9月のシルバーウィークの前後に少しだけ時間ができ、近いところで温泉旅をしてきました。
旅の計画
最初は車で行こうと思っていたので、遠くないところに行こうと検討します。あまり長距離の運転には自信がなく。
ぶどうの美味しい季節ですし、(8月も行ったのですが)隣県の山梨県にまた行きたくなりました。
そんな山梨県の温泉の中でも、首都圏から比較的近いところにあるのは、甲州市の塩山(えんざん)温泉。
割と静かなところですが、ワイナリー巡りも楽しめるエリアです。
ということで塩山温泉の宿を予約。塩山温泉に泊まるのは5年ぶり。
高速道路の渋滞に巻き込まれたくなかったのと、現地で甲州ワインを飲みたくなるだろうなと思い、結局は車をやめてJRの特急で行くことにしました。
1日目(八王子→塩山)
あずさ
朝の八王子駅に着きます。
2023年は残暑が続いた年でしたが、9月も下旬になり、朝は半袖だと少し寒さを感じるくらいに。
八王子から、中央線の特急「あずさ」に乗ります。
多くの「あずさ」は今回の目的地の塩山駅を通過しますが、朝に都内を出る「あずさ」は塩山駅にも停車します。
駅の案内放送によると、既に満席とのこと。乗り込んでみると、海外からの観光客や、家族連れが多く乗っていました。
20分ほどで、次の大月駅。ここで結構人が降りていきます。
大月の次が、今回の目的地の塩山。ここ塩山駅でも降りる人が多かったです。自分も下車。
塩山駅の改札を抜けて階段を降りると、目の前はタクシーとバスの乗り場がありました。多くの人が、バスやタクシーに乗り換えていきます。
ここ塩山から、タクシーで地元のワイナリーに向かったり、バスで山のほうに向かい登山をしたり、という人が多そう。
確かに塩山は、ワイナリーのある勝沼にも近いですし、大菩薩嶺や金峰山などの玄関口でもあります。
そんな自分は、ロータリーの一番奥のバス停でバスを待ちます。これから乗るバスも、山のほうに向かう、西沢渓谷行きでした。途中で降りるつもりですが。
恵林寺
さて、マイクロバスより少し大きいくらいの、小さなバスがやってきます。案内係の人がいて「PASMO等のICカードは使えますのでご安心ください」と言いました。
バスはゆっくり塩山の町中を抜け、線路をくぐって北へと向かいます。
10分ほど乗って、途中の恵林寺(えりんじ)で下車。
ここ恵林寺は、戦国時代にこの辺を支配した有名な戦国大名、武田信玄ゆかりのお寺です。信玄の墓もあります。(毎月12日のみ公開)
広い敷地をゆっくり見て回り、拝観料を払って本堂に入りました。廊下を歩きつつ、きれいに整えられた庭園を眺めていきます。
お寺の庭園を見るたびに、このきれいな姿を維持するのはどれだけ大変なのだろう・・・と思います。
海外からの観光客が団体で来ていました。日本人のガイドさんが丁寧な英語で、お寺のこと、仏教のこと、神社との違いなど説明しています。
こんなところにまで、海外の人が来るんですね。時代を感じます。
ぐるり回って、次は本堂の手前にある宝物館へ。ここは先ほどの本堂とは別料金と聞き、少し驚きつつも見てみたかったのでお金を払い、中へ入ります。
武田家関連の書状、鎧、武具、肖像画など、なかなか見応えのある展示でした。
敷地の中や、その近くには食事ができそうなお店もいくつかあるようでした。
が、まだお腹が空いていないので、そのまま帰りのバスに乗って塩山駅に戻ることにしました。
塩山駅行きのバスには誰も乗っておらず、乗客は自分だけ。
ここ最近、バスの運転士が不足しているというニュースを目にすることが多く、複雑な気分です。
ワイン
さて、塩山駅に戻ってきました。
今度は駅から南に歩いて向かい、ワイナリーを目指します。
山梨県のワイナリーと言えば、お隣の勝沼に数十件ありますが、ここ塩山にもいくつかワイナリーがあります。
塩山駅から歩けるところでは「甲斐ワイナリー」があります。10年くらい前に行った記憶があるのですが、よく覚えておらず、気分は初訪問。
閉店した古いお店や、古い蔵が並ぶ狭い道を15分ほど歩いて行き、甲斐ワイナリーが見えてきました。
江戸時代に建てられたという古い建物に入ります。
ワインの試飲をお願いすると、白ワインであれば試飲できるということなので、いくつか試飲させていただきました。
その中からワインをいくつか買って、お隣にあるカフェ「古壺」へ。
甲斐ワイナリーがやっているカフェで、ワインと軽食がいただけます。
