平成最後のシルバーウィーク、あなたはどこか行きますか?
今年は山梨県の「増富(ますとみ)ラジウム温泉」へと行ってみようと思います。(これ以降、このページでは「増富温泉」と書きます。)
とは言っても、増富温泉を選んだ理由を書いてしまうと、
- 前日まで別な用事で山梨県内にいること。
- 連休中でひとり泊できる宿がなかなか見つからなかったこと。
といった微妙な感じではあるのですが、
- 温度の冷たい温泉なので、暖かい時期に行ったほうがいい
- 10年ぶりの再訪が、ちょっと楽しみ
という側面もあります。そう、増富温泉へは、10年ぶりの訪問になるのでした。
10年前はどんな風に増富温泉に行ったのでしょう? を振り返ってみます。
増富温泉とは?
増富温泉は、山梨県の北杜市にあります。山梨県、甲斐の国ということで、武田信玄の隠し湯だったという伝説もあるようです。
昔は近くに金山があったそうですが、増富温泉の色も黄色く濁っています。偶然でしょうか?
この黄色く濁った温泉水に、多くのラジウムが含まれていることが判明し「増富ラジウム温泉」として知られていくようになりました。
近年、増富温泉に含まれるラジウムが癌に効くらしい、という話が出てきたそうで、湯治目的で長期滞在するシニア世代が多く訪れるようになったようです。
数ヶ月先まで予約でいっぱい、という宿もあるようです。
最初のラジウム温泉旅
そんな増富温泉へ初めて行ったのは2007年の初夏。自分がひとり温泉旅を始めて2年目のことです。初期の頃の温泉旅は、どうしてか、よく覚えており。
2007年は自分の中では結構しんどい時期だったのですが、この頃はまだ余裕はあったようです。
当時は、北関東・甲信越の「国民保養温泉地」を巡る旅をしていて、増富温泉もその「国民保養温泉地」に選ばれていたので、行ってみようと思ったのでした。
増富ラジウム温泉の最寄り駅は、JR中央本線の韮崎駅。
駅前から山梨交通のバスに乗ります。バスはあちこちの集落に寄り道して時間をかけながら、やがて山の中へ。1時間そこそこで到着です。
かなりの山奥で、標高は1,000メートルを超えます。見渡してみると、昭和から時代の流れが止まっているような雰囲気。
さて、この日の宿「津金楼」は奥のほう。 割と古びた旅館でした。荷物を置いて、温泉へと向かいます。
この宿も、湯治で来ているシニアの方々が多くて、さほど広くない浴槽に皆さん身を寄せ合うように入っていました。
黄色くにごった温泉、足を踏み入れると冷たく、においをかぐと鉄臭く。体にいいらしいので飲んでみると、塩辛い。
そんな水風呂に浸かっていると、 不思議と冷たさは徐々になくなり、上がった瞬間、体がほかほかと。これは体に効きそう。
そうして、後からぐったり疲労感が襲ってきたのでした。
「体調不良の時に増富温泉に行っていたなら、その効果をより実感できるのだろうな」と思ったのを覚えています。
この半年ほど前に転職活動をしていて、心身ともに消耗していたので、その時に増富温泉に行っておけばよかったな、と。
部屋に戻ります。宿の外は行くところも特になく、川のせせらぎを聴きつつ夕食を待ちました。
夕食の時間も、シニア世代向けなのか、5時半と早めでした。 相当に強力な温泉だったらしく、食後少ししてからすぐに眠ってしまったのでした。
あちこちの温泉に行ってきましたが、ここの「観光と無縁な感じ」は当時の自分にはかなり強烈な印象だったようです。
自分が残していたメモには「キングオブ湯治場」と書かれていました。笑
そして、帰りの韮崎駅行きのバスの運転手さんに「健康な人が来るのは珍しいね」と言われました。 気軽に観光で、という温泉地では、ないようです。
正直に言うと、当時まだアラサーだった自分には、少々場違いな感じもした増富温泉でした。
2度目のラジウム温泉旅
そんな場違い感を持ちつつも、翌年の秋にも増富温泉に行ったのでした。
きっかけは、温泉というよりは、登山の前泊に便利な場所だったのです。
ちょうどその年から登山を始めていて、日本百名山としても知られる「瑞牆山(みずがきやま)」へ登るために、増富温泉に前泊したのでした。
瑞牆山の登山口へは、増富温泉から朝一番のバスで15分ほど。増富温泉に泊まれば、瑞牆山に登って降りて、午後に増富温泉へ戻って来れるのです。
この時は、前回の宿とは違う宿「金泉閣」をネットで予約しました。
前回の時と比べて、この時は結構ストレスの度合いが高かった時期で、山に登ることが自分の中でストレス解消になっていました。
高速バスで甲府に入り、電車とバスとを乗り継いで来た1年ぶりの増富温泉は、一部の宿が廃業していたり、1年前に比べて少々すたれた感じもしました。
ここもお風呂はシニア層でいっぱいでした。登山の前泊なので次の日は朝早くの出発になります。宿の周りを少し散歩したくらいで、夕食後すぐの就寝。
翌朝は、朝食を早めにいただき8時前にチェックアウト。登山口の「みずがき山荘」までバスで行き、 みずがき山荘から山頂を目指して登っていきました。
晴れ間が見えるものの、やや寒く。沢を越えるとゴツい岩が続きます。 ロープをつかみ、はしごをよじ登り、山頂はガスっていて視界は全然。。
登山客でびっしりの山頂を後にして、下山。花の季節ではありませんでしたが、 苔がきれいでした。あとは紅葉も始まりかけていて、一部綺麗に色づいており。
みずがき山荘で遅い昼食をいただき、増富温泉の日帰り施設「増富の湯」で汗を流してから、バスで麓に戻り「ミサワワイナリー」でワインを買って帰ったのでした。
温泉に登山にワインと楽しんで、楽しんで疲れて戻ってきましたが、最後は帰りたくない、という気持ちになりました。そう、帰ったらまた、日常なので。
そんなこんなで
駅から遠く、シニア層向けの温泉で、かつ登山からも足が遠のいた自分にとって、増富温泉はかなりご無沙汰になってしまいました。
今回こうして、久しぶりに行くことになったのは偶然ではあるのですが、やはり久しぶりに行く場所というのは、どこまで変わっているかも楽しみです。
水のように冷たいお風呂なので、しっかり上がり湯に浸かる等して、風邪をひかないように気をつけたいところです。山の中で標高も高く、寒いかもしれません。
シニア層が多い温泉だと書きましたが、そんな自分も10年経って確実にシニアに近づいています。増富温泉の良さが10年前より分かるかも知れませんなぁ・・・
さて、今度はどこへ行こうかな。