7月になり、いよいよ夏の到来。暑い日が続きます。
暑いので、こういう時はぬるめの温泉にゆっくり、が良いもの。
首都圏から近いぬるめの温泉・・・と言えば、山梨県が思い浮かびます。
行き先は何度もおなじみの場所になったのですが、今回はちょっとアプローチを変えてみました。
旅の計画
目指すのは「信玄の隠し湯」こと、下部温泉。2006年の初訪問から何度も通った温泉です。
30度そこそこの、ぬるい温泉で知られる下部温泉には、やはり暑い季節に行きたいもの。
実は6月に下部温泉へ行く予定を立てていて、宿も予約していたものの、都合が悪くなりキャンセルしていました。今回はその宿を再度予約。
「県民割」はちょうど期限が延長されるか、されないか、という微妙な時期だったので、適用できず。まあ、そこは仕方なし。
宿を予約した後は、普段だったら電車の手配、なのですが、今回は移動に車を使います。マイカーでの静かな温泉旅は初めてのこと。
運転には自信がないので、下部温泉までは、なるべく高速道路を使うことにします。
ちょうど2021年、温泉街の近くに「下部温泉早川インターチェンジ」ができたことでもありますし。
1日目(新東名高速道路→中部横断自動車道→下部温泉)
120km/h→70km/h
新東名高速道路(新東名)は広くてまっすぐ、走りやすく。
速度制限は時速120キロ(普通車)という道路ですが、知らないうちにそのスピードまで到達してしまいます。
静岡県の山奥をまっすぐ抜けていくので、トンネルが多め。長いトンネルもあり、暗い中まっすぐ走っているとちょっと飽きそうにもなります。
そんな山の中、新清水ジャンクションから中部横断自動車道(以降「中部横断道」と書きます。)へと入っていきます。
中部横断道は、静岡県の山奥から北に延び、山梨県の甲府盆地のあたりまでを結ぶ道路。将来的にはさらに北に延びて、長野県までつながる予定になっています。
新東名は広い道でしたが、中部横断道は「暫定2車線」。要は1車線しかなく、前の車を追い抜くことができません。
両脇のスペースがないので、少しハンドルを握るのが緊張します。速度制限も時速70キロ。
これまで下部温泉に行くときは、JR身延線の電車で富士川を眺めつつゆっくり行く・・・という感じでした。特急列車もゆっくり走るのです。
が、中部横断道は線路よりもっと標高の高いところを、長い橋とトンネルですいすい抜けていきます。景色が違う。
道の駅いろいろ
最初の出口、富沢インターで降りました。相当高いところを走っていたのでしょう、一般道に出るまでの、下り坂が長く。
出口の近くに「道の駅とみざわ」があり、ここで休憩。大きな筍のオブジェがあります。もうここは山梨県。
お夜食用にと、富士宮の牧場で作られたチーズと、筍ご飯を購入。この辺は筍が有名なようです。
ここからまた、下部温泉を目指して北上します。
一般道路で行っても良いのですが、ここ富沢から先は高速道路が無料区間らしいので、また中部横断道へ。
数キロ走って、お隣の南部インターで降ります。出てすぐのところに新しい道の駅「道の駅なんぶ」があり、多くのお客さんで賑わっていました。
ちょっと混んでいますが、食堂に入ってお昼にします。
色の濃い田舎そばと、茶そばの両方が楽しめる二色そばと、南部紅茶。ここ山梨県南部町は、お茶が有名なところのよう。
この道の駅は結構な人が来ていて、桃やぶどう、野菜等々、どんどん売れていきます。
電車で通り過ぎる南部町の車窓は静かな感じなのですが、高速道路の開通で人の流れが変わったのでしょうか。賑わっているのはいいことですね。
金とキャン△
また、中部横断道へ戻ります。無料区間なので気軽に。
トンネルと橋を抜け、下部温泉早川インターで降りました。ここも高いところにあり、下り坂が長いです。
降りてすぐのところに身延線の無人駅があり、立ち寄りました。線路の向こう、山の中、今まで走ってきた中部横断道が見えます。
これまで、電車の車窓から、工事中の中部横断道を長らく見てきました。ついに2021年に開通したわけです。開通まで結構かかったなあ、と。
トンネルを抜けて少し走り、何度も来ている下部温泉駅の踏切を渡ります。普段は電車で来るので、何だかちょっと違和感。
駅前には「湯之奥金山博物館」があります。
まだお昼どきで、宿のチェックインまでは時間が結構余っています。いったんここに車を止め、金山博物館を久々に見ることにしました。10年位ぶりでしょうか。
山梨県は、かの武田信玄が統治していた戦国時代から多くの金山があり、江戸時代まで金が掘られていたそう。
金の採掘の展示と、本物の金の展示を眺めて、出口でスタッフさんからしいたけ茶をいただきました。
県内の他の観光地に比べて、この辺はやや地味な印象もありますが、スタッフさんも活気があって、印象がちょっと変わった気がします。もちろん良い意味で。
