温泉好きのお湯

静かな温泉ブログです。今度はどこへ行こうかな。

遥かなマイファースト尾瀬、遠い空。

春になりました。高い山々にはまだ雪が残っていますが、段々と雪も溶けて、登山シーズンになっていくのでしょう。

ちなみに自分も、何年かの間登山をしていたことがあります。

基本的に自分の楽しみと言えば、平日の晩酌と週末のひとり温泉旅ですが、ひとり登山をしていた時期は、ひとり登山>ひとり温泉旅でした。

もともと「所属している組織になじむ、適応する」というのが苦手な自分でして、特に強いストレスを感じながら働いていた時期がありました。

そんな時ひとり登山を始めたのですが、初期のころ、群馬県は「尾瀬」を囲む山々の一つ「至仏山」(しぶつさん)に登ったことがあります。

そして、この至仏山登山がきっかけで、尾瀬と登山とが一気に好きになったのでした。

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尾瀬を目指す

まだ見ぬ尾瀬に行ってみようと、とある疲れた週末に高速バスに乗り込みました。

平日を積み重ね、仕事のストレスが溜まってくると、週末の休みを迎えても気持ちの中にモヤモヤしたものが残っているのでした。

そんなモヤモヤした自分と、モヤモヤとは縁のなさそうな(と、勝手に思った)多くの登山客とを乗せた高速バスは関越道を北上し、沼田インターで一般道へ出ます。

沼田インターを出てから尾瀬までの間には「椎坂峠」という峠道があります。バスはその峠道をくねくねと登り、くねくねと下って超えていきました。

(今はトンネルが開通して、バスは峠道を通りません)

その、くねくねと登っていく間に、自分の心の中にいたモヤモヤが少しずつ落ち着いてくるのを感じました。

峠道を曲がっていくうちに、モヤモヤがふるい落とされたのでしょうか?

そうしてバスは片品村へ。車窓はいつしか緑が濃くなり、空も高くなり。落ち着きを取り戻した気持ちが、今度は少しずつ高ぶってくるのを感じます。

そう、楽しみになってきたのです。

この日は麓の温泉民宿で一泊する予定でしたが、チェックインまでは時間もたっぷりあるので、バスを途中で降りることにしました。

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土出温泉、というバス停で降り、バス停の近くで見かけた温泉宿でひと風呂浴びてから、歩き出しました。

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道端に咲く花はカラフルで、道路に寄りそう片品川は不思議な綺麗さ。そんな目の前のあれこれに意識が向いているのが、何だか久しぶりのように思えました。

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さらに気分が高まるのを感じつつ、尾瀬戸倉温泉へ到着。この日に泊まる温泉民宿にチェックインします。登山の前泊で民宿に泊まる、という経験は初めてでした。 

www.onsen-oh-yu.com

お風呂は貸切できる小さな家族風呂でした。お食事も美味。食後に、宿の方と話をして登山のことをいろいろ聞きます。

聞くところによると明日の天気は雨らしく。宿の方に、至仏山に登ることにしています、と話したのでした。

至仏山は雨が降ると足元が滑るので、尾瀬ヶ原の方がいいかもしれないですね、とも言われます。お礼を言って、部屋に戻って早く眠りました。

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夜明け前→雨から晴れへ 

まだ夜明け前なのに、宿の前の駐車場はバスが来ています。恐らく都会から夜行でここまでやってきたバスです。きっと登山者が乗っているのでしょう。

一方の自分は宿の朝食をいただいてから、朝の乗り合いタクシーで尾瀬ヶ原もしくは至仏山への入り口「鳩待峠」を目指す予定でいました。天気は曇り。

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乗り合いタクシーはワゴン車で、数人を乗せて走り出します。林の中を登り、いくつかのカーブを経て、鳩待峠に着いたのでした。

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多くの人は尾瀬ヶ原に向かって坂を下っていきますが、自分が目指そうとしていた至仏山への道は、その脇にありました。

指導員のおじさんと話をしたのですが、今日はずっとこんな感じの天気だと思いますよ、とのこと。

でもまあ、予定通りに行ってみよう、と決めました。

最初は林の中で、道もぬかるんでいます。

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そうすると、徐々に空が開けてきます。林を抜けて木々が少なくなってきたのです。

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そして、空は青色を取り戻しつつありました。

やがて木々はなくなり、草原の中の木道を歩いていきます。広がるグリーンのじゅうたんの中。少し立ち尽くしてみます。

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遠くにはぼんやり、尾瀬ヶ原。

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山に元気をもらう(月並みですが)

この時はそのまま至仏山へと登り、そのまま、もと来た道を引き返して降りてきました。下山するまで、天気はずっと晴れていてくれました。

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登山を始めたばかりで、登山って面白そうだな、と何となく思っていたのが、この時の経験で、これは面白い、と確信。

自然の中に身を置くことで、そのスケールを強く感じた一方で、自分の日常とか、自分の存在はなんてちっぽけなのだろう、と。

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下山後、そんなちっぽけな日常が変わらずに待っていました。自分も周囲も変わらず。

ただ尾瀬に出会ったことで、自分の心の持ちようだけは少しばかり変わっていたのかもしれません。知らず知らずのうちに、どん底を抜けたような気がしたのでした。

また山へ元気をもらいに行こう、と思って、それ以降数年間、尾瀬近辺を含むあちこちの山々を歩くようになり。

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今でも不思議なのが、雨から晴れへと、山の中にいて自分の都合の良いように天気が変わってくれたのは、 後にも先にも、この一度だけでした。何だったのだろう?

さて、今度はどこへ行こうかな。