ここ何年かの自分のひとり温泉旅で気に入っているのは、ちょっと寂れた温泉街に泊まること、です。
ちょっと寂れた温泉街に行ってみて、きっとここも昭和の終わり頃くらいまでは賑わっていたんだろうなぁと思いを巡らせてみたりしています。
でも現実はちょっとシビア。
割と名の知れた温泉街なのに、人の気配があまりなかったりとか、半分くらいの宿やお店が廃業してしたりとか。
残る半分の宿やお店も、古い建物で頑張っていたりとか、そんな風です。
でも行ってみて、お湯の質が良かったりすると、たまらないのです。
以前は・・・
以前は、そんなタイプの温泉街を避けていました。
というのは、かつて栄えた温泉街って、大規模ホテルがたくさんあるイメージで、団体客が多そうで、ひとりで行ってもゆっくりできなさそうだなと思っていたのです。
なおかつ、大規模ホテルの大浴場は、供給される温泉の量よりもお風呂が広くて、お湯が足りないので、せっかくの温泉を消毒して循環して使っていたりするんだろうな、とも思っていました。
(そしてこれは、ある程度は当たっているはずです)
ただ、実際にそんな温泉街へ行ってみると、大規模ホテル(と、その跡地)の隙間で、小さな宿が頑張っていたりします。
そんな宿は、温泉の良さが自慢だったりとか、そんなことがわかってきたのです。
こんな、寂れた温泉街の中で頑張っているちいさな宿の味わいが良いなぁと思うわけです。
さらに、団体さんが多そうなイメージなのに意外に空いてるではないかと。さらにさらに、元々が賑わっていた温泉街なのでお店も結構多いのです(例外もありますが)。
そんな温泉街では、宿を素泊まりにして、夜に飲みに行くのも楽しかったりします。
それで、ここ何年かで行って良かったなという有名な温泉街を紹介してみます。
水上温泉(群馬県)
群馬県の四大温泉(草津、伊香保、四万、水上)のひとつです。利根川の両サイドを大きな温泉ホテル(と、その跡地)が埋めています。
その路地裏の雰囲気は昭和時代のままで残っています。平日に歩いてみると、やってるのかどうか分からなそうなお店が並んでいます。そして、静か。
老神温泉(群馬県)
建物はたくさんあるのですが、営業しているお店は非常に少ない温泉街です。歩いていると、お店らしき建物が並んでいるのですが・・・
宿の跡も多く残っています。が、今も10数件の宿が頑張っています。どの宿も温泉が自慢。いい温泉に入りたい人にとっては穴場になりそうです。
塩原温泉(栃木県)
鬼怒川温泉と並んで、栃木県の中でも有名な温泉です。湧いてくる温泉の種類も様々なのが特徴です。温泉街は静か。
温泉街はこんな感じですが、良い温泉に入れる宿が多いので、やはりこちらもお湯を楽しむのがメインの方にはぴったりです。湯めぐりも楽しい。
川治温泉(栃木県)
鬼怒川温泉の少し北にある温泉街です。鬼怒川温泉も、廃業した大旅館の建物が多く残りますが、ここ川治も似たような状況です。町の規模は小さいながらも。
こちらの画像の宿は、建物はご覧の通りなのですが、現在も営業中です。館内も・・・なのですが、温泉の質はとても良いのです。また行きたい・・・
戸倉上山田温泉(長野県)
信州一の歓楽街がある温泉です。千曲川に沿って、大きな旅館が建っています。路地裏の雑多な感じが、夜の雰囲気を何となく予想できるような。
泉質は硫黄泉で、時間帯によって色が変わったりする不思議なお湯です。温泉街にただよう、硫黄泉の香り。
甲府湯村温泉(山梨県)
県庁所在地の甲府市内にある温泉です。甲府駅からも近くて便利、温泉の質も良いのに、温泉街は昭和風のたたずまいを残しています。
山梨県の温泉と言えば石和温泉なのかも知れませんが、個人的には甲府湯村温泉が好きなのです。。。
今後も・・・
そう、今後もこういった温泉街に足を運んでいきたい自分です。
決してこれらの温泉街を貶しているわけではなくて、寂しい場所の方が自分がするような静かなひとり旅に向いているな、と思ったのと、持っていたイメージと違って温泉の質が良かったのが嬉しい誤算だったのです。
今度は福島県の飯坂温泉に行ってみたいなと思っています。飯坂も、自分にとってはこんな温泉街のイメージなんです(すみません)。
今の自分には東北地方は遠いのですが、いずれ・・・。