泊まってみたいと思っていた温泉宿が北関東に2つありまして、夏休み、いっそのこと両方をはしごしてみようと思い立ちました。
ただ、片方の宿は栃木県の川治温泉にあって、もう片方の宿が群馬県の水上温泉にある。電車だと200キロ近くの距離、はしごするには難しそうに離れています。
でも、栃木県と群馬県とを結ぶJR両毛線を使えば、時間はかかるけど何とか行けそうな気がします。
ということで、栃木県と群馬県とを一気に巡ってまいりました。
旅の計画
移動に時間がかかるので、計画自体はいたってシンプルになりました。
- 初日は栃木県の川治温泉で1泊、2日目は群馬県の水上温泉で1泊。
- 2日目の栃木県→群馬県の移動は、JR両毛線にひたすら乗る。
- 交通費を節約するために、全ての区間を普通列車で移動する。
新幹線や特急列車を利用しないので、移動時間が結構あります。2日目なんかはずっと電車に乗っていることになりそう。
1日目:栗橋→栃木→新藤原→川治温泉
東武線の旅(栗橋→新藤原)
まずはJR宇都宮線で埼玉県を北上し、東武日光線との乗換駅、栗橋で降ります。栗橋駅の駅前は静かでした。
栗橋駅には、普通列車しか停まりません。本数も結構少なく、暑い中結構待ちます。待っている中、特急スペーシアが通過していきます。
それから今度は、お隣のJRの線路から特急きぬがわ号が東武の線路に入っていきます。JRの新宿駅から、ここ栗橋で東武線に入って、鬼怒川温泉を目指す列車です。
立て続けに特急が2本通過したのを見て、ちょっとだけ各駅停車の旅を後悔しました。
そうしてやってきた新栃木行きの電車はロングシート。通勤電車と同じです。フラットな関東平野をひたすら北上していきます。
終点の手前の栃木駅で電車を降ります。
何しろ暑いので、次の電車の中でビール飲んでぷはーっとやりたかったのですが、栃木駅の構内にはビールは売っておりませんでした。残念。
改札を出れば買えたのですけど、きっぷの買い直しになってしまうので、ここは諦めよう。
今度の新藤原行きの電車はクロスシートでした。
電車は下今市、鬼怒川温泉を通り、東武鬼怒川線の終点、新藤原駅でおしまい。
ここ新藤原駅まではSuicaなどのICカードが使えるので、いったんSuicaで改札を出ます。次の電車が出るまでのわずかな時間で、ここから先のきっぷを買いました。
川治温泉へ
次の電車はすぐ新藤原駅を出発します。2つ目の駅が川治温泉駅で、あっという間です。駅は高いところにあるので、階段を下りて駅を出て、道路へ。
そこから延々と歩きます。暑いことこの上ない。
川治温泉の温泉街へは、次の川治湯元駅からの方が若干近いのですが、川治温泉駅で降りたことがなかったので、今回は川治温泉駅で降りてみました。
暑いのですが、川治温泉のお湯はぬるめのはずなので、ぬる湯で汗を流そう、というのをモチベーションに歩きました。見えてきました、温泉街。
予約していた宿は「登隆館」。ネットの口コミで書かれている通りのぼろ宿ですが、かけ流し温泉が楽しめます。
大浴場の温泉は加温されていましたが、貸切風呂ではぬるいままの源泉を堪能できました。
この日は温泉街の夏祭りの日で、夜は宿の隣に夜店が出て、ビンゴ大会もやっていました。生ビールと枝豆で、夜風に吹かれてのんびりします。
ひとりで来ている人はいなそうでしたが。
ビンゴ、結構いい線まで行ったのですが、ダメでした。景品の「川治温泉宿泊券」が少し欲しかったな。
でも、当選してひとり壇上に上がってインタビューに答えたりするのは恥ずかしかったと思うので、はずれてよかった、と思う自分もいました。
2日目:川治温泉→栃木→高崎→水上温泉
まずは栃木駅へ戻る
次の日も暑い日でした。朝食をお部屋に持ってきた仲居さんに、今日は水上に行きます、と言うと「水上のほうが暑いでしょうね」と言われました。
とにかくこの年の夏は暑かったのです。
宿の目の前にバス停があったので、そこからバスに乗ることにしました。鬼怒川温泉駅まで乗り換えなしで行けたのですが、所要時間と運賃は電車よりかかりました。
この先、各駅停車の旅が続くので、鬼怒川温泉駅から少し歩いた先にあるセブンイレブンでちょっと買い物を済ませてから、東武線の電車に乗ります。
