このブログでは、自分の好きな「静かな温泉旅」のことを綴っています。
たいていは、ひとり電車やバスに乗って、自宅のある首都圏から200キロそこそこ離れたところの温泉に行って、温泉宿でのんびりして帰ってくる。
そんな風に、いたってシンプルな「静かな温泉旅」。
人によっては「それって楽しいの?」と思われることもあるでしょうし、そのささやかな楽しみにうなずいてくださる方もいるかと思いますが、
ここでは、自分なりの「静かな温泉旅」の、静かな楽しみについて、つらつらと書いてみようかな、と。
ページのタイトルをハッシュタグっぽくしたのは、単にそれっぽくしたかっただけで、深い意味はないのです。。
移動も楽しい
温泉旅にはまる前、もともと子供のころから鉄道好きだったので、乗り物に乗って移動するのも楽しみのひとつです。
まずは、地方都市へ
自宅を出て、都会のターミナルまで向かい、そこから地方の町を、新幹線や特急列車、時には高速バスで、一気に目指します。
窓の外、ビルばかりだった景色が徐々に流れていくにつれ、ビルが家になり、そうして緑が増えていき。
都会を脱出したかな、と思っていると、また少しずつ家が増えてきて、地方の町に到着です。
こういう都会と地方の町とを結ぶ電車やバスって、利用客が多いからなのか、車両だったりサービスだったり、こまめにアップデートされています。
前回の乗車の時からわずかな変化を見つけて、体験できるのが密かに楽しいところ。
次に、ローカル移動
そんな地方のちょっと大きな駅から、今夜泊まりに行く温泉までは、ローカル線やローカル路線バスで向かうケースがほとんど。
今度はスムーズで快適な移動というより、のんびり楽しむ移動になります。
ローカル線の駅に行くと、ICカードに慣れた今となっては懐かしい、お金を入れて紙のきっぷを買うことがまだ多いです。そうして、人のいる改札口を通り抜けて。
ホームに出ると、かつて都会で走っていた電車が、地方で余生を過ごしているのに久しぶりに会えたりします。
バスもそう。乗り込んで整理券を取ってから、降りる時は両替機で千円札を小銭にして、数えて料金箱へ。
ICカードでピピッがまだあまり普及していないことも多い、地方のバスです。
電車もバスも、走り出すと時にはミシミシ音を立てながら、さほどスピードも出さずにゆっくり走ります。
途中の無人駅やバス停にこまめに止まり、地元のお年寄りや学生さんが乗り降りしつつ、温泉へ。
歩くのも楽しい
そんなローカル線やローカル路線バスは、本数も少なめ。
やって来るまでのんびり待つのもいいのですが、ただ待つだけというならばいっそ歩いちゃえ、ということで、えっさかほいさと、歩くことも。
電車やバスもゆっくり走りますが、それ以上に歩くのはゆっくり。景色とじっくり向き合えるので、いろいろ見えてくる気がします。
シャッターチャンスも多し。カメラの出番。
資料館、美術館も
そんな風に歩きつつ、あちこちに寄り道もしたりします。
メインの行き先は温泉宿なので、あくまでついで的にはなってしまうのですが、資料館や美術館にも、時間があれば立ち寄っています。
展示からその地域の歴史を眺めてみると、10代の頃に勉強した日本史の教科書の片隅に載っていたキーワードが出てきたりして、そこと繋がるのがちょっと嬉しい。
美術館で好きなのは、地元にゆかりのある画家が描いた、風景画。
その地域の風景が人の手によって切り取られて絵になっている。美術館を出れば本物の風景を自分で見ることもでき、頭の中で比べたりしています。
寺社めぐりも
また、旅先のあちこちには、大小さまざまな神社やお寺があります。ふと見つけては立ち寄って、ちょっとお参りを。
旅先では。静かな温泉旅のブログの繁栄を祈ります。
御朱印帳を持ち歩いているので、時々御朱印をいただいたりも。
お寺は仏様、神社は神様をお祀りしています。
お寺のしんとしたたたずまいや、お庭が好きです。きれいに手入れされていて、庭だけで小さな世界を作っていたり。
神社は、空気が引き締まった感じがします。パワースポット、という言葉はあまり好きではないのですが、パワーを得られるというのも、何となく分かる気が。
食事も楽しい
