今回は、ローカル私鉄の特急列車のことを書きます。
長野駅から、湯田中渋温泉郷の玄関口「湯田中」に向かう、長野電鉄の特急「ゆけむり」「スノーモンキー」を紹介したいと思います。
ゆけむり・スノーモンキーの概要
長野電鉄 長野線(以降「長野電鉄」と書きます)を走る特急電車です。車両が2種類あって、それぞれ「ゆけむり」「スノーモンキー」という名前がついています。
特急列車ということで特急料金が必要ですが、特急料金は、おとな100円。気軽に乗れます。自由席なので、空いている席に座りましょう。
ほとんどの列車が、長野電鉄の全区間、長野駅と湯田中駅とを結んでいます。一部の列車は、途中の「須坂駅」や「信州中野駅」までしか行きません。
本数
特急列車の本数は割と多くて、日中は1時間に1本程度走っていることになります。
- 長野駅~湯田中駅:1日8本
- 長野駅~信州中野駅:1日3本(信州中野行き)、1日2本(長野行き)
- その他:「須坂駅→長野駅」「信州中野駅→須坂駅」が各1本ずつ
なお、土日・祝日には、もう1本「ゆけむり~のんびり号~」も走っています。
停車駅・所要時間
止まる駅の少ない「A特急」と、止まる駅の多い「B特急」があります。停車駅は、
- A特急:長野、権堂、須坂、小布施、信州中野、湯田中
- B特急:長野、市役所前、権堂、本郷、信濃吉田、朝陽、須坂、小布施、信州中野、湯田中
となっています。A特急の方がもちろん所要時間は短くなっています。まあ、若干ですが。
- A特急:長野から小布施まで約20分強、湯田中まで約40分強
- B特急:長野から小布施まで約30分弱、湯田中まで約50分強
ちなみに普通列車はと言えば、
- 普通列車:長野から小布施まで約35分前後、湯田中まで約70~80分
結構差が出てきますね。
特に、長野駅から湯田中駅まで行く普通列車はなく、途中の信州中野駅で乗り換えることになるので、湯田中駅まではさらに所要時間がかかっています。
最終列車の時刻
東京駅から湯田中駅まで、最終列車のアクセスは以下の2通りです。(2021/10現在)
まず、長野駅から特急でまっすぐ湯田中に行くパターンです。
- 東京17:32→(北陸新幹線)→長野19:18/19:40→(B特急ゆけむり)→湯田中20:29
もっと遅くに東京を出る場合、最終の特急列車が途中駅止まりなので、乗り換えになります。
- 東京20:12→(北陸新幹線)→長野21:51/22:14→(B特急ゆけむり)→信州中野22:50/22:53→湯田中23:08
かなり遅くなりますが、湯田中駅から歩いて行ける宿では、遅い時間にチェックインできるところも結構あるようです。
運賃・料金
長野駅から主な駅までの運賃・料金は以下の通りです。
- 長野~須坂:650円(運賃550円、特急料金100円)
- 長野~小布施:780円(運賃680円、特急料金100円)
- 長野~湯田中:1,290円(運賃1,190円、特急料金100円)
長電フリー乗車券
特急列車含む、長野電鉄に乗り放題のきっぷもあります。
- 1日用:2,070円
- 2日用:2,580円
2日用はちょうど、普通のきっぷで長野から湯田中までを特急で往復した料金の合計と同じ金額になります。途中下車しないとお得にならないということですね。
ICカード
長野電鉄ではICカードは利用できません。紙のきっぷを買いましょう。
車両の紹介
次に、車両の紹介をします。
ゆけむり(元小田急ロマンスカー)
特急「ゆけむり」の車両は、もともと首都圏で小田急のロマンスカーとして走っていた車両です。
最前列の席が眺めが良いので人気。2021年から先頭車両は指定席になり、事前に予約できるようになったようです。指定席料金は300円。
スノーモンキー(元JR成田エクスプレス)
もう片方の特急「スノーモンキー」の車両は、もともとJR東日本の特急「成田エクスプレス」として、首都圏を走っていました。
