温泉好きのお湯

関東近郊を巡る、静かな温泉旅。今度はどこへ行こうかな。

静かな温泉旅20年目 過去と今とで変わったことは?

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ひとりで温泉宿に初めて泊まったのが2006年の夏のこと。

そこから20年が過ぎました。今も時々、ひとりで温泉宿に泊まっています。

長けりゃ良い、というものでもありませんが、20年も経つと、温泉旅を取り巻く環境も大きく変わったなと感じます。

そこで、20年前を振り返りつつ、どの辺が変わったのか書いてみようと思いました。

あくまで、個人の印象ですけどね。

ひとり泊の予約

泊まりの温泉旅のメインイベントといえば、温泉宿への宿泊。

以前は「温泉宿といえば、2人以上で泊まるもの」という印象が強かったように思います。

今でも、楽天トラベルやじゃらんnetで温泉宿を探すとき、最初に表示される人数は「2名」。

その人数を「1名」にして検索すると、候補の宿の数がぐぐっと減ります。

要は「おひとりさまNG」という宿は、今も一定数あるわけです。

広い和室に1名で泊まるのと2名以上で泊まるのとでは、宿の収入も大きく違ってくるので、1名を受け入れるのは難しい、という宿もあるのでしょう。

以前と比べて「ひとりで泊まれない」宿が減っているのかどうかは、分かりません。

ただ、宿の予約のメインの手段が電話からインターネットになり、ひとり泊を予約するのに気持ち的なハードルは下がった気がします。

電話予約がメインだった時代は、その宿がひとりで泊まれるかどうか分からず、おそるおそる電話をかけていたものです。

「1名ですが・・・泊まれますか?」と聞く時の、ちょっとしたドキドキ感。

その後にOKをいただけると、嬉しかったものです。

ただ、稀に1名なのを理由に断られることもありました。

1名が理由ではなく「満室です」と断られたこともありますが、もしかしたら、ひとりで泊まれなかっただけかも、と、よからぬ想像をしてしまったことも。

今はネットで確実に、ひとり泊の予約ができます。

最初から、人数を1名にして検索して予約すればいいので。

ひとり旅歓迎プラン、みたいなプランを予約サイトに載せる宿も増えた印象があります。

宿もいろいろ。

以前に家族で泊まったことのある宿が、今はひとり泊歓迎で、お客さんの大半がひとり旅、という宿があったり。

ひとり泊のお客さん向けに、建物をリノベーションして、1名用の小さな部屋をたくさん作った宿もあったり。

そんな風に、宿のほうも徐々に変わってきているような。

雑誌の記事などで、ひとりで温泉宿に泊まる特集などが載っていることもありますし。

以前はそういうのも珍しかったように思います。

ちょっとアングラな感じの匿名掲示板で、ひとりで泊まれる宿について情報交換をしていた過去・・・

宿のお食事

20年間で、だいたい100件ちょっとの宿に泊まってきました。

高級な宿には縁がないのでわかりませんが、中小の宿、安価に泊まれる宿を取り巻く環境は大きく変わっていると思います。

夕食と朝食を宿で出していた宿が、食事の提供をやめて素泊まりプランのみになったり、朝食のみ提供するようになったり、が多いですね。

宿で食事を用意するのは大変なのでしょうし、泊食分離とか、B&Bみたいな考え方が増えてきた、それも時代の流れでしょうね。

食事といえば「お部屋食」も減っているかもしれません。

宿のスタッフさんが、個々の部屋にお食事を運んできてくださり、お部屋で食事をいただける。

部屋と厨房を行ったり来たりするスタッフの方は大変でしょうね。

ひとりで温泉旅を始めたころは、大広間のような場所で他のお客さんがいる中でひとり食事するのはちょっと嫌でした。

なので、宿を選ぶときは、お部屋食の宿をかなり重要ポイントにしていました。

今は、ひとりで食事するのがさほど気にならなくなったので、お部屋食かどうかは重要視しなくなりました。

宿の外で食事することも多いですし。

世の中的にも、ひとりで何かをすることに対するハードルが下がっている気もしています。(個人の印象です)

