温泉好きのお湯

関東近郊を巡る、静かな温泉旅。今度はどこへ行こうかな。

温泉宿のおもひで

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温泉宿へ泊まる目的は人それぞれだと思いますが、自分が温泉宿に泊まる一番の目的は、ゆっくり温泉で疲れを取る、です。静かな部屋、体を包むお湯、優しい和食。

20代のころから会社員を続けてきましたが、性格的にも体力的にもあまりタフではないこともあって、疲れたり、消耗したりすることも多々ありました。

そんな時、温泉宿に泊まることでだいぶ、助けられてきたような気がしています。

夏もそろそろ終わりですが、今回はしんどい時にお世話になった宿のことを書いてみます。

その宿に初めて泊まったのは、

その宿に初めて泊まったのは20代の後半だった頃。自分がひとり温泉旅を始めて間もない時期でした。

宿を見つけたきっかけは単に、ひとりで泊まれて家から遠くなくて宿泊料も安い宿、という条件でネットで探した、というものでした。

宿に入って、宿のご主人にボストンバッグを持っていただき、4階のお部屋へ一緒に階段を登っていきました。

部屋に入ると洗面所もトイレもない6畳間。聞こえるのは川の音。布団が敷いてあったのを幸い、部屋にひとりになったところですぐにごろん。

階段を下りて、下の階にある温泉に入ります。ぬるくて柔らかい温泉で、湯口にコップがあって飲むこともできました。

夕食は少し早目の6時スタートで、お部屋で薄味の和食をいただきました。

ほかにすることもなく、普段よりもだいぶ早い時間に消灯。

当時はスマホもなかったのですが、何とガラケーの電波も入らないところだったのです。玄関先でかろうじてアンテナ1本、という感じでした。

f:id:yu-snfkn:20170825101653j:plain次の日は雨降り。帰りのバスまで時間があったので散歩でも、と思ったのですが、この雨ではそんな気にもなれません。

それで宿の方に相談したところ、追加料金を支払えばチェックアウトを遅くできるとのことでしたので、喜んでそうしました。

追加料金は1,000円。

最後は宿の方にバス停まで送ってくださり、とても親切にしてもらいました。時間が許すなら連泊がお勧めですよ、と、宿の方から言われました。

再訪したら、

当時はうまくいっていないことが多くて、結局環境を変えることになりました。

環境が変わることが決まり、少し穏やかな時期に再訪して、おすすめされた通り、のんびり2泊してみました。

再訪した時期は寒い季節で、前回以上に宿にいてもすることはなかったので、玄関わきのソファに降りてきてのんびり新聞を読んだりして過ごします。

そんな自分に、宿のおかみさんとお子さんがいろいろ話しかけてくださったのを覚えています。

その宿はすっかり自分のお気に入りになり、少し後に今度は友人と2人で泊まりに行きました。

忙しくてねぇ、と言っていた友人も、ここの宿はとても気に入った様子で、1泊目のチェックアウト間際に、よしもう1泊しよう、となって、急きょ滞在を伸ばしたのでした。

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疲れた時にまた、 

そんなこんなで新しい環境に移り、自分もあちこちの温泉宿に泊まってみたくなったり、山登りをするようになったりで、その宿はしばらくご無沙汰に。

その後数年して体調を崩してしまい、少し休んでいた時期に、件の友人と泊まりに行きました。

体調がそんな風だったので記憶があやふやなのですが、広めのお部屋を用意してもらいました。

露天風呂でのんびり過ごしたり、夕食の後だらだらと話しながらお酒を飲んだりして、これからに向けたエネルギーを蓄えることができたみたいでした。友人に感謝。

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喉元過ぎれば、ではないのですが、

その後元の生活に戻り、幸いなことに自分の希望する方向に変わりつつあり、少しずつ軌道に乗っていくとともに、またその宿とはご無沙汰になってしまいました。

この静かな温泉旅のブログを始めたこともあって、いろいろな温泉宿に泊まってみたいという衝動が強くなったのもあったのです。

それでも、いつかは再訪しようと思っていて、その宿についてもこのブログに書いたのでした。

ただ、自分がその宿に行かなくなってから、ネット上で少し変化があったのに気づきました。

予約サイトでの口コミが段々と厳しくなり、5点満点中4点以上あった平均点も下がっていたのです。

また、ひとり泊のプランがなくなっていて、再訪しようにも行きにくくなっていました。

ブログと同時に始めたTwitterで、宿のおかみさんのアカウントを見つけてフォローしたのですが、ここ最近はツイートもなく。

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ある日Twitterで、フォロワーさんが「その宿に電話しても出ないし連絡がつかない」とツイートされているのを見ました。

当時も公式ウェブサイトはあったのですが、予約サイトでは予約できなくなっていたのです。

廃業してしまったのかも知れない、と思って観光協会に問い合わせたところ、詳しいことは分かりませんがそのようです、との回答でした。

もっと早く行っておくんだったと、後の祭りとなりました。

少しネットのニュースに出ていたのを読んだ限りでは、2011年の東日本大震災の後に風評被害が広まってしまい、温泉地全体に客足が遠のいていった、

というのが理由として挙げられていました。

その後、

少し後、その宿と同じ温泉地の他の宿へ泊まりに行きました。気になっていたのです。

宿のあった場所は廃業からさほど経過していなかったようで、建物はそのまま。入り口にはカーテンがかかっていました。

露天風呂も残っていたのですが、もちろんお湯の音はせず、中にも入れないのでした。

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正直なところ、地方の温泉宿は経営が厳しいところが多いのでしょう。

今回取り上げた宿は湯治宿で、主にご年配の方々が長期滞在されていたので、宿としては収入が途絶えないだろうから廃業とは無縁だろうと思っていました。

そうしているうちに、あえなく廃業に。

廃業してもウェブサイトは削除されずに残っていたりするので、自分で調べたりしない限りは廃業を知ることができない、というのが多く、こうして宿はひっそり廃業していくわけです。

なので、さようならは言えずに終わるのですが、

この場を借りて。お世話になりました。 さようなら。

www.onsen-oh-yu.com

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