前日に乗り換えた栃木駅で電車を降ります。ここからJR両毛線に乗り換えるわけです。
栃木の街は小江戸と呼ばれて風情があり、10数年前に歩いたことがあります。が、今回はひたすら水上温泉を目指す旅なので時間がなく、街歩きは断念です。
ここからはJR線に乗るのですが、お得なきっぷ「ぐんまワンデー世界遺産パス」を買ったほうが少し安くなるので、駅の券売機で買いました。
「ぐんまワンデー世界遺産パス」の説明は、ひささんのブログへどうぞ。
とめどなくロングシート
JRの改札を通り抜け、次の両毛線の電車に乗ります。
今度の電車もロングシートでした。車窓を眺めようと思っても窓が背中にあるので、首をひねらないといけません。なのでロングシートは好きではないです。。
それで車窓を見るのも面倒くさくなってしまい、ちょっと退屈になり、うとうとしたりして過ごしました。
佐野、桐生、太田、伊勢崎と通り、ようやく終点の高崎へ。高崎駅で途中下車して、駅ビルの土産物屋さんなどを見て回ります。ここも乗り換え時間は少しだけ。
次の上越線の電車も、同じ種類の車両「107系」でした。ロングシートです。。とめどなく、ロングシート。*1
先ほどの両毛線は割と空いていたのですが、今度の上越線は若い女の子の集団とかで結構混んでいて、席はびっしり埋まりました。
たいてい、途中の渋川で伊香保温泉に行く人が降り、その先の沼田で尾瀬に行く人が降りるので、少しずつ電車は空いてくるだろうと思っていました。
が、この日はなかなか空きません。
上越線の車窓は鉄橋から利根川を眺められるのがいいのですが、ロングシートだと難しく、せっかく座っていたのを敢えて立って、車窓を眺めてみたりしました。
座るばかりも疲れるのです。
そうこうして、終点の水上駅に到着です。
水上の夜は7時
終点の水上駅から、今日の宿「天野屋」までは少し歩きます。8月の平日で、温泉街は閑散としていました。
廃墟になっていた大きなホテル跡を横目に歩いて、路地裏にあった「天野屋ホテル」を見つけます。ホテルと言いつつ旅館にしか見えないのは、ご愛嬌。
宿の方は皆さんご年配の方ばかりでしたが、とても良くしてくださいました。
2階の部屋に案内され、温泉に入ったり、少々寂しい温泉街を歩いたりして時間を過ごし、夕食はお部屋で。その後ショットバーを見つけて飲みに行きました。
水上は週末にSL列車がやってきます。バーテンダーさんいわく、
「週末の昼間はSLに乗ったりSLを撮ったりする人でにぎわうのですが、皆さん泊まらずに帰ってしまうんですよね。泊まっていただけるといいのですが」
とのこと。
久しぶりのショットバーで、安くショートカクテルをいただくことができ満足でしたが、ちょっと酔っぱらった夜でございました。
3日目:水上温泉→高崎
次の日はあいにくの雨。宿で朝食をいただいてからチェックアウトします。この日も平日なので、水上駅も人はまばら。
やってきた電車はクロスシートで、今までロングシートだったことを思うと少し嬉しくなります。(2018年に、この車両は上越線から引退しています。)
車窓からワイルドに流れる利根川を眺めて、行きの時はさほど時間が取れなかった高崎駅で、少し長めの途中下車。
お土産を買って、鳥めしと地酒(もう、いつもこの組み合わせばっかり!)を抱えて、帰りの普通列車のグリーン車に乗り込みました。
今回の旅のまとめ
今回は普通列車の旅でしたが、やはり栃木駅→高崎駅の両毛線がハードでした。
途中、佐野、足利、桐生などの町があるので、途中下車してあれこれ歩いてみると良かったかな、というのが今後の課題。
ただ、途中下車していると水上到着が遅くなってしまうので、今回はまっすぐ移動に徹したわけです。
川治温泉も水上温泉も大きな旅館やホテルが多くありますが、温泉街そのものは寂しい雰囲気でした。
この寂れた感じの中にひとり、というシチュエーションを結構気に入り、それ以降、そんな静かな温泉街にあちこち足を運ぶようになりました。
そういう意味では、この温泉旅がいいきっかけになったのでした。
さて、今度はどこへ行こうかな。
*1:2017年に上記の「107系」は引退してしまいましたが、その後を受け継いだ電車もロングシートの電車です。