昔も今も、訪日外国人観光客を多く乗せて走ります。
そう、特急列車の終点、湯田中駅のさらに先にある「地獄谷野猿公苑」では、温泉に入る野生のニホンザル「Snow Monkey」がいて、外国人観光客に人気なのです。
それで命名、スノーモンキー。
こちらも1号車のみ指定席になっています。指定席料金は「ゆけむり」と同じく300円。この1号車には個室があって、1部屋1,000円の追加料金を払えば利用できます。
ゆけむり~のんびり号~
土日・祝日限定で、観光列車「ゆけむり~のんびり号~」が走っています。その名の通り「ゆけむり」の車両を使った列車で「のんびり」走るのだそうです。
観光案内列車『特急ゆけむり~のんびり号~』 | yukemuri | 快適生活サポート事業グループ ながでんグループ
乗ったことがないのですが、これ、結構楽しそうだな。
ゆけむり・スノーモンキーに乗ってみた
長野~須坂
長野電鉄の長野駅は地下にあります。少し暗くて古びた感じのする駅で、大都市の地下鉄の駅とはまた違った雰囲気です。
さて、特急電車に乗ります。
お伝えし忘れていましたが、ここではA特急に乗っている、ということにします。
特急電車は長野駅を出ると、しばらく地下を走ります。トンネルの中、結構なスピードを出します。最初の駅は権堂駅。ここはまだ地下です。
権堂駅を出てしばらくすると地上に出て、長野市の郊外を元気に走っていきます。途中、場合によっては反対側からやって来る特急電車とすれ違ったり。
やがて線路は単線に。反対側の電車とすれ違う時は、駅でゆっくりすれ違うことになります。
そして、千曲川を鉄橋で渡ります。真横に道路の橋も並んでいて、車と競争している気持ちになりました。
そうして、次の須坂駅。以前は、ここ須坂駅から屋代線というローカル線が出ていたのですが、2012年に廃止になってしまいました。
写真は、廃線になった屋代線の松代駅です。
須坂~信州中野
須坂駅の次は小布施駅。小布施は観光地として有名ですね。乗り降りする人も多いです。
小布施駅には「ゆけむり」「スノーモンキー」がデビューする前に走っていた、古い特急の車両が保存されています。
2007年に乗ったことがありますが、乗り心地含め、古さを感じる電車でした。
その次が信州中野駅。線路も多く、駅も立派な作りです。
長野駅から来るほとんどの普通電車と、一部の特急電車はここ信州中野が終点になるので、湯田中方面に行くには乗り換えることになります。
なお、信州中野駅からも、飯山市の「木島駅」まで長野電鉄が走っていましたが、こちらは2002年に廃止になっています。
木島駅跡は、2018年までバスの営業所として残っていました。
信州中野~湯田中
ここまで結構なスピードを出して走ってきた特急電車も、信州中野駅から先はスピードを落としてゆっくり走るようになります。緩やかな上り坂になっています。
車窓はリンゴ畑。その向こうに山々が見えるなあ・・・と眺めていると、終点の湯田中駅に到着。
海外からの観光客が降りていきます。ご乗車お疲れさまでした。
お乗り換え
湯田中駅の目の前が、湯田中温泉の温泉街です。
その向こうに渋温泉があります。歩くと20分そこそこかかるので、歩きたくない方は湯田中駅からバスでどうぞ。
志賀高原も同じく、ここ湯田中駅からバスです。
まとめ
長野駅から小布施、湯田中渋温泉郷、志賀高原方面へ行くのに、特急「ゆけむり」「スノーモンキー」は便利な列車です。
普通電車でも行けるのですが、乗り換えもあり、所要時間も長くなります。特急料金は100円なので、特急ですが気軽に利用すると良いでしょうね。
また、この列車は訪日外国人観光客の利用が多く、帰りに湯田中駅から乗るときはかなり混雑することも多いので、乗る際は早めに駅に行った方が良さそうです。
さて、今度はどこへ行こうかな。