2021年の夏から秋にかけて感染症が大きく流行し、ストレスフルな生活が続く日々。
できないこと、行けない場所・・・家でじっと我慢。
精神衛生上きついところでしたが、9月の下旬になり段々と落ち着いてきたので、さあ出かけるぞ、と。
最後に残してあった夏休みを使って、平日に甲州ワインを飲みに買いに、山梨県は甲府市へと向かうことにしました。
旅の計画
甲府へはよく出かけています。勝手知ったる町の一つ甲府、になりつつあり。
そういう、割と「いつもの甲府への移動」なので、大それた計画はないのですが、甲府湯村温泉の宿を取りました。甲府市の中心部から近い、静かな温泉街です。
甲府駅までの特急「かいじ」の特急券は、直前に「えきねっと」のチケットレス決済で購入します。電車の予約も、だいぶ楽になりましたね。
電車と宿とを簡単に手配して、出かけます。
甲府に来て何をするかは、行ったらその時に考えよう、ということで。
1日目(八王子→甲府→甲府湯村温泉)
平日夜の甲府
夕方に、東京都の八王子駅から甲府に向かう特急かいじに乗ります。
お腹が空いていたので電車の中で何か食べようと駅の売店を探したのですが、休んでいるお店が多く。おにぎりだけ買いました。
まだ緊急事態宣言がかろうじて続いていて、お休みしている売店が多かったのです。
かいじに乗ると、乗車率は2割くらい。ガラガラです。後ろの席もあいていて、目一杯席を倒しました。
郊外の住宅街を抜けていき、かいじは山梨県を目指します。車窓は緑が増えてきました。夕方の終わりの時間ですが、まだまだ空は明るく。
トンネルをいくつも抜け、甲州市のあたりに出たようです。薄暗い中、町のまばらな灯りがきれい。まだまだ夜にはなりません。西に向かってるからか、日が長い。
塩山、山梨市、石和温泉と、特急停車駅に止まり、終点の甲府に着いても、かろうじて明るさの残る空でした。
夜を待ちきれずか、甲府城がライトアップされていました。
おにぎりを食べただけなので、お腹は空いています。今夜の宿は素泊まりなので、宿に行く前に駅ビルで食事をすることにしました。
駅ビル「セレオ甲府」の上のフロアは飲食店街になっています。
その中で、信玄餅で有名な「桔梗屋」がやっている郷土料理の店に入りました。混んでいるイメージでしたが、平日の夜で、空いています。
席について、名前と電話番号、どこの件から来たかを用紙に記入してから、注文。
甲州ワインの飲み比べセットと、甲斐サーモンのルイベ、野菜天ぷら。お店でお酒を飲んだのが、本当に久しぶりかも知れません。ごちそうさまでした。




甲府湯村温泉へ
同じく駅ビル内で、お酒とおつまみを少し買ってから、甲府湯村温泉へ行く路線バスに乗りました。10分そこそこで着きます。
バス停のある幹線道路沿いに、湯村ショッピングセンターという施設があります。
大きなスーパーが以前あったのが一度閉店していったん更地になり、新しくて大きなスーパーができていました。


少しスーパーの中を見て回ってから、歩いて宿へ向かいます。途中、美味しそうな居酒屋さんや焼鳥屋さんがありましたが、今回は我慢。また次回。
誘惑を振り切ってチェックイン。普段着姿の宿のご主人に案内され、3階のお部屋へ。
広い和室です。今夜はここを独り占めできるなんて、いつものことですが嬉しくなり。
ところどころ、くたびれた感じのある建物ですが、今までなかったWifiがついに導入されたようです。こういう変化はありがたいですね。
平日なので、空いています。お風呂も広々と使えます。
甲府湯村温泉と言えば、ぬるめの温泉がドバドバとかけ流されていることが多いのですが、ぬるい温泉にじっくり入ると、体はしっかり温まる不思議。
部屋に戻って、ぼけぼけっと飲んでつまんで・・・をしていたら、段々と眠くなってきました。
2日目(甲府湯村温泉→甲府→八王子)
勝頼公に
早朝に目が覚めます。昨夜は歯を磨き忘れた模様・・・今さらながら歯を磨き、また布団でまどろんで、朝風呂へ。
朝のお風呂には誰もおらず、ゆっくり長風呂してお部屋に戻りました。また汗が出てきます。
さて今日はどこへ行こう。ネットで少し調べてみると・・・甲府湯村温泉の近くに、武田勝頼(たけだかつより)の墓があるお寺があるようです。
武田勝頼は、有名な戦国武将「武田信玄」の息子で、後継者です。
勝頼は「長篠の戦い」で、織田信長の鉄砲隊に敗れ、その数年後に織田軍に滅ぼされています・・・というのは、学生時代の歴史の授業で習った方も多いでしょう。
そんな勝頼は、今の甲府湯村温泉をよく利用していたとの話があります。
死後、勝頼の遺体は京都でさらし首にされたそうです。
その後、生まれ故郷の甲府に亡骸が運ばれ、よく利用していたという甲府湯村温泉近くのお寺に埋葬されている、とのこと。
(なお、勝頼が命を落とした現在の甲州市にも、お墓があるそうです)
そんな勝頼、いや、ここは敬意を込めて「勝頼公」とお呼びしましょう、勝頼公のお墓参りに行くことにしました。
宿のおかみさんに法泉寺までの道順を聞いて、チェックアウト。お世話になりました。
聞いた通りに、住宅街の細い道を歩いていきます。天気は良く、汗ばむ陽気。


