首都圏から、北関東・信越地方の温泉地に向かうには、新幹線が早くて便利です。
例えば、長野県(上田・長野)方面へは北陸新幹線「あさま」がありますし、群馬県や新潟県の越後湯沢方面へは、上越新幹線が走っています。
今回紹介するのは、栃木県の那須・塩原エリアに向かうのに便利な東北新幹線です。
一番早い「はやぶさ」は栃木県を素通りしてしまうので、栃木県内の駅に停車する「やまびこ」「なすの」を取り上げます。
「やまびこ」「なすの」の概要
東北新幹線は、走っている列車の種類がたくさんあります。
- はやぶさ(新青森・新函館北斗行き)
- やまびこ(仙台・盛岡行き)
- なすの(那須塩原・郡山行き)
- こまち(秋田行き)
- つばさ(山形・新庄行き)
今回取り上げるのは、栃木県内に停車する「やまびこ」と「なすの」。
「なすの」は、栃木県北部に広がる、那須野が原に由来する名前です。
栃木県には、東北新幹線の駅が3つあります。
- 小山駅
- 宇都宮駅
- 那須塩原駅
これらの駅には「はやぶさ」は停車しませんが「やまびこ」「なすの」が停車します。
「なすの」は、小山・宇都宮・那須塩原の全てに止まりますが「やまびこ」の一部の列車は、小山と那須塩原を通過します。
- はやぶさ : 栃木県内の駅は全て通過
- やまびこ : 県内の一部の駅を通過する列車があり
- なすの : 県内のすべての駅に停車
栃木県の、那須・塩原方面の温泉に行く場合は、那須塩原駅か、宇都宮駅で下車することになります。
那須塩原駅からは、那須温泉や塩原温泉へのバスが出ているので、スムーズに移動したい場合は那須塩原駅に止まる「やまびこ」「なすの」に乗るといいでしょう。
宇都宮駅から那須塩原方面へは、JR宇都宮線の普通列車も走っています。宇都宮から小一時間で、那須塩原方面まで行けます。
- 那須塩原駅で下車 : 那須温泉、塩原温泉方面のバスに乗り換え
- 宇都宮駅で下車 : JR宇都宮線で那須塩原方面に向かい、途中の駅でバスに乗り換え
那須塩原「方面」と書いたのは、ちょっと細かいのですが、那須塩原駅の両隣にある宇都宮線の駅からも、温泉に向かうバスに乗れるから、です。
- 黒磯駅(那須塩原駅の隣) : 那須温泉、板室温泉へのバスへ乗り換え
- 西那須野駅(那須塩原駅の隣) : 塩原温泉へのバスへ乗り換え
那須塩原駅に直行して温泉に向かうのもいいですが、宇都宮駅で降りて、宇都宮餃子を食べてから温泉に向かう、というプランもなかなか良いです。
停車駅
「なすの」は、東京から、上野、大宮、小山、宇都宮、那須塩原、新白河、郡山まで、東北新幹線のすべての駅に止まります。
「やまびこ」は、列車によって行き先や止まる駅が異なりますが、那須塩原駅に止まらない列車もあります。
所要時間
途中の駅で「はやぶさ」等に追い抜かれることもあります。
- 東京~宇都宮:約1時間弱
- 東京~那須塩原:約1時間強
本数
「やまびこ」「なすの」合わせて、昼間は1時間に3本走っています。ハイシーズンは追加で臨時列車が走ります。
朝には東京行きの「なすの」、夕方以降には那須塩原行きの「なすの」が多く設定されています。栃木県方面と東京都を通勤で往復する人が多いのでしょうか。
運賃・料金
指定席の特急券(普通席)を含めた定価の金額は、以下の通りです。
いわゆる通常期の値段です。
- 東京~宇都宮:5,220円
- 東京~那須塩原:6,220円
ハイシーズンに乗るときや、座席をグリーン車やグランクラスにするときは、これより高くなります。
指定席ではなく自由席に乗ればもう少し安くなります。なお、一部の「なすの」は指定席がなく、全て自由席になっています。
インターネットから予約できる「トクだ値」を利用すれば15%~35%安くなります。
ICカード
指定席・自由席ともに、Suica等の交通系ICカードが利用できます。
オンラインで予約・決済して、紙のきっぷを発行せずICカードで乗る場合は、少し割引があります。
自由席であれば「タッチでGo!新幹線」というサービスがあり、東京方面からの東北新幹線は盛岡駅まで利用できるので、栃木県への温泉旅でも利用可能です。
車両がいろいろ
全く電車好きの視点ではありますが「やまびこ」「なすの」の車両はいろいろあって面白いです。
- E2系。以前は東北新幹線の主役だった車両です。そろそろ引退が近いかも知れません。


