静かな温泉旅に出かける前に、旅先について調べてみたり、旅の計画を練ったりするのは楽しいもの。温泉旅でなくても、同じだろうなと思います。
最近の自分の静かな温泉旅は行き当たりばったりも多いのですが、最初の頃は、結構念入りに、出かける温泉の泉質のことや、泊まる宿のことを調べていました。
自分が静かな温泉旅を始めた頃、というと、10年以上前の話。調べる手段としては、本と、個人のウェブサイトがメインでした。
この記事を書いている2020年は「ステイホーム」ということで、ずっと家にいます。
それもあって、まずは以前よく読んでいた温泉の本を本棚の奥から取り出して、もう一度見てみようと思ったのでした。
(個人のウェブサイトも見返してみたのですが、それについては、また後日。)
どの本も10年以上前に買ったもので、かなり古い。今は絶版になっていて、新品を買うことはできませんが、どんな本だったかを紹介してみます。
温泉の本いろいろ
自分が静かな温泉旅を始めたきっかけの一つに「いい温泉に浸かって体調を整えたい」というのがありました。
その頃はあまり体調がすぐれなかったので、静かな環境で質の良い温泉に入り、健康的な食事をとって、体をいたわろうと思っており。
(恐らくは、当時の日常生活のストレスが原因だったのだろうと思うのですが。)
きっかけがそんな風だったので、賑やかな温泉街の中にある宿で過ごすよりも、こじんまりした温泉街や、山奥の湯治場、そういう場所を目指すようになりました。
特に胃腸の調子が悪かったので、胃腸に効能があるとされている温泉を選ぶようにしていました。
飲泉所があったり、お風呂の湯口にコップがあったりして、温泉を直接飲むことができるところが多かったですね。
健康志向で温泉地や温泉宿を選んでいくと、湯治的な選び方に行きつくわけで。
それで、湯治のことを書いた本を手に取って、それらの本に載っていた温泉地や温泉宿に足を運んだ、ということなのです。
からだにいい「現代」湯治の宿
実業之日本社から出ているガイドブック「ブルーガイド」シリーズの本です。
2002年(Amazonでは2004年との記載)に発売された本で、今は絶版になっています。
全国各地の湯治場や、湯治プランのある宿がある温泉地を紹介しています。温泉の泉質や周囲の環境と、いくつかの宿の情報が掲載されていました。
本の最後の方には、体の症状とそれに適した温泉の種類、また本で紹介された温泉地の温泉がどんな症状に効能があるとされているか、という表も。
湯治場ばかりではなく、草津温泉のように、お湯の質が良くて規模の大きな温泉地も紹介されていました。
中でも、個別の宿の情報がとても参考になり、中でも、その宿がひとりで泊まれるかどうかの情報が貴重でした。
この本を手にした頃はまだ、ネット上に宿の宿泊記録が多くなかった時代だったのです。
温泉療養の手帖
社団法人「民間活力開発機構」が出している本です。
改訂版が時々出ていますが、最新のものが2009年の第7版で、それ以降新しいものは出ていないようです。そして、この第7版も絶版になっています。
社団法人が出している本だからでしょうか、ここまでくると温泉旅ではなく、湯治に重きを置いた内容になっています。
本の前半では大学教授や医師の方が温泉療養について書いた文章が掲載されており、後半は全国各地の「健康づくりの宿」が紹介されています。
この「健康づくりの宿」として紹介された宿にも何度か泊まったことがあります。そんな宿のロビーや談話室に、この本が置いてあったり。
この本を知ったきっかけも、偶然「健康づくりの宿」に初めて泊まった時に見つけた、というものでした。
この本は「健康づくりの宿」の温泉の泉質、ひとり泊の可否、湯治プランの紹介などが載っているので、宿を選ぶ際の参考になります。
「健康づくりの宿」のリストはインターネット上にも存在しますが、コンテンツが「民間活力開発機構webページに移行いたしました」と書かれています。
が、現時点(2020年5月)では、移行されているようには見えず・・・それでも、いずれインターネットで見ることができなくなるかもしれません。
コンテンツとしては結構面白くて、例えば「療養アドバイスの作成」も、疲れているとき、体調不良の時の温泉選びの参考になります。
削除されずに残されることを願いつつ、リンクを貼っておきます。
記者が訪ね歩いた温泉宿シリーズ
求人ジャーナル社の本です。2000年前後に最新版が出て、それ以降出版されておらず、今は絶版になっています。
シリーズは全6冊。山梨県、長野県、新潟県、群馬県、栃木県、神奈川県と、県別に1冊ずつの本になっていました。
掲載されている温泉宿は、約200件~600件と、かなりの数。温泉地や宿の規模を問わず、多くの宿が紹介されています。
と言いつつ、このシリーズの本は、実物を手に取ったことがほとんどありません。
なぜなら、この本にはWeb版があって、本の情報と同じものをインターネット上で長らく見ることができていたのです。
ところが、求人ジャーナル社のウェブサイトがリニューアルしたときにコンテンツが削除されたようで、現在は見ることができなくなっています。
今から20年ほど前の古い情報ではあるものの、資料としては貴重でした。今は営業していない宿や、経営が変わって新しくなった宿の以前の姿も分かるのです。
この本も、たまに宿の談話室などに置かれていて、ちょっと読んだことがあったのですが、今となっては買っておかなかったのを後悔しており。
わけあって、だいぶ前に絶版になった古い旅行の本をAmazonやメルカリで探している。
— ゆう(静かな温泉旅) (@yu_snfkn) 2020年5月16日
Amazonで「状態:可」のを初めて買ったら、ああ、これが状態:可っていうコンディションなのか、と。
読むには支障ないので、資料として取っておこうと思います。
古本でも良いので、今さらですが探して買おうかなと思っているところです。
メルカリで見つけたと思ったら売り切れになっていたり、Amazonを見たら1万円以上の値段がついていたりと、前途多難ではありますが。
ということで
何かを調べるときの最初の手段は、いつの間にか本からインターネットに移行してきたような気がします。確かにネットの方が手っ取り早くて便利です。
そして、調べ物がインターネットで完結することも多い。
ただ、本を読み返してみると、ネットにない情報も結構あったりしますし、ネットの情報はいつまでもネット上に残っているわけではありません。
そういう意味で、紙媒体の情報も手元に持っておく必要があるのかもしれないな、と、今さらながら気づいたのでした。
そういえば以前に、こんな記事も書いていました。
まずは古本を探してみることにします・・・
さて、今度はどこへ行こうかな。