかったものの、温泉が石段を下って宿に配られる、という温泉の歴史を見られたのは良かったです。

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肘折温泉は、山深いところに突如現れる渋い湯治場です。

朝になると、道沿いに地元のおばあちゃんたちがやってきて、朝市をやっていました。

見たこともないキノコや食べ物が売られていて、おばあちゃん達の方言の言葉が分かったり分からなかったり、やり取りしつつ買い物をしたのでした。

それから10年以上たった今も、山奥の一軒宿みたいなところや、比較的新しい温泉地よりは、古くから続いている温泉街がある温泉地の方が好みです。

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というわけで

2020年はなかなか静かな温泉旅に出かけられないので、過去の旅を振り返ってみたのですが、そもそも若い頃は温泉への興味がなかったのでした。

人が興味を持つ対象は、どんどん変わったり、新しいものが追加されたり。それが面白いんでしょうね。

正直なところ、年を取って、興味の幅が狭くなってきた感じもあるのですが、食わず嫌いはもったいないな、とちょっと思った次第です。

あとは、記録って大切ですね。

こうしてブログを書きつつ、当時の写真等を探して載せているのですが、若い頃のひとり旅では、写真もあまり撮っておらず。

旅行ってやっぱり非日常で、出かけたころを忘れてしまうのはもったいない。

いつ静かな温泉旅を再開できるかはまだ分からないものの、今後の旅も記録に残しておかないとな、とも思ったわけです。

だからこうして、静かな温泉旅のブログをやっているのですけど。

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さて、今度はどこへ行こうかな。