日帰り入浴をするなら温泉宿に行くのがいい、と思っている人です。
日帰りで温泉に入るとしたら、スーパー銭湯的な施設や共同浴場もあって、それぞれに良いところがありますが、個人的には、宿の日帰り入浴が一番好きです。
そう、温泉宿も時間帯によっては、宿泊客以外の人もお風呂に入れるようになっているのですね。今回は、温泉宿の日帰り入浴についてお話してみます。
温泉宿の日帰り入浴の良いところ
良いところを簡単に言うと、ざっと以下2点です。
- 空いていることが多い。
- 普段泊まらない宿にも入れる。
空いていることが多い
「もしかして、温泉宿でも日帰り入浴ができるというのを知らない人が多いのかな?」と思ってしまうことがあります。
そう思ってしまうくらい、温泉宿の日帰り入浴は空いていることが多々あり。
温泉宿にとって日帰り入浴はメインの業務ではないので、日帰り入浴できる時間帯に制約があったり、そもそも日帰り入浴を受け付けていないこともあります。
ということで敬遠されがちなのかも知れません。みんな知らない、というわけではなく。
空いていることが多い印象ですが、もちろんそうでない場合もあります。
例えば、山に登る際の登山口に近い宿は、登山者でにぎわうことも多いです。山から下りてきた後、温泉で汗を流すわけですよね。
また、共同浴場がない温泉街では、地元の人が温泉宿のお風呂を普段のお風呂代わりに利用していたりいるので、遅い時間までよく利用されています。
普段泊まれない宿にも入れる
普段泊まらない(泊まれない)宿、というのがあります。
例えば、泊まるにはちょっと予算的に難しい高級な温泉宿とか、ひとり泊を受け入れていない温泉宿がそう。
そんな、ちょっと敷居の高そうな宿でも、日帰り入浴はできることも多いです。何だか「高級ホテルに泊まらずにレストランで食事だけをする」というのに似ていますね。
また、自分の好みとはちょっと離れているタイプの温泉宿にも入れるチャンスになります。
自分の宿の好みは、割とこじんまりした宿。大きな宿はあまり利用しません。お風呂が混んでいそうな気がするのですよね。
そんな大きな宿も、宿泊客のいない時間帯に日帰り入浴で利用すれば、さほど混んでいない温泉にゆっくり入ることができます。
また、泊まるとなると、お風呂以外にも食事、設備などトータルで考えて選ぶのですが、日帰り入浴であればお風呂だけで考えればいいので、あまり悩まずに済みます。
温泉宿の日帰り入浴の注意点
一方で、注意点もいくつかあります。
- 不定期営業の宿が多い。入れない時間帯もある。
- 宿によっては日帰り入浴をそもそもやってない。
不定期営業、入れない時間帯
先ほどちょっと書きましたが、温泉宿の本業はお客さんを泊めることなので、日帰り入浴は宿泊業の合間に、対応してもらえるわけです。
となると、入れない時間帯が出てきます。例えばこんな感じに。
- お風呂の清掃中。たいていは宿泊客がチェックアウトする10時頃から掃除が始まるので、掃除~お風呂にお湯が貯まるお昼までは利用できないことが多いです。
- 夕方以降。宿泊客がチェックインしてくると、基本的には宿のお風呂は宿泊客優先なので、夕方以降の日帰り入浴を受け付けない宿もあります。
もちろんこれがすべての宿に当てはまるわけではなく、地元の人向けに夜も日帰り入浴ができるようになっている宿もあります。
また、日帰り入浴は不定期営業にしている宿も多いので、上記の時間帯を避けて出かけたとしても、日帰り入浴できなかった、なんてことも。
特に小さい宿だと、宿の方のさじ加減というか、実際に行って日帰り入浴できるか聞いてみないと、入れるかどうかが分かりません。
「今日はお休みなんです・・・」とか。「受付時間を過ぎているけど、特別にいいですよ」とか。
事前に観光案内所や旅館組合で聞いてから行くようにすれば、営業しているか、何時までかを問い合わせてくれるので確実です。
「のみ不可」宿の存在
逆に、そもそも日帰り入浴を受け付けていない宿も多いです。ネット上では「のみ不可」などと言われたりします。日帰りのみ不可、ということのようです。