- E5系。今の東北新幹線の主役です。「はやぶさ」と同じですね。グランクラスもついています。色違いのH5系という車両もあります。


「なすの」には、山形新幹線「つばさ」用のE3系や、秋田新幹線「こまち」用のE6系も使われます。
また、一部の「やまびこ」は「つばさ」と繋がっており、11号車~17号車が「つばさ」です。栃木県内の停車駅は、繋がっている「やまびこ」と同じです。
E3系、E6系は普通車の座席の並びが2列+2列です。 (■■ ■■)
E2系、E5系であれば、多くの新幹線同様に、2列+3列です。(■■ ■■■)
乗ってみた
さて、いつ行っても人が多い東京駅から、栃木県まで東北新幹線に乗ってみることにしましょう。
駅のみどりの窓口などに置いてある分厚い本の時刻表を見ると、これから乗る「やまびこ」「なすの」がどの車両かが分かります。
「やまびこ」「なすの」には車内販売がないので、お買い物は事前に済ませて乗りましょう。


「やまびこ」「なすの」は走る距離は短いのですが列車の長さは長いことが多いです。
何と最大17両編成。例えば17両編成だと、10両編成の列車と7両編成の列車が繋がって、17両。
10号車と11号車の間は、要は新幹線の鼻と鼻がくっついている部分なので通り抜けできません。指定席の場合は、乗る車両を間違えないようにご注意を。
東京~宇都宮
東京駅を出て数分したら、地下にもぐって上野駅です。その後地上に上がってゆっくり走って、大宮駅。
「やまびこ」「なすの」も大宮駅を出てから新幹線らしくスピードを上げます。大宮駅から次の小山駅まではあっという間で、20分ほど。
小山駅は栃木県です。群馬県方面に行く両毛線と、茨城県方面に行く水戸線に乗り換えられます。一部の「やまびこ」はそのまま通過していきます。
小山と宇都宮との間はさらに短くて、宇都宮駅へは10分ほどで着いてしまいます。


宇都宮駅では、黒磯方面の宇都宮線、日光方面の日光線、烏山方面の烏山線などに乗り換えできます。
那須温泉、塩原温泉に行く前に、宇都宮で新幹線を降りて宇都宮餃子を食べてから、普通列車で黒磯方面に向かう、というパターンも好きです。


話を新幹線に戻しまして。
ここ宇都宮駅で数分停車し、後から来る新幹線に追い越されることが多いです。
宇都宮~那須塩原
次の駅は那須塩原駅。遠くに那須の山々が見えます。一部の「やまびこ」は通過します。


那須温泉、塩原温泉、板室温泉に向かうバスは、ここで乗り換えです。
ただし、塩原温泉方面へのバスは、朝もしくは夕方以降の時間帯は、那須塩原駅を出る便がありません。
そのときは、那須塩原駅でJR宇都宮線に乗ってお隣の西那須野駅に行き、そこからバスに乗ります。
「なすの」は那須塩原駅が終点の列車もありますが、さらに先の郡山駅まで向かう「なすの」もあります。
一方で「やまびこ」はもっと先、仙台駅や盛岡駅が終点です。
今回は栃木県の温泉に行く新幹線の話なので、ここまでにします。
ご乗車お疲れさまでした。
ご参考:高速バスと普通列車
栃木県の那須・塩原方面にある温泉を目指す場合、東北新幹線以外にも選択肢があります。
東北新幹線以外の交通手段とは、
- 高速バス「那須・塩原号」。
- 宇都宮線の普通列車。
これらが東北新幹線のライバルと言えるかも知れません。
高速バス
高速バス「那須・塩原号」は那須温泉・塩原温泉が終点なので、乗り換えがないのが便利です。
ただ、2020年の感染症流行後、大幅に本数が減ってしまっています。
また、このバスが走る東北自動車道は、比較的渋滞が少なく遅れにくいので、安い値段で行くならバスでもいいかな、と思ってしまいます。
これが関越自動車道を走る高速バスに乗る場合だと、渋滞で大幅に遅れることが多いので、どちらかと言えば新幹線「たにがわ」「あさま」を選んでしまうのですが。
普通列車
宇都宮までならさほど遠くないので、普通列車のグリーン車でのんびり行くのでも良いかな、と思うことも多いです。
「やまびこ」「なすの」の割引率は結構いいので、割安のきっぷが取れれば新幹線ですいすい行きたいところではありますね。
東武線の特急
また、日光・鬼怒川方面は東北新幹線から離れていて、東武線の特急「きぬ」等に乗っていくのが便利です。新幹線をあえて使うことはないかも。。
お隣の群馬県にある温泉に行く場合、たいていは新幹線の駅がある高崎を通るので、新幹線利用になることが多いのですが、そこが違いですね。
というわけで
そんなこんな、ぱっと思いつく「やまびこ」「なすの」の良いところは、
- 新幹線なので早い。
- 「トクだ値」で安く利用できる。
- いろいろな車両に乗れる。(鉄道好き目線で・・・)
「やまびこ」「なすの」だけの良いところ、ではないので、書いていて少々苦しいところではあります。。
以上、東北新幹線の中でも比較的地味な「やまびこ」「なすの」にスポットを当てて書いてみました。
さて、今度はどこへ行こうかな。