自分が温泉旅と一緒に連れていくもののひとつに「御朱印帳」があります。
旅先には、というより日本のあちこちには神社やお寺があり、お参りをした後で御朱印をいただく、ということをここ何年かやっておりまして。
時折、この静かな温泉旅のブログに「神社で御朱印をいただきました」と書かれた旅行記が出てくるのをご覧になった方もいらっしゃるかも知れません。
最初はミーハー的に始めたのですが、今も細々と続いていて、温泉旅をするときのテーマの一つになっています。まあ、今もアプローチはミーハー的ではあるのですが。
御朱印帳とは
まずは「御朱印帳って何?」というところから一応。御朱印帳はその名の通り、御朱印をいただく冊子です。
御朱印というのは、神社やお寺で押していただける朱色の判子。御朱印と一緒に、参拝した日付や神社の名前などを筆で書いていただきます。
そんな御朱印をいただくための冊子が、御朱印帳。御朱印をいただく際は、いくらかのお金を支払います。
お参りの後で御朱印をいただく、というのは、江戸時代もしくはそれ以前からあったようですが、近年ちょっとしたブームになりつつあるようです。
ネット上でも御朱印を集めている方がブログなどでその記録をアップされていたりしますね。
ブームになったことで弊害もあるようです。お参りよりも御朱印をいただくことを優先させる人がいたり、とか。
神社やお寺にいる方々の邪魔にならないように、静かに続けていきたいところ。
御朱印のきっかけ
そんな風に御朱印帳を連れて行くようになったきっかけは、いろいろです。
- 自分の旅に、新しいことを取り入れよう、と。
- 日本の歴史を感じられるのが良さそうだ、と。
- お寺の整然とした雰囲気と、神社の静けさと。
- そして自分の、記録好き、と。
といったあたりからでした。
同じようなパターンの温泉旅を続けていると、時に新しいことをしてみたくなるものです。ひとり旅歴20数年、マンネリも訪れるのである。
あちこちに温泉旅をしてきましたが、行く先々にあるはずの神社やお寺には、あまり足を運んできませんでした。ということでちょっと新鮮な存在だったのです。
また、もともと日本の歴史を見聞きするのが好きだったこともあります。多くの場合、神社やお寺には長い歴史があって、訪れることでその歴史を感じることができます。
行ってみると、多くのお寺や神社は静かなところにあります(初詣やお祭りの時は例外ですが)。自分の「静かな温泉旅」との相性もよさそう。
最後に、御朱印は記録になります。記録をつけることが好きなのです。こうしてブログをやっているというのでもお分かりいただけると思いますが。
ということで、御朱印帳を買ったのでした。
神社やお寺のオリジナル御朱印帳なんてものもありますが、↓ここで買っています。2015年に1冊目を買ってから、今は3冊目になりました。
神社に行ってみる
一番はじめは一宮
わたくし、結構ミーハーな入り方をする方でして、まずは関東甲信越にある「一宮(いちのみや)」を巡ってみようと思いました。
一宮というのは、その地域で最も格の高い神社です。
地域、と書きましたが、都道府県ではなく、いわゆる江戸時代以前にあった「国」ごとに、その国の一宮があるわけなんですね。
例えばこの静かな温泉旅のブログによく出てくるエリアでいうと、
- 長野県:旧国名「信濃(しなの)」。一宮は、諏訪大社
- 群馬県:旧国名「上野(こうづけ)」。一宮は、貫前神社(ぬきさきじんじゃ)
- 栃木県:旧国名「下野(しもつけ)」。一宮は、日光二荒山神社など
- 山梨県:旧国名「甲斐(かい)」。一宮は、浅間神社(あさまじんじゃ)
- 新潟県:佐渡島をのぞく地域の旧国名「越後(えちご)」。一宮は、彌彦神社など
といった神社が、一宮です。諏訪大社は下諏訪温泉が近く、弥彦神社は弥彦温泉が近いので、温泉旅と一緒にお参りしてきました。
温泉旅で行く以外にも、家族でのお出かけのついでとか、日帰りの電車旅などで関東近郊の一宮をほぼお参りすることができました。
身近な神社へ
わざわざ旅行に行かなくても、自宅の近くに神社やお寺はあります。
近所の散歩から少し足を延ばして、という風に、日常でもちょくちょくお参りするようになりました。
