2023年最初の静かな温泉旅は、ようやくという感じで、3月になりました。
ここ何年、春になったら山梨県へと出かけていますが、2023年も同じく、に。。
山梨県の春の感じが好きなのです、たぶん。
旅の計画
行き先を山梨県に決めて、宿を探します。
県庁所在地の甲府の街か、甲府に近いところで探していると、甲府のお隣、石和温泉に良さそうな宿を見つけて予約。
首都圏在住なので、山梨県ならさほど遠くはありません。
車で行ってみようか、それとも電車にしようか、直前まで迷っていましたが、最終的には電車で行くことにしました。
電車なら、甲州ワインで有名な勝沼で降りて、ワインの試飲もできそう。
そんなことを考えて、勝沼ぶどう郷駅までの特急券をチケットレスで買っておきました。
あとはまあ、適当に。
1日目(八王子→勝沼→甲府→石和温泉)
かいじ(ざわ...)
朝に早起きしての出発。晴れているけれど、空気は冷たく。
八王子駅から乗った、特急「かいじ」はほぼ満席。外国人観光客も結構乗っています。大月から河口湖方面に向かうのでしょうか。
昨年末以来の久々な温泉旅で、少しそわそわしつつ車窓を眺めると、中央自動車道が見えます。
JRの線路より重厚なインフラ。いつかは車で山梨へ行きたいところです。
そろそろ咲きそうな桜の木を時折見つけつつ、電車は山梨県へと入っていきます。
大月駅で多くのお客さんが降りました。
大月から先はトンネルが多くて、入ったり抜けたりを繰り返して、次の勝沼ぶどう郷駅に停車します。
ふだんは特急の止まらない勝沼ぶどう郷駅ですが、時期によっては一部の特急列車が停車します。ここでも、そこそこ人が降りていきました。
ぶどうの丘
これから「ぶどうの丘」へと向かいます。
「ぶどうの丘」は甲州市が運営する、ホテルとレストランと温泉がある施設。
甲州市内のワイナリーが作るワインの試飲もでき、その場でワインも買って帰ることができます。
道案内に従って、歩いて向かいます。
狭い道を通り、まだ芽が出てるかどうかというぶどうの木々の間を抜けて、アップダウンを経て、到着。
2年半ぶりの、ぶどうの丘。
さっそく試飲から。お金を払って、タートヴァンという試飲用の容器を受け取り、地下にあるワインセラーへ。
試飲用のワインボトルが、カテゴリ別に並んでいます。
白ワイン、赤ワイン、ロゼワイン・・・白ワインにもタイプが様々あります。飲んだことのなさそうなワイン、値段の高いワインなどなど、少しずつ試飲。
そうしてお財布と相談して、数本お買い上げ。1本ずつ箱に入れてくれました。最近は箱に入れてくれるのが珍しいです。
荷物がずしり重くなります。荷物は重くっても、気分は軽い。駅まではすぐだったような。
いさわ
さて、この先どうしよう。駅で電車を待つ間、考えます。
今日の宿がある石和温泉で降りるか、それとも甲府まで行ってしまうか。あるいは少し前にテレビで見た名刹、甲斐善光寺に行くか。。
迷っているうちに電車が来て、乗ってからも結論が出ないでいると、電車はもうお石和温泉駅に。いいやもう、思いつきで降りてみました。
ちょうどお昼の時間。
石和温泉も久しぶりでよく分からないので、まずは観光案内所で、駅から近くてワインも飲めるお店を複数教えてもらいます。
それらのお店を1つずつ見て回り、フィーリングで和食のお店へと入ってみました。
お昼なのですが、夜の注文のように、ワインとおつまみを少しずつ頼んでいきます。
厚焼き玉子、馬刺し、山芋。。ごちそうさまでした。
ごちそうさまの後、まだチェックインまでは時間があります。
少し時間を持て余しそうな気がしたので、また電車に乗って、2つ隣の甲府駅へと向かいました。
やあ、また来たよ甲府。
駅から近い有名なカフェで、コーヒー豆を買ってコーヒーをいただき、それから駅ビルで夕食を買ってまた電車に乗って、石和温泉駅へと戻っていきます。
駅から歩いて、今日の宿へチェックイン。
今回は「全国旅行支援」が適用されるので、宿泊料が割引になるのと同時に、地元で使えるクーポン券をいただくことができました。
