2021年の5月と6月は自宅で過ごしていましたが、7月に入り、久しぶりに静かな温泉旅へ出かけることにしました。
ここ最近の温泉旅では、山梨県、長野県、群馬県に出かけていたので、今回は新潟県に行くのはどうだろう、と、まずは宿を探すところから。
旅の計画
予算の範囲で泊まれそうな宿をいくつか調べてから、前から気になっていた「越後田中温泉」の宿を予約しました。
一軒宿です。「日本秘湯を守る会」の会員宿でもあるとのこと。
遠いところにあるのかなと思いきや、新幹線の駅からバス、もしくはJR飯山線の駅から歩いて行けるようです。
次に、越後湯沢までの上越新幹線「たにがわ」を往復で予約しました。格安の割引きっぷ「お先にトクだ値」が取れました。
上越新幹線と言えば「Max」と呼ばれる2階建て新幹線が2021年の秋に引退することになっています。
そこで、行きも帰りも2階建ての「Maxたにがわ」を選びます。最後に乗っておこうというわけで。
また、越後湯沢でお土産を多く買おうと思い、湯沢町へのふるさと納税をして返礼品にいただいた「ありがとう湯沢応援感謝券」も持っていきました。
1日目(東京→越後湯沢→浦佐→越後田中)
Maxに乗る
朝の東京駅。東北方面と北陸方面に向かう新幹線が、頻繁に出て入ってを繰り返しています。
少し早く着いたので、ホームで他の新幹線を何度か見送ってから「Maxたにがわ」がやってきました。巨体。。


数か月後に引退することは有名なのでしょうか、多くの人がMaxにスマホを向けて写真を撮っていました。
ホームの人たちから注目を浴びたMaxですが、実際に乗った人は少なく。予約した1階席には、自分含めて2人しか乗っていませんでした。
ガラガラの車内、駅弁を食べてからリクライニングをぐいっと倒してリラックス。外は、梅雨の合間の、いい天気。


寝不足だったこともあり、途中から眠ります。熊谷、本庄早稲田、高崎、上毛高原と、駅に着いたときに目が覚めますが、また眠り。。
Maxたにがわは、越後湯沢駅が終点です。
ホームに着く前に起きて、越後湯沢駅で降りることができましたが、これが新潟行きの「とき」だったら、寝過ごしていたかもしれません。


越後湯沢
新幹線の改札を抜けて、越後湯沢の駅ナカへ。
時計は9時半を少し過ぎたところ。お土産店や飲食店が並びますが、ほとんどのお店がオープン前のようです。
以前は多くのお店が朝から営業していたような記憶もあります。旅行者が少なくなって、営業時間を短縮したのかも知れません。
そんな中、開いていたカフェへ入りました。このカフェには何度か行ったことがあり。
水出し温泉珈琲を、奥の席でごくり。
ゆっくりしてからお店を出ると、そろそろ10時というところ。これから、あちこちのお店がオープンするようでした。
朝一番の「ぽんしゅ館」に入ります。
ぽんしゅ館の「唎酒番所」では、新潟県内各地のお酒を試飲できます。
今回は、今日泊まる津南町(つなんまち)のお酒を中心に試飲をしました。朝一番ということで貸切状態。もちろん、どのお酒も美味しく・・・。


ゆっくり浦佐へ
さて、これから向かう津南町に行くバスは、これから3時間以上後に越後湯沢駅を発車します。
それまで越後湯沢で過ごしても少し時間が余りそうだなと、思い付きでバスではなく電車に乗って津南町へとゆっくり向かうことにしました。
きっぷを買って、上越線の電車に乗り込みます。群馬県からトンネルを抜けてやってきた列車が、ホームで出発を待っていました。
車内はこれまた空いています。ボックス席に1人ずつ乗っている感じ。乗ってからすぐ、出発しました。
天気は曇り。たまに雨がぱらついてきたり、晴れ間がちらり見えたり。
30分ほどで、浦佐駅に到着。ここで途中下車します。
上越新幹線に乗っていると、越後湯沢駅の次がここ浦佐駅になります。
新幹線の駅があるので、駅の設備としては大きいのですが、駅の中も駅前も、がらんとしています。




