この静かな温泉旅のブログでは、温泉街と最寄り駅と結ぶローカル路線バスについての紹介もしています。
今回は、信州東部の山あいにある温泉、鹿教湯(かけゆ)温泉に行く路線バスのご紹介です。
鹿教湯線の概要
この路線には名称がついています。その名も「鹿教湯線」。
上田市内にある「下秋和車庫」から北陸新幹線が止まる上田駅に出て「鹿が教えてくれたお湯」鹿教湯温泉までを結んでいます。
運行している会社は「千曲バス」。
途中にある町、丸子町を経由していくので、鹿教湯温泉に行く人だけではなく、丸子町と上田市街とを行き来する地元の方の利用も多いバスです。
所要時間・運賃・本数
所要時間
上田駅から鹿教湯温泉までの所要時間は、約1時間10分です。
2019年12月まで、鹿教湯温泉まで40分ほどで向かう「平井寺経由」というバスが毎日運行されていましたが、廃止になってしまいました。
現在は土日・祝日のみ、上田駅からノンストップで鹿教湯温泉に行き、松本まで向かう特急バス「上田-松本線」が走っています。
上田-松本線のバスに乗れば40分ほどで鹿教湯温泉まで着くことができます。
運賃
上田駅から鹿教湯温泉までの運賃は、500円です。
以前は1,000円以上したのですが、上田市の取り組みで値下げされて、利用しやすくなりました。
なお、Suica等のICカードは利用できませんが、上田市内の電車・バスの多くで利用できるQRコード決済に対応しています。
スマートフォンのアプリをダウンロードし、クレジットカード等の決済方法を設定して、乗るとき・降りるときにQRコードをかざします。
本数
上田駅と鹿教湯温泉とを結ぶバスの本数は以下の通りです。
- 鹿教湯温泉方面:1日7本
- 上田駅方面:1日8本
別途、松本行きの特急バス「上田-松本線」が土日休日に限り、1日2本運行されています。
上記以外に、上田駅から途中の「丸子駅前」バス停止まりのバスが多数あります。こちらは鹿教湯温泉まで行かないので、乗り間違えないようにご注意ください。
最終バスの時刻
上田駅は北陸新幹線が通るので、首都圏からだと新幹線に乗って上田まで行き、鹿教湯温泉行きの最終バスに乗れば、こんな感じで鹿教湯温泉に着けます。
平日・土日ともに同じです。(2021/4現在)
- 東京駅16:52発→上田駅18:26着/18:46発→鹿教湯温泉20:00着
ただまあ、上田は夜に美味しいお酒を飲めそうなお店も多いので、一杯やりたくなるのを我慢してバスに乗ることになりそう。
鹿教湯線に乗ってみた
さて、鹿教湯温泉へとバスで出かけてみましょう。上田駅のロータリーでバスを待ちます。鹿教湯線のバスは1番乗り場から発車です。
ロータリーのそばにはコンビニエンスストア(ローソン)があります。
鹿教湯温泉にもセブンイレブンがありますが、温泉街のはずれにあるので、コンビニでお買い物をするならロータリー前のローソンが便利かもしれません。
多くのバスは上田市内の「下秋和車庫」から出発し、上田市内の細い道を抜けてやってきます。道が混んでいるのか、たいていは少し遅れてくる印象。
のんびり待っていると、行き先に「鹿教湯」と表示されたバスが来ますので、後ろのドアから乗りましょう。現金払いのみなので、整理券を取るのをお忘れなく。
上田駅~丸子駅前
バスは上田駅のロータリーを出てから右に曲がり、ゆっくりと国道18号(北国街道)を走ります。
イオン上田や信濃国分寺を右手に通り過ぎ、途中で右に曲がり、しなの鉄道の大屋駅へ寄ります。
大屋駅からは、古い宿場が残された「海野宿」が近いです。
バスはここから千曲川を渡って丸子町方面へ。道の両脇は家やお店が結構多くあり、地元の人が少しずつ降りていきます。
新しくて大きな丸子中央病院に寄ります。この病院は2013年に今の場所に移転してきたのですが、この病院ができてバスのルートが変わりました。
近頃のローカル路線バスは、通院する人やお見舞いの人を乗せるのか、病院に寄る便が増えましたね。
家が多かったのが少しずつお店が増えてきたところで、バスは「丸子駅」バス停に到着です。
駅、とありますが、電車の駅はありません。戦後のある程度の時期まではここに駅があり、電車が走っていたようです。その名残ですね。
バス停の横にドラッグストアがありますが、もしかしたらこの辺が駅舎だったのでしょうか? ちょっと興味深い場所ではあります。
平日は、ここ丸子駅バス停が終点の便も結構多いです。
丸子町~鹿教湯温泉
丸子町に寄ってからバスは川を渡ります。2019年の台風の影響で通行できない橋があり、バスは一部迂回運転をしています。
少しずつ家が減ってきて、途中のバス停で乗り降りする人も少なくなり、バスはスピードを上げて走ります。
国道を走るのですが、以前はだいぶくねくねしていた道も、部分的に工事が進んでだいぶ道が新しくなってきました。
この辺は、秋はマツタケの直売所が並びます。車の方はぜひ。バスに乗って温泉を目指す人は途中下車は難しそうですが、宿の食事にマツタケが出るかも。
「宮沢(霊泉寺入口)」というバス停があります。秘湯、霊泉寺温泉の最寄りバス停です。
温泉はここから2キロ程あるので、宿泊される場合はこのバス停まで宿に迎えに来てもらうことになります。
続いてバスは大塩温泉を通り過ぎます。
ここは営業している温泉宿が1件のみ、共同浴場が1か所のみの静かなところで、道沿いには廃業した旅館の建物が並ぶ、少し寂しいところではあります。
温泉の質はとても良いのですが。
大塩温泉を過ぎたバスはY字型の交差点を右に進み、鹿教湯温泉の温泉街へと入っていきます。
「温泉入口」「鹿教湯橋」と、温泉街の中もこまめにバス停があります。
泊まる宿によってはこれらのバス停が最寄りなこともありますので、宿に近いところで降りましょう。
バスは坂をゆっくり上っていき、登りきったところが「鹿教湯温泉」バス停。
ちょうどこのあたりが温泉街の中心部で、ここで降りる人も多いです。いったんここで、ご乗車お疲れさまでした。
バスはもう少しだけ走ります。
鹿教湯温泉バス停の次は「鹿教湯温泉上」バス停。このあたりはもう温泉街のはずれのほうになっています。
その後で温泉街を出て、少し行った先が終点の「鹿教湯車庫」バス停です。
車庫と言いつつ、古びた建物と狭いスペースがあるだけの場所ですので、温泉に行かれる場合は、おそらくはそこまで乗車されないと思います。
それではもう一度、ご乗車お疲れ様でした。
さて、今度はどこへ行こうかな。