先ほどワイナリーで白ワインを試飲したので、今度は赤ワインを注文し、レバーペーストと一緒にいただきました。
週末なのに、ここまで他のお客さんはおらず、静かに過ごせました。たまたまかもしれませんが。
ワインを買って少し重たくなった荷物を背負い、塩山駅へと戻ります。
馬刺し
お昼どきなので、駅前のほうとう屋さんで、馬刺しと鳥もつ煮をいただきました。いずれも甲州名物です。
ここのお店も、最初は自分以外にお客さんはおらずでしたが、やがてたくさん人が入って来ました。
混んできたところでお店を出ます。ごちそうさまでした。
普段は行き当たりばったりですが、今回はそこそこ事前に塩山の観光スポットやお店を調べてあり、スムーズに進んでいきます。
次は、食後のコーヒーを飲もうと、駅の近くのカフェへ入りました。このお店も調べていました。
席に座り、紙に注文を書いて、ベルを鳴らしてお店の方に紙を渡します。
カフェラテが美味しかったので、そのカフェラテに使われていたコーヒー豆も買って帰りました。
カフェの並びの果物屋さんでシャインマスカットも買い、汗ばみつつ塩山駅の反対側に出て、すぐ近くにある「甘草屋敷」という建物を見学します。
甘草屋敷は、江戸時代の後期に建てられたという、2階建ての大きな日本家屋です。古い建物の多く残る町、塩山。
家にあるかなり古いガイドブックには「甘草屋敷は非公開」と書かれていましたが、今は甲州市が整備していて、中を見学できるようになっています。
外は少し汗ばむくらいの温度でしたが、建物の中は風通しも良くて、涼しくてひと息つけました。
チェックインできる時間が近くなり、甘草屋敷を出て今日の宿を目指します。
歩いて10分ということで、スマホの案内を頼りに、ぶどう畑と民家の並ぶ細い道を歩いていたのですが、何故だかGPSの向きがおかしく、少し迷います。
スマホはあきらめ、紙の地図を見て、今日の宿へチェックイン。
夕暮れ
宿のお部屋に荷物を置いて、ぬるめの温泉で汗を流してから、夕方に宿を出て塩山駅まで散歩してみました。
塩山温泉と塩山駅との間には、古びた商店街があります。日曜だからでしょうか、多くのお店がシャッターを下ろしていました。
夕暮れ時の少し暗い空と相まって、少しだけ寂しい気持ちにもなり。
ただ、ゆっくり散歩していたら、お腹が空いてきました。
宿に戻って夕食をいただきます。
またお風呂に入って、お部屋に戻ると健康的に眠くなってきました。ふだんよりはだいぶ早い時間ではありますが、おやすみなさい。。
2日目(塩山→八王子)
早く寝たら早く起きるというのは、もしかしたら年のせいかもしれません。
崩れた浴衣を無理やりに整えて部屋を出て、朝風呂へ。もう宿を出る支度をしている人を見かけました。朝から山を目指すのでしょうか。
こっちはのんびり、朝のお風呂に入ります。
お部屋に戻り、着替えたり荷物をまとめたりしていると、お部屋の電話が鳴ります。朝食の準備ができたようです。
旅館の朝食は、いつもながらおかずの種類が多くて嬉しいもの。ついついご飯もおかわりしてしまいます。
満腹になってお部屋に戻り、もう1度布団でうだうだしてから、チェックアウト。お世話になりました。
前の日の夕方に歩いた昭和風な商店街を抜け、塩山駅へ向かいます。まだシャッターが下りたままのお店が多いのは、朝だからでしょうか。
昨日コーヒーを飲んだカフェが空いていたので、また飲み物を注文します。今回は時間がないので、テイクアウトで。
今日はお昼に帰宅しないといけないので、まっすぐ帰るだけ。
特急「かいじ」がやってきました。平日なので空いています。
「かいじ」は小一時間で山梨県を抜けて、相模湖、高尾と、徐々に日常が近づいてくるようです。
今回の旅のまとめ
甲州市の塩山は、山梨県の東側にあります。温泉宿も数件ありますが、首都圏からは近いので、日帰りもできる距離ではあります。
今回はゆっくりしたくて、あえて、日帰り圏内の温泉宿に泊まって過ごしました。
昭和レトロな街並みが残る塩山の町を歩きつつ、武田信玄ゆかりの史跡や、甲州ワインを作っているワイナリーを見て回り、山梨県ならではの温泉旅を楽しめました。
日帰りできそうな近場で泊まるのは、移動時間が少なくて良いものです。
夕方に「このまま電車乗っちゃえば家に帰れるな」と頭の中をよぎったのですが、それをせずに一泊、というのは、ちょっとした非日常とか、贅沢なのかもしれません。
さて、今度はどこへ行こうかな。