広大なスポーツ公園の先に、法泉寺が静かにたたずんでいました。
誰もいません。このお寺には勝頼公の肖像画もあるらしいのですが、今回は見られませんでした。




案内板に従って、墓地の方へ歩いていきます。
勝頼公は織田信長に滅ぼされた武将の一人。ただ、決して能力のない武将だったわけではないはず。30代で命を落とし、さぞ無念だったことでしょう・・・


お墓には、ワンカップのお酒が供えられていました。当時の甲斐国には葡萄酒はなかったでしょうから。
(もしかしたら織田信長は、ヨーロッパ人からワインを紹介され、安土城で飲んでいたかもしれませんが・・・ムムム!)
喫茶店とワイン
お墓参りを終えて、少し早いのですがお昼を食べようと思います。
実は前から、甲府湯村温泉で気になっていたお店があって、そこのオープンを待って行ってみました。


ここ「アルムコーヒー」は喫茶店ですが、パスタやピザが美味しそう。
窓際の1名席に座り、また名前と電話番号を用紙に書いて、甲斐路風パスタを注文。
白味噌クリームソースのスープパスタです。野菜たくさんで、満腹に・・・
実は開店時刻まで時間を持て余していて、あきらめようかなとも少し思ったのですが、諦めなくてよかったです。
満足、満腹で、バスで甲府駅へ。感染症の流行でバスの利用者が減り続け、減便するとの貼り紙がありました。
甲府駅で、甲州ワインを何本か購入します。
普段から甲州ワインはワイナリーのオンラインショップで買っているので、オンラインショップで買えないワインを選んで買います。現地購入の楽しさです。
途中で入ったワイン専門店の方から「山梨県には86のワイナリーがありますからね」とと言われ。86とは・・・全部飲もうと思ったら、大変ですな・・・。
美味しいものも食べたし、ワインも買ったし、あとは帰りの特急列車をチケットレスで予約して、最後に、新しくできた立ち飲み屋さんへ行ってみることにします。
甲府駅の改札口を出てすぐのところに、山梨県名物の「一升瓶ワイン」を、地元風に湯呑茶碗で飲めるお店ができたそうで、ぜひ行ってみたかったのです。
メニューを見て、一升瓶ワイン、スタンダードワイン、プレミアムワインが飲めるセットを見つけて注文。ここでも、名前と連絡先を紙に書いて出します。


この日のプレミアムワインは「ソラリス甲州」。キッコーマンの経営する「マンズワイナリー」が作る、高級の甲州ワインです。
さすがに美味しい。高いのでしょうけど・・・
スタンダードワインは、アパレルメーカー「JUN」の作る限定ワイン。異業種ですが、JUNのワインは美味しいので、おすすめなのです。
一升瓶ワインは、勝沼の老舗「くらむぼんワイン」の白。プレミアムやスタンダードに比べておとなしいものの、優しい味わいです。
ワインたちにすっかり満足して、特急あずさで帰宅します。このあずさも空いていて、乗車率は2割くらい。
車内販売がやってきます。
性懲りもなく、ワインのお変わりが欲しくなってワインがないかを聞いたところ、アルコールは売ってないとのこと。
確かにこの日は、緊急事態宣言の最終日だったのでした。
今回の旅のまとめ
行く前は、今までやってきたような甲府へのお出かけの予定でした。
それでも甲府の町にはいろいろあって、今回は武田勝頼公のお墓参りもできましたし、温泉街から近い喫茶店でのお食事もできました。
さすがに甲府は県庁所在地、大きな町です。まだまだ奥が深く、見たり食べたりしたいものがたくさんあるので、また行かないと。
なお、山梨県は、飲食店等に対して「やまなしグリーンゾーン認証」という制度を設けています。感染症対策をしっかりとっているお店を認証する制度のようです。
実際に、やまなしグリーンゾーン認証を受けていた飲食店では毎回、名前と連絡先を紙に書くように言われました。
首都圏ではそこまできめ細かい対策は取っていません。山梨県は人口が少ないことで、きめ細かい対応を取れるのかもしれません。大事ですね。
とにかく、またしばらくしたら甲府には行くと思います。これを書いているのは10月の半ばですが、11月になると「やまなしヌーボー」が解禁されますし。。
さて、今度はどこへ行こうかな。