「寂れた温泉街が好きです」とブログのあちこちに書いているのですが、はて、寂れた温泉街が好きなのは何でやろ、と思いを巡らせてみまして、そうか、昭和っぽい感じが好きで、好きになったきっかけは尾道だったなぁ、と思い出したのでした。
尾道(おのみち)。瀬戸内海沿いの港町です。
歴史は古く平安時代あたりからある町のようで、当時からある古いお寺が多く残ることから「小京都」とも呼ばれています。
古いお寺もさることながら、町並みは昭和の雰囲気を残しているので、そぞろ歩きがとても楽しかったのです。
今回は、温泉街のことをイメージしながら尾道のことを思い出してみます。
尾道を知ったきっかけは
初めて尾道の名前を知ったのは、小学校だったかの社会科の授業で出てきた「尾道・今治ルート」という言葉を聞いたときだったと記憶しています。
本州と四国とを繋ぐルートは3つあって、その一つが尾道・今治ルートで、本州側のスタート地点が尾道なのです。
その後、10代の後半によく聴いていた小沢健二の曲に「ブルーの構図のブルース」という曲があって、その中に「何時間も電車を乗り継ぎ、ここは静かな町尾道」というフレーズがあります。
尾道へ行ってみたくなったのは、それを聞いてからなのでした。
曲の冒頭に「夢で会えて良かったかもね 夜行列車に乗って行く旅」とあるのですが、尾道に夜行列車で行くのは今はできなくなってしまいました。
当時はブルートレインがせっせと走っていたのですけどね。うむ、時は流れた。
尾道に行ってみたのは
自分のひとり旅記録を見てみると、初めて尾道に行ったのは2003年2月となっていました。それ以降でトータル5回行っています。
ただ、ここ最近はずっと尾道には行けていないのですが、インターネットやテレビなどで尾道が出てくるたびに、また行きたい、と思うのです。
というわけで、自分の中の尾道経験は独身時代の今から10年以上前ですが、何しろ昭和が残る街なので、ネットやテレビで見る限り、あまり変わっていないようです。
つい先日も、読者登録しているブログで尾道が出てきて嬉しくなりました。
そんな自分の尾道旅は、夜行バスで早朝から尾道の町を見て回ったりとか、飛行機を使った日帰り弾丸尾道とか、あとは新入社員の時の集合研修の場所が関西だったので、研修中の週末に山陽新幹線でふらっと行ってみたりとか・・・
基本的には若さゆえの強行軍でした。
で、行って何か観光をするわけでもなく、地図を持たずにふらふらとあてもなく町をさまよう、というのをただ楽しんでいたのでした。
ところどころにちょっとした昭和が潜んでいたり、顔を上げて景色を見ると尾道水道が見えてきたり、足元に目をやると猫がいたり。
以前やっていたメルマガでも、こんな感じに尾道を紹介していました。ちょっと恥ずかしくもありますが、転載。。。
●目の前はすぐ海で、その向こうはすぐ造船所のある島で、小さな船が行ったり来たり。
それもあちこちで、行ったり来たり。
●いつものように駅のそばで自転車を借ります。
駅前の写真屋さんで貸し自転車をやってました。店のおばさんにあれこれ聞いて、街のことを頭に入れた気になって、まだまだ聞こうとしたら、お店の電話が鳴ってしまって、質問タイムはこれで終了。
まあ、出かけてみますか。
●とは言っても、あてずっぽうな感じで自転車を走らせていきます。
まずはいきなり左にそれて、商店街のアーケードに入ってみたり。商店街の中、人がゆっくり歩いているので、彼らの邪魔はしないように、自転車もゆっくり走らせます。
●また横道にそれると、線路の向こうは急な上り坂。坂の向こうには、お寺や民家があるようです。
貨物列車が、尾道らしくないスピードで走り抜けていきます。
●線路をくぐって自転車を置いて、ロープウェーに乗りました。
●山の上は、尾道の街と「しまなみ海道」の大きな橋が見える公園で、ここは観光客が結構いました。
まずはここでじっくり景色を眺めて。
●細い道をゆっくり降りていきます。猫がいます。猫のような(?)置き石もあります。招き猫の家(?)もあります。
●招き猫の家(招き猫美術館だったかな?)、入ってみました。玄関のところで、天井に頭をぶつけました。。。
「何かいい事あるかも知れませんよ?」と、受付のおばちゃんのコメント。ちなみに、中は招き猫オンパレード。
●ちょっと遅い昼食は、尾道ラーメンにしました。魚介類系のだしが入ったあっさりスープに、豚の背脂が乗ってます。次の日、目の前を通ったら、行列ができてました。
●さらに海の方に行って、船に乗りました。自転車と一緒に船に乗り込むと、車も乗ってきました。小さい船なのに。
船は車を載せた方に微妙に傾きながら、2,3分くらいで海の向こうの島へ。面白かったので、乗る船をあれこれ変えて、2往復しちゃいました。
●今日止まるホテルにチェックイン。
部屋に荷物を置いて、フロントで近所の居酒屋さんの場所を聞いて、またふらふら出かけました。
●居酒屋さんで、お刺身やら、適当におすすめを聞いて注文。
「ここは何もない田舎やけど・・・」というおじさんと、広島カープの話や、船で行ける島の話をしました。明日は船に乗って、島に行こうと決めました。
尾道と温泉街は
尾道は広島県にあり、関東在住の自分にとっては気軽に行ける距離ではありません。
その代わりというわけではないのですが、今は行く先々の温泉街に、尾道のような昭和が残る雰囲気を見出しています。温泉街も、ところどころに昭和が残っています。
で、なぜ昭和探しが面白いのだろう。考えたことがなかったのですが、いい機会なので、ちょっと考えてみました。
個人的には「ザ・観光地」という感じを見に行くより、街の中に潜んでいる昭和を探し出すのが面白いようです。
そういう昭和はたいていガイドブックには載っていないですし。昭和探しという、マニアックな楽しみ方が自分の好みなのだろうなと。
あとは、昭和的なものはどんどん失われていきます。なので、今この瞬間に見つけておかないと、次に行ったときにはもう見ることができないかもしれない。
そのはかない感じも、きっと自分をひきつけるのだろうなと。そういう結論になりました。
話を温泉街に戻します。
温泉街は廃れていく一方のところも多いのが事実ですが、少しずつ変わりながら頑張っているところだってたくさんあります。
そんな温泉街を、陰ながら今後とも応援していきたいところ。そういう意味でも、今後もブログで温泉や温泉街のことを書いていくつもりです。
さて、今度はいつ尾道に行けるかな。(諦めてないんだよな。。)