ただ、お部屋でのんびりお酒を飲みつつ食事するのは、今も結構好きです。

もうひとつ、宿のドリンクメニューが充実してきたと思います。

以前は、チェックインの際に「今夜は何を飲みますか?」と聞かれた気がします。

宿の玄関をくぐったばかりで、どんな飲み物があるかも分からないのに、今思えば、ちょっと強引な感じも。

で、とりあえず「瓶ビールで」とか「いらないです」とか言っていました。

でも最近は、宿で夕食をいただくときはドリンクメニューがあるので、それを見て、食事のときに注文できることが多いです。

ドリンクメニュー、見ていると地元のお酒とかいろいろあって、面白いです。

特に日本酒は、たいてい見たことのない地元のお酒がメニューに載っていますから。

個人的な話になってしまいますが、そういう、温泉宿で飲んだ地酒がきっかけで、日本酒をよく飲むようになりました。

また、残念ながら廃業される宿も増えてきました。

肌感覚ですが、コロナ禍が終わったころから、お世話になったことのある宿の廃業が増えてきたような気がします。

SNSで廃業を知って、このブログに載せていた宿泊記録に「この宿はもう営業していません」と追記するのがここ数年で増えてきました。

気が重くなる追記です。

単に廃業してしまうと、建物だけが残り、やがて廃墟になってしまったりします。

ただ、中には新しい方が宿の建物を受け継いで、新たな宿がオープンする、ということもあります。

そういう宿に泊まりに行くと、少しだけうれしい気持ちになります。

以前の雰囲気が残っていて懐かしかったり、サービスが新しくなっていて、前との比較が面白かったり、で。

最近よく目にするのは、温泉宿だった建物がリニューアルして、シンプルなサービスを提供するようになったパターン。

相部屋のドミトリーがあったりとか、食事の提供がなくても自炊スペースが充実していたりとか、談話室が設けられていたりとか。

設備は新しくなっていつつ、サービスがシンプルなので、お値段は比較的抑えられています。

宿泊予算の都合上、そういう宿に泊まる機会も増えてきましたが、泊まってみると快適です。

旅館よりはビジネスホテルに近く、ひとり泊との相性が良い気もします。

バスの変化

ひとりで温泉宿に泊まる前から、電車やバスでの旅が好きだったので、乗り物を取り巻く環境の変化も強く感じます。

コロナ禍で運休が増え、コロナが終わっても、今度は運転手が不足してしまい、多く走らせることできない、といったニュースをよく目にします。

電車もですが、こういうケースはバスのほうが多いですね。

ひとりで温泉旅をしていて、バスに乗る機会があるとしたら、

  • 駅から離れている温泉地まで、ローカル路線バスに乗る。
  • 温泉地まで、もしくは温泉地のある県の主要都市まで、高速バスに乗る。

という感じだと思います。

まず、2020年からのコロナ禍で、高速バスが大きく減りました。

そして、今も本数は完全には戻っていない印象です。

例えば、栃木県の那須温泉、塩原温泉、鬼怒川温泉へは、それぞれ都内から高速バスが運行されていましたが、2026年1月現在、すべて運休中になっています。

新幹線や特急列車に比べて、高速バスは車内も狭いですし、道路の渋滞で遅延したりしますが、運賃は電車の半額程度と安いことが多いです。

物価が上がっている中で、低コストで移動できる手段としては貴重な存在になると思うのですが、運転士不足が理由かもしれず、難しいですね。

また、駅と温泉地とを結ぶ、ローカル路線バスも減少傾向。

宿にじっくり滞在したい場合は、たいてい早めの15時くらいからチェックインして、翌日の10時頃にチェックアウトすることになります。

ですので、15時前後に温泉地に到着するバス、10時前後に温泉地を出発するバスがあると便利なわけです。

ただ、最近はバスの本数が減っていて、宿に泊まる人目線で都合のいいバスがなくなってしまった温泉地が増えています。

キャッシュレスが増えた

一方で、ICカードやコード決済で乗れるバスが増えてきたのは、便利ですね。

以前は、バスに乗るときに紙の整理券を取って、整理券に書いてある番号と料金表とを見比べて、小銭を用意して払う感じでした。

おつりは出ないことが多いので、運転席の横の両替機でじゃらじゃら両替する必要があったわけです。

紙の整理券を取る、自分がいくら払うか確認する、両替機で小銭を用意する、そういう手間が、地方の路線バスでも減っているのは良いことだと思います。

バスに限らず、地方でもキャッシュレスが使える機会が増えています。

宿泊料金も、事前にクレジットカードで決済できる宿が多くなり、チェックイン・チェックアウト時に現金払いをしなくても良くなりました。

まだ、100円程度の「入湯税」だけが現金払いで残っているので、事前にカード払いを済ませていても、宿のフロントで入湯税だけを払うこともありますが。

買い物や食事も、キャッシュレス対応のお店が増えているので、そこまで多額の現金を持ち歩く必要はなくなってきています。

ただ、キャッシュレスがあって当たり前、というスタンスだと、思わぬトラブルに合うかもしれません。

ICカードに対応していない地方のローカル線で、運転士さんや車掌さんが、ICカードで乗ってきたお客さんの対応をしているのが、いつも大変そうに見えます。

旅の時、日常生活より少し多めの現金は必要ですね。

というわけで

20年経って感じるのは、

  • 世の中的に、ひとり旅が一般的になりつつあること。
  • 宿の入れ替わりが起きつつあること。
  • バスの今後がちょっと心配になってきていること。
  • 地方でもキャッシュレス決済が普及してきていること。

ひとりで温泉宿に泊まることについては、だいぶ良い環境になってきました。

長く営業している宿、廃業した宿がある中、新しいスタイルの宿も出てきています。

一方で、移動のハードルが上がっているのも事実。

個人的には、代わりにマイカーやカーシェアを利用する機会が増えています。

車を運転しない人にとっては、ひとり旅で出かけられる場所の選択肢が少し狭くなってきているのかもしれません。

時代の変化に適応しつつ、これからも静かに温泉旅を楽しんでいければと思います。

さて、今度はどこへ行こうかな。