宿泊客からすれば、多くの日帰り入浴客で混んでいるお風呂よりも、宿泊客のみ入れる静かなお風呂の方がいい、と思う人が多いはずで。
そうなると、宿泊客優先ということで、日帰り入浴は受け付けない、というスタンスの宿もあるわけですね。
例えばこんな風に
そんな風に温泉宿の日帰り入浴、何度か利用してきましたが、利用シーンや体験談をちょっと載せてみましょう。
泊まった宿の近所の宿へ
温泉宿に泊まったとき、近くにある他の宿のお風呂に入ってみたくなることがあります。宿によってお風呂の設備も様々ですし、お湯の使い方もいろいろです。
露天風呂があったり、お風呂が広かったり。ぬるいお湯、熱いお湯をそのまま利用していたり、逆に温度調整をしていたり。
伊香保温泉(群馬県)や塩原温泉郷(栃木県)のように、宿どうしは近所なのに、そもそも温泉の種類が違うところも。
例えば伊香保温泉は、黄色く濁った「黄金の湯」と、無色透明の「白銀の湯」とがあり、宿によって入れているお湯が異なります。
宿泊者向けに、他の宿のお風呂に入れる特典があることもあります。浴衣姿で行くと無料で入れたりとか、割引のある「湯めぐり手形」みたいなものを買えたりとか。
特に若いころは、温泉宿に泊るたびに、近所の宿のお風呂に入っていました。いろんな宿のいろんなお風呂に興味津々だったのです。
まあ、温泉に入りすぎると体が疲れてしまうので、最近は泊まった宿の内風呂にマイペースで入るようになりました。年を取った、ともいいます・・・。
旅のついでにふらり
旅のついでに、宿の日帰り入浴を利用したこともあります。
ある時、群馬県への温泉旅をしたときのこと。帰りの新幹線に乗るまでにちょっと時間があり、ちょっと気になっていた磯部温泉に寄ってみようと思いつきました。
新幹線に乗る高崎駅から、磯部温泉のある磯部駅までは、電車で20分と近め。
そして、磯部温泉は大手の予約サイトで週末に1名で予約できない宿が多く、ある意味「ひとり泊難易度の高い」温泉だったのでした。
という風に、高崎駅から信越線の電車に乗って磯部駅へ。磯部駅から温泉街へは歩いて行けます。
狭い道を少し歩いて、おせんべい屋さんが並ぶ通りに出ました。磯部温泉は、温泉水をブレンドした「磯部せんべい」で有名なところです。
おせんべい屋さんでせんべいを試食し、コーヒーを飲んで一息。温かいおまんじゅうが付いてきました。
そうしてから近くの大きなホテルへ。普段はこういう大きな宿にはあまり縁がありません。建物に入り、日帰り入浴をお願いしました。1,000円。
お風呂はかなり奥の方。ザ・大浴場という感じの大きな内風呂があり、ずらり並ぶシャワーと椅子、露天風呂も3か所という、豪勢なお風呂です。
塩素消毒をしているようで、その匂いがちょっとしました。磯部温泉は温泉の成分が濃いので、水で薄めて加温して使っているようです。
傍らに源泉のお風呂がありました。冷たくてじっくり入るのは難しい温度です。口に含むとかなりしょっぱい。だから薄めているわけだ、と納得。
昼下がりで空いていて、大きなお風呂を独占してから、また温泉街を歩いてふらりと駅に戻りました。
温泉は入ると疲れるもので、帰りの電車の中では爆睡・・・。
高崎駅に戻って帰りの新幹線に乗るまでの時間、駅ビルのお店ちょっと一杯やってから、新幹線に乗ったのでした。
というわけで
日帰り入浴をするなら、温泉宿も良いです。
まあ、共同浴場はあの地元感たっぷりの雰囲気が良いものですし、いわゆる「日帰り入浴施設」は、確実に営業しているので便利です。
一方で、日帰り入浴をやっていない宿や、やっていても受付時間外だったりもするので、入れるかどうかは実際に宿に行ってみないと分かりません。
そこが、温泉宿の日帰り入浴の難しいところ。
個人的には、温泉宿のデイユース、というのをいつかやってみたいなと妄想中です。
午前中にチェックインして、お部屋で休憩しつつ昼食付でお風呂を楽しんで、夕方に帰っていくというプラン。1日のみでいいので、出かけやすそうな気がします。
でも情報があまり多くないので、いろいろ調べていこうと思っています。デイユース、需要はあると思うのですけどね。
さて、今度はどこへ行こうかな。