お部屋に荷物を置いてひと風呂してから、宿の近辺を散歩します。
石和温泉は、全国でも数少ない、ワイナリーのある温泉街。
宿から歩いて行けるところに、2つのワイナリーがあります。今回は片方の「モンデ酒造」へ。
ワイナリーまでは住宅街や公園を抜けていきます。観光地というより、地元の人の日常生活の間を歩いていく感じ。
もう夕方で、ワイナリーも閉店間際だったのですが、チェックインの際にいただいた「全国旅行支援」のクーポン券で、お目当てのワインを購入できました。
あとは宿に戻って、のんびりこもって過ごすだけ。。
2日目(石和温泉→甲斐善光寺→甲府→八王子)
甲斐善光寺へ
朝は結構寒いです。甲府盆地は、寒暖の差が大きいところ。
はだけた浴衣を強引に整え、階段を降りて朝風呂へ。寒いと朝のお風呂が幾分ぬるくて、気持ちが良いものです。
食事は8時半くらいに、、と思っていたのですが、焼きたてのパンの匂いにつられて、少し早めに朝食の用意されたキッチンへ。
窓際のカウンター席でパンとサラダをいただきます。窓の外は住宅街ですが、晴れた空と日光が明るくて、ほんのりと幸せに。
そんな風に、9時半過ぎまで宿でゆっくり過ごしてチェックアウト。
お世話になりました。
今日は甲斐善光寺に行ってみようと思っています。有名なお寺ですが、あいにく行ったことがありません。
宿を出る前に少し調べたところ、石和温泉から電車でお隣の酒折駅に出て歩くか、甲府市に向かう路線バスに乗ってお寺の近くまで行くか、の2択のよう。
バスの方が歩く距離が短そうだと思って、路線バスに乗ることにしました。
数名のお客さんを乗せ、バスは狭い道を西へと走っていきます。途中で新しそうな大学のキャンパスの入口に寄り道。
きっと電車なら数分の距離を20分ばかりかけてゆっくり進んでいるようです。
善光寺入口というバス停で下車。
すぐ近くに善光寺への参道があって、そこからまっすぐ歩いていき、電車の線路をくぐった先に大きな門が、見えてきます。
平日でしたがそれなりに参拝のお客さんが来ています。
門をくぐって、広い敷地内を散歩してから、本堂へ。梅の花がきれい。
本堂は、拝観料を払って中を見学できます。何と拝観料はSuica払いができました。ちょっと面白くて、敢えてSuicaで支払います。
甲斐善光寺のルーツは戦国時代。
今の山梨県・長野県をおさめた大名「武田信玄」が、今の長野市にある善光寺を自身の地元に移してきたのがきっかけのよう。
武田信玄が亡くなって数年後に武田家は滅んでしまいますが、その後も徳川家が善光寺を支援して、続いてきたといいます。
そんな歴史を感じつつ本堂を見て回り、本堂の裏側で「戒壇めぐり」の体験へ。
真っ暗で狭い通路を、手すりの感触だけを頼りにして通り抜け、錠前に触れると幸せになれるという。。
何も見えない中、他の参拝客の話声と、左手でつかんでいる手すりの感触を頼りに、ぐるっと回って出てきました。
怖かった。錠前を触れたかどうかは分かりません。
本堂の脇には宝物殿があり、本堂の拝観券があれば中を見ることができます。
いい国つくろう鎌倉幕府の、源頼朝の木像が展示されていました。
自分の学生時代、歴史の教科書で見た源頼朝像といえば、京都の神護寺にある肖像画ですが、今の教科書にはここ甲斐善光寺にある木像が載っているとか。
かいてらす
さてお参りを終えて、ふと案内板を見ると「かいてらす(山梨県地場産業センター)」がここ善光寺から近いと分かります。
徒歩1分とあり、ほんまかいなとGoogleマップで聞いてみても、徒歩3分とのこと。
「かいてらす」はお土産を買ったり食事をしたりができますが、人も少なく穴場的な存在です。
ぜひ寄ってみることにしましょう、歩いてすぐです。
久しぶりの、かいてらす。
山梨県のお土産と言えばワインで、ここかいてらすにも試飲スペースがあるのですが、あいにく感染症対策でお休みしていました。
ほうとう、甲府鳥もつ煮、あわびの煮貝、ご当地サンリオグッズ(これは子供に)等々、お土産を買います。
バスに乗れず身延線に乗る