ここ浦佐駅で降りた理由は、お昼を食べようと思ったからなのでした。
前の年に新潟県への温泉旅をした際に、駅前にあるお店でお昼をいただいたのですが、美味しかったので再訪しよう、と思ったわけで。
まだ11時、開店直後の店内はお客さんもほとんどおらず、ほぼ貸し切り。
時間はたっぷりあるので、地酒の呑み比べセットと、おつまみをいくつか注文します。茶豆、なす漬け、いかわた・・・。
こういう、居酒屋みたいな注文をする機会がここ最近ほとんどないので、本当にありがたいところ。




もちろん、店員さんに注文するときはマスク着用。カウンター席でしたが、お隣との距離は十分で、さらに仕切りがついていました。目の前は壁。
12時を過ぎて、少しずつお客さんが入ってきたところで、駅に戻ります。
ごちそうさまでした。
飯山線に乗って
また上越線の電車に20分ばかり乗って、越後川口駅へ。ここで上越線から飯山線に乗り換えます。
お隣のホームで、少し古びた列車が1両、上越線からの乗り換え客を待っていました。越後川口駅を出る飯山線の列車は少なく、乗り遅れたら大変です。
1両の車内には、そこそこお客さんが乗っていました。ロングシートの席に座ります。背中側に窓があり、車窓はあまりよく見えません。
おもむろに、走り出し。
無人駅にいくつか停車しつつ、曇り空の下、緑の田んぼを眺めていると、30分ほどで十日町駅。お客さんの多くがここ十日町駅で降り、また多く乗ってきます。
列車は、茶色く濁った梅雨時の信濃川に沿って離れてを繰り返しつつ、のんびり進みます。十日町駅から20分ほどで津南駅。ここでさらにお客さんが降りました。
そしてそのお隣、越後田中駅で降ります。女性の運転士さんにきっぷを渡し、ひとり無人駅のホームへ降りて、列車を見送りました。


物産館と、秘湯宿
まだ14時過ぎで、チェックインの15時までは少し余裕があります。
そこで、事前に調べておいた「津南観光物産館」へと歩いてみることにしました。信濃川を渡り、10分ほどの散歩です。


お酒、お煎餅、ミネラルウォーター、あとは蒸し暑かったのでコシヒカリソフトクリームを購入。意外にも、電子マネー払いができました。
ふらりと宿へ歩いて行きます。信濃川に沿って建っている、新しそうな宿でした。
2階のお部屋に上がって荷物を置き、まずひと風呂浴びてから、お部屋に戻って横になり。
最初はお部屋のWi-Fiが繋がらず、あれこれ設定をいじっていたのですが、後で知らないうちに、繋がるようになりました。
まあ、ネットなんてしないでのんびり過ごしなさい、ということでしょうか。
眠くなってきたので、ひと眠り。
18時に、お部屋の電話が鳴ります。お食事の準備ができました、とのこと。階段を降りて1階の食事会場へ。




野菜が多い食事と、新潟ならではのお酒を楽しみました。ごちそうさまです。
1件宿の夜、早めに眠ることにして、少しだけ飲んでから明かりを消しました。
久しぶりの静かな温泉旅だったからか、窓の外を流れる信濃川の音が気になったのか、なかなか寝付けずでした。深夜に2度、無人のお風呂を楽しんだりもしつつ。
2日目(越後田中温泉→越後湯沢→東京)
ゆったりチェックアウト
朝早くに目が覚めて、またお風呂へ。朝風呂と言えば結構混んでいることも多いのですが、早朝だったので、無人の朝風呂でした。
お部屋で浴衣のまま、朝食の時間までうつらうつらと過ごし。
8時になり、また食事の会場に行きました。朝食はこれまた美味しく、お櫃に入ったコシヒカリをたくさん食べました。かなりの満腹。
今日は路線バスで越後湯沢駅に戻ることにしていました。バスの出発はお昼前、チェックアウト時刻よりかなり後です。
ここの宿では、鉄道やバスで来た人には、その出発時刻まで滞在を延ばしていただけるサービスがあります。ありがたく、11時までお部屋で過ごしました。
ギリギリまで過ごしていても良かったのですが、少し退屈してきたので、バスの時刻より早めにチェックアウト。歩いて昨日の津南観光物産館へとまた行ってみます。
物産館の前にもバス停があるので、そこからバスに乗ればいいわけで。


