群馬県のみなかみ町にある「上牧(かみもく)温泉」は、環境省から「国民保養温泉」に指定されている、静かな温泉地です。
今回紹介する常生館は、湯治や、運動部の学生さんの合宿で、利用されることの多い宿のようです。
今回(2025年)初めて宿泊しましたが、実は2006年にも立ち寄り湯で利用していました。
いつか泊まってみたいと思いつつ、19年も過ぎてしまったのですが、今回ようやく泊まれたので、紹介してみたいと思います。
(2025年9月宿泊)
建物と部屋
常生館は、最寄りのJR上牧駅から利根川を挟んだ反対側の高台にあります。
赤い橋を渡って坂を上ると案内板が見えてくるので、それに従って進んでいき、奥のほうに玄関がありました。


感じの良いおかみさんに案内されて、お部屋へ。
民宿のようにシンプルなお部屋で、トイレ、洗面所は共用、布団を敷くのはセルフサービス。Wi-Fiもなさそう。
予約サイトに、バスタオルと浴衣の用意はないと書かれていたので、自宅から寝間着とタオルを持っていきました。
歯ブラシとハンドタオルはあります。


冷蔵庫は、共用のキッチンにあります。
キッチンには食器や電子レンジ、トースターなどもあるので、ここでちょっとした自炊もできるかもしれません。
窓の向こう、JR上越線の駅が見えます。
時折、電車や貨物列車の走る音が聞こえてくる以外は、しんとしていました。

温泉と風呂
キッチンの脇に下り階段があり、その先のお風呂があります。
階段のわきには、上り下りが大変な人向けの昇降機がついていました。


階段を下りて突き当りを曲がって進んでいくと、男女別の内風呂があります。
お風呂の入れ替えは特にないようです。
中に入ると、木でできたログハウス風のお風呂場。
お風呂は、20枚近くある木の重いふたで覆われていて、自分でそのふたをどけて入ります。
https://www.enjoy-minakami.jp/stay.php?itemid=642&catid=25
全部どかすのは重労働なので、数枚だけどかして体を入れました。
浴槽は2つに分かれています。湯口に近いほうと、そこから溢れたお湯が集まるほう。
湯口に近いほうがやや暖かく、もう片方はかなりぬるめ。
源泉の温度は28度とのことで、若干加温しているそうですが、長時間入っていられて、個人的には好みの温泉。
いわゆる自家源泉の、かけ流し。赤茶色の湯の花が多く混じっています。
鉄に近い成分のようで、宿のおかみさんに聞いたところでは、源泉を加温すると出てくるのだそうです。
露天風呂ではないのですが、窓が広くて、お部屋からと同じく、電車が通り過ぎるのが時折見えます。
電車の本数は1時間に1本程度なので、長風呂していると、何度か電車の気配が聞こえてきました。
以前は露天風呂があったそうですが、今はやめてしまったとのことでした。
上がりたくなくなるような気持ちのいい温度。最後に上がると、体がすっと軽くなっていました。
食事(朝食のみ)
宿泊のプランは素泊まりと朝食付きの2つで、夕食の提供はありません。
(合宿で泊まる団体の学生さんには、夕食も提供されているのかもしれないですね)
近くには、宿から少し離れたところにコンビニとラーメン屋さんがある程度なので、夕食は宿に行く前に済ませるか、買って来たほうがよさそう。
今回は近くのバス停からバスに数分乗り、水上温泉の温泉街に出て、食事して宿に戻ってきました。
時間を気にする必要がありますが、上牧温泉から水上温泉へ行くには電車とバスの両方を利用できるので、そういった夕食の取り方も、ありかもしれません。


さて、朝食は食堂でいただきます。
食堂には、これまでスポーツ合宿で泊まってきた学生さんたちの色紙や写真がずらり。
後にプロアスリートになった方の写真やサインなども飾られていました。


個人的感想
民宿に近い、シンプルな宿でした。
宿泊料金も、民宿と同じくらいのお値段。今回は、朝食付きで7,000円でした。
静かな環境で、ぬるめの温泉に長く浸かることで、かなり体力回復できた気がします。
1泊だけじゃもったいないな、と思えるお風呂でした。
Wi-Fiもないので、デジタルデトックスもできそうですね。
おかみさんが、うちは昭和の頃からほとんど変わってないんですよ、とおっしゃっていました。
個人的には、新しい便利さはなくても、静かにぼーっとできれば十分です。
アクセス
電車・バス
JR上越線「上牧」駅から徒歩10分。
バスの場合は、JR上越新幹線「上毛高原」駅から、「水上駅」「谷川岳ヨッホ」行き関越交通バスに乗り「道木」バス停下車、徒歩7分。
車
関越自動車道「水上」インターから5分。
関連リンク
近くの宿の宿泊記録
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さて、今度はどこへ行こうかな。
