新潟県は関東からは少しだけ遠い県ですが、中越地方であれば比較的近いところにあります。
ちょうど三日月のような、クロワッサンのような形の新潟県の、真ん中あたりが中越地方になります。
というわけで近いので、新潟県への温泉旅であれば、中越地方の越後湯沢や、その少し北の温泉地によく行く自分です。
そんな中越の温泉地の中で最もよく足を運んできたのが「湯之谷温泉郷」。
国道沿いに温泉地が並んでいて、奥の方にあるラジウム温泉「栃尾又温泉」までは毎日バスが走っています。
路線の概要
今回紹介するバスはJR上越線の「小出」駅と、ラジウム温泉として有名な「栃尾又温泉」とを結んでいます。
小出駅はローカル線の普通列車のみが止まる小さな駅で、その2駅隣が上越新幹線も止まる、浦佐駅。
なので、関東地方から小出に行く場合は、上越新幹線で浦佐駅まで出て、そこから上越線に乗り換える、というルートになります。
新潟県のバス会社「南越後観光バス」がこのバスを走らせています。
また、季節・曜日限定で、上越新幹線の浦佐駅から栃尾又方面に向かう急行バス・特急バスもあります。
このページで、それらのバスも一緒に紹介できればと思います。
所要時間・運賃・本数
所要時間
JR小出駅前から、各温泉地までの所要時間は以下の通りです。距離はさほど長くはないので、所要時間も短めです。
- 小出駅前→折立温泉:約20分
- 小出駅前→大湯温泉,栃尾又:約30分
季節・曜日限定の、浦佐駅から出発する急行バス・特急バスの所要時間は以下の通りです。
- 浦佐駅東口→折立温泉:約25分
- 浦佐駅東口→大湯温泉,栃尾又:約30分
急行バス・特急バスの終点は、折立温泉からトンネルを抜けたさらに奥にあるダム湖「奥只見ダム」。ここまでの所要時間は約1時間20分です。
運賃
距離が短めなので、運賃もさほどかかりません。
- 小出駅前→折立温泉:370円
- 小出駅前→大湯温泉:430円
- 小出駅前→栃尾又温泉:460円
南越後観光バスではSuicaのようなICカードは使えませんので、現金払いになります。
参考までに、浦佐駅から出る特急バスの料金は以下の通りです。
- 浦佐駅東口→大湯温泉:630円
- 浦佐駅東口→栃尾又温泉:650円
- 浦佐駅東口→奥只見ダム:1,500円
本数
利用者数が減少しているようで、以前より本数はかなり少なくなってしまいました。
2023年6月時点での本数は以下の通りです。なお、年末年始はさらに本数が減るようです。
- 栃尾又温泉行き: 毎日5本。
- 小出駅行き:平日6本、土日5本。
浦佐駅発の急行バス・特急バスは6月から11月上旬までの、土日・祝日限定で運行されますが、お盆期間や紅葉シーズンは平日にも運行される日があります。
本数は、浦佐駅発が朝と昼に1本ずつ。帰りの便は昼と夕方に1本ずつになっています。
最終バスの時刻
減便があり、最終バスの時刻も繰り上がっています。
- 東京駅14:40発→浦佐駅16:07着/16:44発→小出駅16:53着/17:20発→栃尾又17:51着
乗ってみた
JR小出駅の駅前はこじんまりとしています。タクシー乗り場の横にバス停があります。
小出駅を出たバスはまず、ぐるっと回って魚野川を渡ります。
小出の町は駅から見て川を渡った反対側で、アーケードの商店街が並んでいます。冬は雪深いので歩道には屋根があるのが、雪国らしいですね。
バスは終点の栃尾又温泉まで、この先ずっと道なりに進んでいくことになります。
少し行くとアーケードが途切れまして、国道17号と交差する交差点の手前に南越後観光バスの小出営業所があり、古いバスが休んでいます。
します。このあたりから2キロほど南に下った場所に、関越自動車道の小出インターチェンジがあります。
ここでちょっと脱線。小出インターチェンジには高速バスの小出バス停があり、都内(池袋)からのバスが通ります。
都内から高速バスに乗って小出でバスを降り、少し歩いて路線バスのバス停まで行けば、乗り換えが一応できます。
ただ、高速バスと路線バスとの乗り換えはちょっと難易度高め。やるかどうかは自己責任ですが、乗り換えポイントは「井口新田」バス停です。
マニアックなので気にせず次にまいりましょう。
アーケードが途切れると、窓の外の景色は徐々に田んぼが目立つようになります。さすが米どころ。この辺は魚沼市。コシヒカリの産地です。
温泉宿でいただくごはんの美味しいこと!
「湯之谷中学校」「湯之谷庁舎前」と、”湯之谷”という名前のバス停が続きます。この辺は旧「湯之谷村」のエリア。今は合併して、魚沼市になっています。
どのバス停にも、しっかりとしたつくりの待合室があります。雪の季節にバスを待つときは屋根が必須なのでしょうね。
バスは湯之谷温泉郷に入っていきます。時々道と川とが交差して、バスも川を渡りつつです。
窓から景色を見ると、夏から秋は道のわきに山菜やきのこの直売所が出ていたりして、山が近くなっているのを感じます。
最初は葎沢(むぐらさわ)温泉、芋川温泉などの小さな温泉地がありますが、その次にある折立温泉は、ネットでも予約できる宿がいくつかあります。
折立温泉を抜けると奥只見ダム方面への道「奥只見シルバーライン」が左に分かれます。
奥只見シルバーラインは古びたトンネルが続く道で、その先に大きなダム湖「奥只見湖」があり、その向こうは尾瀬になります。
が、今回のバスはシルバーラインへは入りません。まっすぐ行きましょう。
続いて、湯ノ谷温泉郷の中で一番大きな「大湯温泉」の入口にさしかかります。
道の両脇に広い公園があります。「大湯公園(奥只見レクリエーション公園)」といいまして「交流センター ユピオ」という、日帰り温泉付きの建物があったりします。
大湯公園を抜けて、大湯温泉の温泉街に入ります。ちょっと寂しい温泉街ですが、宿がいくつかあるので何人かがバスを降りていきます。
大湯温泉を出て少し走ってから、バスは左折してまた佐梨川を渡り、先ほど左に分かれていった、大湯温泉スキー場を経由するルートと合流します。
橋を渡ると右に曲がり、細い道。終点の栃尾又温泉まではもうすぐです。
そうして栃尾又温泉に到着。バス停の向こう、駐車場を挟んで3件の宿があります。向かって右手が自在館、左手前が神風舘、その奥が宝厳堂。
お目当ての宿へチェックインするとしましょう。ご乗車お疲れさまでした。
さて、今度はどこへ行こうかな。