この辺を舞台にしたアニメ「ゆるキャン△」が有名なのもあるのかも知れませんね。
さて、チェックインまでまだ2時間ほどあります。そうしたら気ままに車を走らせてみることにしましょう。
まず、ここから山奥に行った先にある「道の駅しもべ」へ。山道で、ツーリングのバイクとよくすれ違い。
道の駅しもべの駐車場も、バイクが多め。もう一つ山を越えたら、富士五湖のひとつ、本栖湖があります。結構な山奥。
ここの道の駅ではキャンプもできるようです。ゆるキャン△関係のグッズも多く売られていました。
もう少し時間があるので、もう少し一般道路を北上してみましょう。
ここまで道の駅めぐりをしてきたので、カーナビの目的地を「道の駅富士川」に設定して出発します。
山を下って小さな町に入り、途中に身延線の駅を見つけて休憩。電車がやってきて止まり、お客さんの乗り降りもなく出発していきました。
やがて道は富士川沿いに出ます。比較的まっすぐで走りやすい道。
しばらくすると視界が開け、道の駅の広い駐車場が見えてきました。
この道の駅、車も人も多く、施設も新しそうで充実しています。野菜や食べ物などを見てから、雄大な富士川を眺めました。暑かったのですぐ車に戻ります。
この道の駅のすぐ近くに、中部横断道の増穂インターがあったのですが、ここから中部横断道に入る有料になるらしく・・・少々ケチって一般道を南下していきます。
お隣の六郷インターから、中部横断道へ。ここから南は無料です。
山とトンネルとを抜けて、さっき降りた下部温泉早川インターへとへ戻ってきました。
7年ぶりの
見慣れた下部温泉の温泉街を車でゆっくり抜けて、今日の宿へ。
玄関で駐車場の場所を聞くと、すぐ近くにあるのでそこに止めてください、とのこと。
車を置いて宿に戻り、チェックイン。この宿、若い頃に結構通っていて、今回は7年ぶりの宿泊でした。
7年も経っていたのですが、過去に泊まった記録が残っているらしく、スタッフさんも自分がリピーターという前提で案内いただけたのが、ほんのり嬉しい。
久しぶりの下部温泉。プールのような熱くないお風呂に入ると、体が包まれるよう。相変わらずの。
後でスタッフさんから聞いたところ、この日のお客さんは男性のみで、女湯にも入って良いのだそう。
女湯の赤いのれんが撤去されていたので、両方のお風呂に好きなだけ入ることができました。
長風呂と、お部屋でのんびりを繰り返していると夕食の時間になり、ワインと地酒とを飲みつつ、夕食を。
部屋に戻って川音を聴きながら、お風呂へもう1度入り、おやすみなさい。
2日目(下部温泉→中部横断自動車道→新東名高速道路)
くしゃくしゃの浴衣を無理やりに整えて、朝風呂へ。
普段なら、朝に男湯と女湯とが入れ替わるのですが、今回はどちらに入っても良く、朝から両方のお風呂に長くじっくり入りました。
昨日と同じ食堂で朝食をいただいてから、部屋に戻ってゆっくりと帰り支度。
部屋の窓の向こう、駐車場と愛車が見えます。意味もなくキーを解錠すると、向こうで愛車のウインカーが光りました。
そうだ、今日は車で帰るんだった。
大好きな下部温泉ですっきりできたといいつつ、長くお風呂に入り過ぎたのか、少しだるいな、という感じもあり。
コンディションが十分ではない気もしますし、そもそも運転が得意ではないので、気をつけて帰ることにしましょう。
チェックアウトして駐車場に戻り、車のエンジンを入れて出発。
お世話になりました。
温泉街をおもむろに抜け、下部温泉駅の向こうに出て、下部温泉早川インターからまた、中部横断道へと入っていきます。
山と橋とトンネルを幾度も抜けて静岡県に入り、だだっ広い新東名へ戻ってきました。
ちょっと疲れているので、こまめに休憩しつつ帰ろうと思います。
今回の旅のまとめ
最初から最後まで車で行く温泉旅は初めてのこと。
片道で約200キロ弱の運転で、それなりに疲れました。運転への慣れの問題かもしれませんが。。。
高速道路をどんどん利用したので、高速料金とか、ガソリン代とかを考慮すれば、電車の方が安く行けそうです。(ひとりの場合)
もちろん2人以上で行くとしたら、車の方が割安になりますね。
思い立って車移動を決めたので、あまり事前の情報収集もせず、ひたすらに途中の道の駅を巡りつつ宿を目指しました。
運転に不安があって、冒険はしないように、と思っていたのもあり。
ただ、電車やバスだけで行くのがちょっと大変そうな温泉も結構あります。そういう温泉に行くときに、車で移動できるのは良いですね。
疲れましたが、結構楽しい移動でした。
さて、久しぶりの下部温泉。静かなのは相変わらず、こんこんと湧き出る人肌よりも冷たい温泉も相変わらず。
そんな「相変わらず」に再会できて安心し、ゆっくり体を休めた温泉旅でした。
今回行った場所
(今回の温泉旅で出かけた観光スポット、お店等のリンクを後日紹介予定です。)
さて、今度はどこへ行こうかな。