2016年に北陸新幹線が長野から金沢まで開通しまして、同じルートを走っていたJRのローカル線は4つに分割されました。
このルートが長野県、新潟県、富山県、石川県の4県をまたがっているので、各県ごとに地元の鉄道会社に引き継がれたのです。
長野県内を通っていたのはJR信越本線で、長野駅から妙高高原駅までの間を「しなの鉄道」が引き継ぎました。新しい路線名は「北しなの線」。
もともとJR信越本線は新潟県の妙高エリアの温泉に行くときに便利な路線です。
しなの鉄道に引き継がれる前に何度か利用したことがあるのですが、今回引き継ぎ後に初めて乗ってきましたので、北しなの線として紹介したいと思います。
北しなの線の概要
冒頭で書いた通り、北しなの線は長野駅がスタート地点です。
長野駅を出ると、北長野、三才、豊野、牟礼、古間、黒姫の各駅に止まり、最後は新潟県との県境を越えてすぐの妙高高原駅が終点になります。
途中の豊野駅まではJR飯山線の列車も北しなの線の線路を走っているので、豊野までは本数が多めです。
それまでひとつの路線だったJR信越本線が、妙高高原駅を境に2つの会社に分かれてしまったので、妙高高原駅の先に行く場合は、新潟県側の別会社「えちごトキめき鉄道」の料金がかかることになり、割高になってしまいました。
また、同じ理由で、以前は妙高高原駅から先へも長野から乗り換えなしで行ける場合が多かったのですが、今は妙高高原駅での乗り換えが必要になっています。
直通運転してくれれば良いのですけど。
なお、この静かな温泉旅のブログで取り上げた「燕温泉」「関温泉」の最寄り駅「関山駅」は、妙高高原駅の1つ先にあります。
北しなの線の良いところ
・・・とまあ、会社が変わってしまったことへのデメリットをあれこれ書いてしまいましたが、北しなの線の良いところを書いてみます。
ちょっと鉄ちゃん目線になってしまいますが、北しなの線は、JRが発足する前(国鉄時代)から走っている古い車両「115系」が現役で走っている数少ない路線です。
車内は一部改装されていますが、それでも昭和の電車の雰囲気を今も味わうことができます。
北しなの線に乗ってみた
始発駅の長野駅で電車を待っていると、古びた車両がやってきました。
しなの鉄道の電車の多くは赤と灰色に塗られています。このカラーリングにしている理由は汚れが目立ちにくいから、という説がありますが、どうなのでしょう?
さて、しなの鉄道線は、今回紹介する「北しなの線」と、従来の「しなの鉄道線」との2種類あります。
従来の「しなの鉄道線」の電車も長野駅から出発して、上田、小諸、軽井沢方面に向かいます。
が、もちろん北しなの線とは行き先が異なるので、乗り間違えに注意です。何しろ車両の見た目は同じなのです。*1
北しなの線の電車は、最初は北陸新幹線の線路の下を走ります。
右横にJRの車庫があって、休んでいる電車達を眺めたりしていると、やがて豊野駅へ。ここから線路が二つに分かれます。右に行くのがJR飯山線。左側が、北しなの線です。
川に沿って、林の中に入ったり、少しばかりの家があるところを通ったりしながら、電車はゆっくり走っていきます。
豊野から先は単線区間になり、反対方向からの列車とすれ違えないので、電車は時々、途中の駅ですれ違います。
もともと「信越"本線"」で、かつては幹線だった名残でしょうか、止まる駅はどの駅も割とつくりが立派です。
ちなみに途中の牟礼駅は「サンクゼールワイナリー」の最寄り駅です。と言ってもワイナリーは標高の高いところにあるので、駅からはタクシーで向かうことになりますが。
黒姫駅からは複線になり、トンネルをいくつか抜けると妙高高原駅、終点です。ここから先は「えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン」に乗り換えです。
妙高はねうまラインの電車は、北しなの線の電車が到着した反対側で待っています。
妙高高原駅からは、本数は少ないながらも温泉地や観光地、登山口へのバスが各種出ています。
以前は民間のバス会社がバスを走らせていたのですが、今は地元自治体の妙高市が市営バスを運行しています。マイクロバスのような、小さなバスです。
さて、今度はどこへ行こうかな。
*1:従来の「しなの鉄道線」は、長野から南に下った「篠ノ井」駅がスタート地点なのですが、多くの列車が長野駅から出発します。