ちょっと調子が良くないな、という時などに、そういった身近な神社にお参りして気持ちを整える、ということをしたりしています。(神頼みとも言いますが)
基本的には、お寺より神社に行くことが多いです。
「1冊の御朱印帳に、神社の御朱印とお寺の御朱印とを両方入れるのはよろしくない」なんて言われることがあります。最初はそれをちょっと気にしており。
また、お寺は宗派によっては御朱印をいただけないところもあるようなので、敷居が高そうに思えたのです。
でも、明治時代までは神社とお寺の境目があいまいなケースも多かったようですし、神社だけでお寺には行かない、というのは、どうなのかなと。
それで行けるところを自分で勝手に狭めているような気がしたので、今後はお寺にも足を運んでいこうと思っています。
お寺をお参りして感じるのは、張り詰めた感じの静けさ。それと、お寺の庭が好きで、庭の限られたスペースに造られたちいさな世界に少し感動したりします。
神社・お寺を探す
御朱印帳を温泉旅に連れて行っても、どこの神社やお寺で御朱印をいただけるかは分かりにくいです。
神社やお寺はあちこちにありますが、普段は無人の神社やお寺もあり、そういうところでは御朱印はいただけません。御朱印をメインの目的にするわけではないにしても。
ちょっとしたブームになっている今は御朱印のガイド本も結構あるので参考になりますが、自分の場合は、ネット上のブログ等を参考にしています。
たとえば、信州への温泉旅に行くときは「ごしゅメモ」等を見てから行きます。
特定のサイトでなくても「〇〇市 御朱印」みたいなキーワードで検索すれば、既にその地域の神社やお寺を巡っている方のウェブサイトやブログが出てきます。
それで行ってみたい神社やお寺を見つけてから、どうやって行くかを調べます。
自分の場合、移動手段が電車・バス・徒歩なので、それらで行けるかどうかが大事。
マイカーで神社やお寺巡りをしている人も多いので、ネット上の情報は公共交通機関で行けるかどうかはあまり書かれていないサイトやブログも多いです。
併せて、神社やお寺のホームページも確認したりします。
ちなみにWikipediaが結構参考になりまして、その神社・お寺のロケーションや交通手段がきちんと載っていることが多いです。
温泉旅と、御朱印と
それでは、下調べをしてから温泉旅に御朱印帳を連れていきましょう。
温泉街で
多くの温泉街には神社やお寺があります。自然の恵みである温泉をお祀りしていたり、湯治を終えて体調が戻った人がお参りをしたり。
温泉でそんな神社やお寺を見たら足を運ぶようにしています。
静かで無人のところが多いのですが、伊香保温泉(群馬県)の伊香保神社や、いわき湯本温泉(福島県)の「温泉神社」など、御朱印をいただける神社もあります。
地方の町で
地方の大きな町には長い歴史があって、かつては城があった城下町だったり、大きなお寺がある門前町だったり、古くから貿易で栄えた港町だったり。
そう、町のプロフィールはさまざま。そんな中に神社やお寺があります。
山梨県の甲府市には武田神社があります。戦国大名「武田信玄」が暮らした館の跡に建っている神社です。
長野県の長野市には善光寺がありますね。そもそも長野の町が、善光寺の門前町だったのです。
栃木県の宇都宮市にあるのは二荒山神社(ふたあらやまじんじゃ)。宇都宮も古くからの城下町ですが、宇都宮の「宮」は神社の「お宮」から来ているともいわれています。
多くの町には神社・お寺があり、御朱印をいただけるところも多くあります。行く前にネットで調べておきましょう。
見知らぬ神社やお寺を見つけて足を運んで、そこでその神社・お寺の歴史を知るというのも面白く。
というわけで
最近の自分のひとり温泉旅では、御朱印帳を連れていくようにしています。
温泉宿でのんびりする時間も多めに取りますが、途中に町があると少し時間を取って、散歩しながら神社やお寺に行ってみています。
行く前に、御朱印がいただけそうな神社・お寺はないかなと調べておきます。
地方の小さな町にある神社やお寺はスタンダードなガイドブックには載っていないことも多く、人も少なくて静か。そんな中に身を置くのが好きです。
もちろん、温泉旅でなくても近くにある神社やお寺にお参りするのも良いものです。地元に新しい発見があるかもしれません。
さて、今度はどこへ行こうかな。