天気は曇りでも蒸し暑い。物産館に着いてすぐ、にんじんジュースを買ってその場でゴクリと飲んだのでした。
お土産を見たり買ったりして過ごし、バス停へと向かうと雨が降ってきました。バス停の屋根がちょっと中途半端で濡れるので、屋根の下ですが傘を差します。
蒸し暑い! 誰もいないし、しばしマスクを外します。外の空気を直接感じたのはいつ以来だろう。
銀色に塗られた南越後観光バスが来ました。手を上げて「乗りますアピール」をすると、そのバスは「回送」と書かれており、通り過ぎていき・・・。
その後すぐに「湯沢」と書かれたバスが来て、傘をたたんで乗りました。
雨足は段々と強くなり。バスは結構賑やかそうな津南の町を過ぎて、坂を登っていきます。
このあたりには、日本三大峡谷のひとつ「清津峡」(きよつきょう)という観光地があります。
それもあってか、途中のバス停から大きなリュックを背負ったお客さんが何人か乗り込んできました。
眺めの良いところで、バスはヘアピンカーブをくねくねと登って降りていきます。雪から道路を守る、スノーシェッドを何度もくぐり。
坂を下り、数年前に泊まった「上野鉱泉」(うわのこうせん)を通り抜け、石打を過ぎてからは上越線の線路に沿って、越後湯沢駅へ帰ってきました。


旅の終わりは越後湯沢
まだ朝のコシヒカリがお腹の中に滞在中ではあるものの、お昼時なので駅ナカのお寿司屋さんへ。
人気のお店で並ぶことが多いのですが、今日は列はありません、日曜なのに。少しだけ待って、カウンター席に案内されます。
魚沼美雪ます、佐渡の南蛮海老等々、いただきました。


そのあと駅を出て、越後湯沢の温泉街を少し歩いてみました。駅ナカに比べたら、外を歩く人は少ないように感じます。


最後はお土産をいくつか購入。生酒、お煎餅、へぎそばの乾麺、塩辛・・・いつかまた、試食しつつ買える時代が戻ってくるといいですね。
ひと通り買い物を終えて、新幹線の出発時刻まで少し時間がありました。
そこで、数年前に入ったことのある「ムランゴッツォカフェ」で、越後ワインとおつまみをいただきました。
越後ワインは、前の日に寄った浦佐にあるワイナリーで作られています。日本酒が有名な新潟県ですが、ワインもあり。


あとはもう、新幹線に乗るだけ。帰りも2階建ての「Maxたにがわ」でした。
これまた空いていて快適でしたが、これが最後のMax乗車になるのかも知れません。Maxには、新潟県・群馬県への静かな温泉旅で、かなりお世話になりました。


今回の旅のまとめ
新潟県への温泉旅は1年ぶりのこと。何だか長旅だったように感じました。
たぶん、個人的にコロナ禍で家から出る機会がかなり減ってしまったので、体力が落ちているのだろうと思います。
新潟県に温泉旅で出かけるとき、自分の場合は上越新幹線で越後湯沢駅まで出て、そこから電車やバスを乗り継いで温泉に向かう、というパターンが多いです。
今回もそのパターンで、行きと帰りに越後湯沢駅で時間を多めに取って、美味しいものを食べたり、お酒を試飲したり、お土産を買ったりを楽しんできました。
ただ今回はちょっと、越後湯沢駅に人が少なかったのが気になりました。


この旅に出たのは2021年7月の上旬のことですが、これを書いているのは8月です。また世の中が暗くなってきており。
情報があふれる中、どんな対策を取ればいいのかじっくり考えつつ、この夏を過ごしていければと思っています。
さて、今度はどこへ行こうかな。