かいてらすから甲府駅までは、路線バスがあったはず。
そう思い出してバス停に行ってみると、バスは土日祝日のみの運行のよう。今日は平日です。
仕方ないので、先ほどバスを降りた「善光寺入口」まで歩くことにしましょう、歩くといっても10分そこそこですし。
善光寺を背に参道をまっすぐ歩き、善光寺入口のバス停へ戻ってきました。それで時刻を見ると、少し前に2本のバスが通り過ぎて行った模様。
ローカル路線バスの難しさを感じますが、ここでギブアップではありません。すぐ近くに、JR身延線の「善光寺」駅があります。甲府までは2駅。
階段を上ってホームに上がります。20分ほど待てば次の電車が来るようです。
小高いところにあるホームは結構眺めがよくて、向こうにはうっすらと白い富士山が見えます。
静かなホームでたたずんでいると、真下にある道路を路線バスが走ってきて走り去っていきました。先ほど「通り過ぎて行ったかな?」と思っていたバスのようです。
バスはだいぶ遅れていたみたいですが、今から階段を駆け下りてバス停に戻っても間に合いません。
諦めて電車を待っていると、また1台バスがやってきて通り過ぎていきました。
電車に乗らずバス停で待っていれば良かったのでしょうけど、そんなことになるとは分かりません。
富士山のほうから、身延線の電車がやってきました。整理券を取って乗り込みます。身延線はほとんどの区間が、Suica等のICカードが利用できません。
電車はやがて中央本線の線路に寄り添い、金手駅に止まった後、終点の甲府駅に着きました。
整理券を持って甲府駅の改札口へ。
甲府駅はSuicaが使えるからでしょうか、運賃の支払いはSuicaでできました。ピピッ。
OKAJIMA/KoKori
さて、お昼時です。
平日なので、ランチを食べに出てきた会社員風の人が街を歩いています。駅の近くに美味しいパスタ屋さんがあるのですが、行列していました。
ほうとうの「小作」や、鳥もつ煮がいただける「奥藤」も少し列ができています。
まだそこまでお腹も空いていないので、少し歩いてみることにしましょう。久しぶりの甲府の街です。
地方都市の百貨店はだいぶ少なくなりましたが、甲府には岡島百貨店があります。地価のワイン売り場が広くて、時々ワインを買ったものです。
この岡島百貨店ですが、近くのビル「ココリ」に移転し、リニューアルオープンしていました。
売り場面積は小さくなったようです。地下の洋酒売り場も小さかったのが残念。
かつて甲府にはもう一つ百貨店がありました。山交百貨店です。
ここは今はヨドバシカメラになっています。その地下にスーパー「ロピア」ができていました。
ワイン県だからでしょうか、ヨドバシカメラにもロピアにも甲州ワインが売られているので、ちょっと確認。
そんな散歩をしてから、カフェで軽くお昼をいただきました。食後にコーヒーをいただきつつ、帰りの特急列車を予約。便利な世の中です。
今回も山梨県を堪能できました。駅のホームに降りていくと、特急かいじ号がゆっくりやってきます。
今回の旅のまとめ
特に意識はしていないつもりでも、3月になると山梨県の温泉に、春を感じに出かけています。
まさに花より団子で、ワインを楽しみつつ、ふらふら散歩して帰ってきている・・・だけではあるのですが、そういうささやかな感じが毎度幸せです。
勝沼のぶどうの丘は、ワイン好きには楽しいところ。ホテルもレストランも温泉もあるので、いつかゆっくり泊まってみたいと思っています。
石和温泉は、そんな勝沼と甲府の間にあります。今回みたいに、勝沼と甲府とを両方観光するときには、石和温泉に泊まるのもいいかもしれません。
甲府は静かな街ですが、県庁所在地なので街の規模はなかなか大きく、そして少しずつ新しくなっているのを感じます。
街が部分的にアップデートされていくのを見たりするのも、街歩きの楽しさですね。また少ししたら、甲府の街を歩いてみるつもりです。
今回行った場所
(今回の温泉旅で出かけた観光スポット、お店等のリンクを後日紹介予定です。)
さて、今度はどこへ行こうかな。