群馬県の伊香保温泉。長い歴史を持つ群馬県内有数の温泉地で、全国的にも名の知られた温泉地でしょう。
そんな伊香保温泉に、12年ぶりに行ってみることにしました。そもそもどうして、12年もご無沙汰していたのでしょう?
12年のブランク
そう、近くの四万温泉や草津温泉にはその12年の間何度か足を運んでいたのに、伊香保温泉へは全く行っていなかったのです。
宿が条件に合わなかった
その理由はシンプルでして、自分の条件に合う宿があまりなかったから、です。
もちろん全くなかったわけではないのですが、自分の宿選びのポイントから外れていたので、これまで縁がありませんでした。
そんな自分の条件(宿選びのポイント)ですが、、
- 土曜日に1名で宿泊できる。
- 宿の規模は小さめ~中規模。
- 宿泊料金は1泊2食付き10,000円程度。
- 伊香保温泉の「黄金の湯(こがねのゆ)」に入れる。
最後のひとつだけが、伊香保温泉スペシャルな条件です。これは後で詳しく書きます。
伊香保温泉は知っている人も多く、観光客も多く訪れる温泉地なので、
- 土曜日に1名で宿泊できる。→伊香保温泉でひとり泊できる宿は基本、平日のみOKの場合が多い。
- 宿の規模は小さめ~中規模でいい。→伊香保温泉は大きな温泉街と、大きな温泉ホテルが多く建っている。
- 宿泊料金は1泊2食付き10,000円程度。→有名な温泉地は、宿泊料金が高くなる傾向にある。
というわけで、自分の条件からは外れてしまうのでした。
これらの条件を満たす宿、要は「土日にひとりで泊まれて、そこそこの規模の安い宿」もあるにはあるのですが、
- 伊香保温泉の「黄金の湯」に入れる。→宿の温泉が「白銀の湯(しろがねのゆ)」。
ということが多くて、やっぱり自分の条件には合わず、なのでした。
もちろん、合う宿が全くないわけではなかったのですが、あとは自分のテンションとか気分の問題で、近くの他の温泉で良さそうな宿があれば、そっちを予約していました。
そうこうしているうちに12年が経過していったわけです。
そこで条件を変えてみた
今回、夏休みということもあり平日に休みが取れました。
普段は「休前日、1名、伊香保温泉」を検索条件にしても宿情報はあまり出てきませんが「平日、1名、伊香保温泉」にすると、そこそこの数の宿情報が。
ということで、土日はひとり泊できない宿の「平日プラン」で泊まることにしたわけです。平日料金なので格安です。もちろん、その宿は黄金の湯に入れる宿でした。
黄金の湯と白銀の湯
さて、伊香保温泉には、2種類の源泉があります。黄金の湯と、白銀の湯。
黄金の湯は伊香保温泉が開湯されてから湧き続ける、歴史のある温泉です。その名の通り黄色く濁っていて、口に含むと鉄の錆びた味がします。
黄金の湯は温泉街の上の方で湧いているのですが、それが有名な伊香保温泉の石段街に沿って降りていくとともに、それぞれの宿のお風呂に運ばれていっているわけです。
一方、白銀の湯は平成になって導入された温泉です。白銀、と言いつつ、無色透明の温泉です。
正直なところ、温泉としての魅力は、色、味に特徴がある黄金の湯の方がある気がします。白銀の湯は、そこまで温泉の成分に特徴があるわけではなさそうで。
黄金の湯は石段街を通って宿に配られているので、石段街に近く歴史のある宿では黄金の湯に入れることが多いです。
石段街から少し離れている宿は、白銀の湯を引いていることが多いです。
今回予約した宿は、石段街に沿って建っている宿でした。
12年前の伊香保温泉旅
白銀の湯の宿
12年前に泊まった宿は、石段街からは離れていました。
12年前というと、自分がひとり温泉旅を始めたころのことです。「有名な温泉にもひとりで泊まってみよう」と思い、伊香保温泉の温泉宿を予約しました。
伊香保温泉のお湯は黄金の湯、と何かの本で読んだので、特徴のありそうな温泉に入れると、楽しみにして行ったのです。
くしくも、今回と同じ8月でした。
高速バス「上州湯めぐり号」で伊香保温泉に着き、予約していた宿にチェックインします。宿の建物が文化財に登録されていて、洋館風の外観でした。
そんな風に、建物は古びていて自分好みだったのですが、温泉は白銀の湯でした。
当時はそこまでネット情報が多くなかったのもあり、その宿が白銀の湯だとは知らずに行ったのと、そもそも伊香保に黄金の湯以外の温泉があると知らなかったのです。
黄金の湯に入る
そこで、宿のお部屋に荷物を置いて、黄金の湯に入りに行くことにしました。石段街添いの旅館で「日帰り入浴可」と書かれた看板を見つけて、立ち寄り湯をしました。
初めて入る黄金の湯はぬるっとしていて、お風呂場で豪快に転んでしまいました。その拍子にタオルにも温泉がかかり、白いタオルが茶色くなりました。
黄金の湯はぬるめで、色も濁っていて、口に含むと錆びた鉄の味がしてまずく、温泉らしさを感じて満足しました。窓の向こうは上州の山々。
夜は夜で、もう一度石段街に出かけてみました。
射的の店などもあって多くの観光客でにぎわう石段街でしたが、ひとりでふらついている人が他におらず、少々寂しくなって宿に戻ったのでした。
次の日、宿をチェックアウトしてからまた石段街へと歩いていき、もう1件、他の宿で黄金の湯に入りました。
受付のおばちゃんが「お兄ちゃんイケメンだねぇ」と繰り返し言ってきます。
もちろんそんなことはなく、その前にも後にも、このおばちゃんにしかイケメンと言われたことはございません。実話です。
12年が経った
そうして、いつかは黄金の湯に入れる宿にひとり泊したいと思いつつ、12年が経ってしまったのでした。
ネットで調べると、12年前に自分が泊まった古い宿も、初日に立ち寄った黄金の湯の宿も、2日目に立ち寄った黄金の湯の宿も、みんな廃業してしまったようです。
12年が経ったとはいえ、そんなに廃業してしまっているとは・・・
昭和時代ににぎわって大きくなった温泉街は、今苦しい状況に置かれていることが多いのですが、伊香保温泉も同じく、厳しい状況にあるのでしょうか?
廃業した宿を見るのもちょっと気持ち的に落ち込みますが、12年経って伊香保の温泉街がどう変わっていったのかも、確認してみたいと思っています。
さて、そんなこんなで今度は伊香保に行ってきます。