久しぶりの更新になりました。
そして、久しぶりに行ったことのない温泉に行きたい、と思って出かけた温泉旅のことを書きます。
行ったことのない温泉に行きたくなるのは、我ながら珍しいことです。普段は同じところに繰り返し訪れるのを好むのですが。
よく温泉旅に出かける栃木県でも、ひとりで泊まれる宿がある、名の知れた温泉へは結構行ってきたつもりです。
そんな中、今回の「馬頭温泉」はノーマークでした。那須・塩原からは那珂川をはさんで反対側です。そもそもこのエリアに行ったことがなかったのです。
どうやったらたどり着けるのか、交通の便もよく分からずでしたが、今回は珍しく、事前にいろいろ調べて、行ってみました。
旅の計画
普段の温泉旅はとんぼ返り的な感じになりがちですが、今回はちょっとルートに工夫を凝らします。
- SL列車も走る「真岡鐡道」(もおかてつどう)に乗る。
- 真岡鐡道の次は、自治体が走らせるバスを乗り継いで、最後は歩いて馬頭温泉まで行く。
- 帰りは、栃木県のローカル線、JR烏山線に乗る。
- 〆は宇都宮で餃子を食す!
1日目(小山→下館→茂木→市塙→烏山→馬頭温泉)
↑普段の旅行記に比べて見出しが長い。そう、乗り継ぎの多い旅なのです。
真岡鐡道に乗る
小山までは宇都宮線の普通列車のグリーン車で向かいます。小山駅は東北新幹線の駅もありますが、近距離なので普通列車でもさほど遠くはありません。
小山駅ここからJR水戸線に乗ります。恐らく水戸線は初めてです。ロングシートの静かな車内にぽつんと座り、雨が降る郊外の車窓を眺めます。
そうして下館(しもだて)駅で降ります。ここから真岡鐡道に乗り換えです。
少し待ってSL列車に乗っても良かったのですが、待ち時間がそこそこあったので、やって来た普通列車に乗りました。スイカなのでしょうか、不思議な絵柄の車両。。
さっきの水戸線に続いて、これまた車内の座席はロングシート。車窓は見づらいのですが、仕方がないですね。
1両編成の列車はだだっ広い関東平野を少しずつ登り、終点の茂木駅に到着です。降りてきたお客さんがいなくなると、静まり返る駅前。皆さんどこに行ったのでしょう?
駅近くのそば屋でお昼にそばをいただきます。黒々として太い麺。田舎蕎麦、というのでしょうか、こういう感じのそばも好きです。
http://sobahiro.fc2web.com/index.html
この日は夏祭りがある日だったのでしょうか?お店の近くの広場で、露店などが準備中でした。
駅に戻って次の列車に乗ろうと思うと、SL列車が来ていました。小さな機関車です。茂木の駅に着いて休憩しつつ方向を変えて、帰る支度をしていました。
そんな機関車を横目に、スタンバイしていた普通列車に乗ります。
那須烏山市営バスに乗る
茂木から3つ目の市塙(いちはな)駅。ここで降ります。暑い暑い、無人駅。
ここからバスを乗り継いで、今日の宿がある馬頭温泉へと向かうのです。まずは、那須烏山市営バスの「市塙黒田烏山線」で、烏山(からすやま)へ。
なかなかバスが来ないなと不安になりつつ、数分遅れでマイクロバスがやってきました。乗ったのは自分と、もう1人だけ。
バスは道の駅に寄ったり、細い道に入ったりしつつ、よく分からないのですが烏山を目指していました。暖かい夏の日、眠くなり。
目が覚めたら、終点の烏山駅まで来ていました。
烏山。これまた、静かな街です。次のバスまで少しだけ時間があるので、烏山をのんびり散歩します。
ちょうど夏の甲子園の時期で、地元栃木県代表の作新学院高校の試合がある日でした。やってるかどうか分からないお店の奥の方から、テレビの音が聞こえてきます。
(後日、作新学院は優勝したわけですが。)
暑い日だったからか、皆さん野球を見ていたのか、外を歩いている人はほとんどいませんでした。