もちろん、旅の楽しみに「食事」は欠かせません。せっかく遠くまで来たのだから、観光客気分でご当地グルメをいただきたいところ。
そんなご当地グルメをいただけるのは、実はランチが一番かも知れません。
宿泊した宿で出る夕食や朝食は、多少は地元の食材や珍しいおかずが出てくるものの、どこの宿でも割と統一感が出てしまいがちです。
そば率が高め
さて、静かな温泉旅でのお昼は、何だかんだでそば屋さんに入るのが多いです。
自分が静かな温泉旅で出かけるところと言えば、北関東や甲信越になるのですが、
長野県であれば信州そば、新潟県だったら「へぎそば」、栃木県には「日光そば街道」があったりします。
うどんの多い「うどん県」と言える群馬県でも、冷たいそばと一緒に舞茸天ぷらをいただきたいので、そばになる傾向が多い。
山梨県の麺と言えば「ほうとう」が有名ですが、ご当地グルメ「甲州鳥もつ煮」は、そば屋さんが発祥です。
日本酒か、日本ワインか
せっかく旅に出たので、普段はちょっと我慢しているお酒も飲んでみようと思います。
ビールにワインにウイスキー、お酒にもいろいろありますが、旅先ではその土地の地酒をいただきたいですね。
とはいえ、日本酒はそんなに多く飲めない自分です。なので、お昼のおそばと一緒に1合とか、宿の夕食時に冷酒を1本とか。
また最近は、夕食を宿の外でいただくのも好きです。
ちょっと入りづらくもある初めての居酒屋さんに、えいやで入り、日本酒片手にあれこれつまむ。一緒にいただくのは、焼き鳥が多くなりがち。
日本酒以外なら、ワインが好きです。その地方で作られた、いわゆる「日本ワイン」と呼ばれるワイン。
日本ワインの産地として特に有名なのは、山梨県や長野県。他には、山形県や北海道なども有名です。他の県でもワイナリーがどんどん増えています。
中でも山梨県に行ったときは日本酒ではなく、日本ワインを注文することが多いです。
と言いつつ、山梨県も地酒が美味しいので、どっちにするか迷って、結果どっちも頼んじゃえ、となって、飲みすぎてしまうのですが。
食後の珈琲、朝の珈琲
普段だったらチェーン店系のカフェに行くのが多い自分なのですが、静かな温泉旅の時は、ちょっと古びた喫茶店に行きたくなります。
カランカランと入り、古びた分厚いメニューを見て、普段よりちょっと高めのコーヒーを注文。
暑い季節ならアイスコーヒーを飲みたくなりますが、こういう喫茶店って、アイスコーヒーがホットよりお値段が高いのですよね。喫茶店あるあるです。
何もせず、ぼけぼけっと過ごします。なので、そこまで長く滞在はしないかもしれません。
喫茶店と言えばモーニングセットが好きなのですが、小さな温泉街だと喫茶店は少なかったり、あっても朝から営業していないところも。
ということで、いつか温泉旅で泊まった翌朝、トーストと珈琲のモーニング、というのをやってみたいです。
まあ、最近は宿でも朝食後にモーニングコーヒーをいただけることが多いです。チェックアウト前に、ちょっとした幸せ。
宿での楽しみは自由時間
これまで、宿の外のことばかり書いてきましたが、静かな温泉旅のメインといえば、やはり温泉宿で過ごす時間。
早めにチェックインして、宿の中でゆっくり過ごしたいものです。
お風呂に入ったり、お部屋で過ごしたりしているうちに夕方に。宿の中か近くのお店かで夕食をいただき、ごちそうさまの頃には空はすっかり暗くなり。
何だかあっという間に夜が来てしまう気がします。
好きな時間帯に寝て、次の日の朝。
朝風呂を楽しんでから朝食をいただいて、できれば10時くらいにチェックアウトをしたいですね。
・・・とあっさり書いてしまうと、宿ではあまり特別に何かしているわけではなく、ぼけぼけっと過ごしているだけではあります。
本や新聞を読んだり、ネットをしたり、ちょっと散歩したり。そんなことに自由に時間を使える、という楽しみ。
というわけで、
自分の静かな温泉旅は、だいたいそんな感じです。乗って歩いて、食べて飲んで、くつろいで。
エキサイティングではないのですが、ささやかな非日常。
旅の終わりはいろんな意味でお腹いっぱいになって帰ってくるのですが、またしばらく経つと、静かな温泉旅が恋しくなります。
あなたが温泉旅に出かけるとしたら、どんな風に過ごしますか?
さて、今度はどこへ行こうかな。