喫茶店でアイスコーヒーを飲みつつ涼みたかったのですが、あいにくやっているお店が見当たらず、で。
烏山駅に戻ってぼーっと待っていると、列車が静かにやってきました。「ACCUM(アキュム)」という車両で、スマホのように充電して電気で走る電車?です。
烏山線は、普通の電車(電気で走る列車)が走れないので、烏山駅に着いたACCUMは、のんびり充電をするのでした。
那珂川町営バスに乗る
ここ烏山から、もう1回バスに乗ります。今度のバスは那珂川町営バス「馬頭烏山線」。これも自治体が走らせているバスです。我ながらマニアックです。
小型のバスがやってきました。乗ったのは自分ともう1人の少年のみで、その少年は途中で降りてしまいました。あとは中高年の自分と、運転手さんだけの車内。
いろいろ運転手さんと話をしつつ、バスは町の中をぐるりと回ります。
烏山も寂れてしまったとか、みんな市外に買い物に行く、とか。バスも烏山行きより、西那須野駅行きの方が本数が多いよ、とも教えてもらいました。
でも「ローカル線の烏山線に乗りたいんで、明日このバスに乗ります」とか話しているうちに、バスは那珂川を渡って、降りるバス停が近づいてきます。
「帰りも会うかもね」と言われて、バスを降りたのでした。次の日、その運転手さんが運転するバスに乗るかも知れないので。
さて、バス停からはそこから2キロ以上歩きます。
馬頭温泉へは、バスの便がありません。なので、最寄りのバス停から歩いていくか、宿が可能ならお迎えをお願いすることになります。
今回は歩くことにしました。歩いてみると上り坂で、なかなかの距離です。そして、遠くに見える那珂川は、結構広くて大きい川だったのでした。
途中で少し雨が降り、蒸し蒸ししながら、ようやく今日の宿「ささや荘」へ到着です。
2日目(馬頭温泉→烏山→宇都宮)
宿で2食付きにするとどうしても満腹になってしまうので、この時は「夕食のみ」で泊まったのでした。朝に宿をチェックアウトします。
朝食をどうするかは、ここに来るまでノープランだったのですが、バス停のそばにある道の駅「道の駅ばとう」で何か食べられそうです。
暑い中、道の駅は朝から営業していました。あいにくレストランは開店前だったのですが、売店に次々と、野菜とお惣菜が運び込まれていきます。それで朝ごはん。
暑くて朝から、デザートにジェラートもいただきました。
時間を見計らってバス停に行き、やってきたバスで烏山へ戻ります。運転手さんは別の人でした。この日はそこそこお客さんが乗っていてちょっと安心します。
そうして烏山駅に戻ってきました。ここからはJR烏山線に乗ります。
やってきた列車は、昨日見かけたACCUMではなく、その後で烏山線からは引退した、キハ40という昭和時代からの古いディーゼルカーです。
中に入ると、長い長いロングシート。いったいこれは何人掛けなのだろう・・・
古びたキハはゆっくり坂を下っていきます。ひまわりがきれいだったり、無人駅が静かだったり、ACCUMとすれ違ったり、眠くなりそうなローカル線の旅でした。
終点は宇都宮です。駅西口のみんみんで餃子を食べて、さて、帰りましょう。
今回の旅のまとめ
- 真岡鐡道には、SLが走っています。
- 市塙→烏山、は結構乗り継ぎの難易度が高いです。自治体が走らせているバスの情報は、その自治体のウェブサイトに行かないと分からないので、情報を見つけにくいのが難点です。
- 馬頭温泉へは、公共交通機関のみでは行けないので注意。車以外で行くときは、最寄りのバス停から歩くか、宿のお迎えをお願いしましょう。
- 道の駅で朝食を取ったのは初めてだったのですが、割と午前中の早い時間帯から営業していたので便利でした。
- JR烏山線は、現在はACCUMのみが走っています。充電した電気で走る、珍しい車両です。
今回も、よく歩いた旅でした。
さて、今度はどこへ行こうかな。